介護の悩み
2016年11月07日
イライラや怒りをコントロール!ストレスが多い介護士のアンガーマネジメント
介護士の仕事は多岐にわたり、時には意思の通じない利用者から理不尽な言葉を投げつけられたり、身に覚えのないクレームを家族から突きつけられたりすることもあります。
イライラしたり怒りの感情が湧き起こってくるときというのは基本的には自分の思いとは全く違う方向に物事が起こるときで、子供のわがままに直面したときなども、あまりにも言うことを聞かないわが子に対しても怒りを爆発させてしまった経験は多くの人が持っています。
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怒りの感情が起こるのは自然なもの
怒りに任せて怒らせた相手に暴力を振るったりするのはけして許されることではないのですが、怒りの感情そのものが起こるのは誰にとってもごく自然なことです。
今、何かと話題に上っている介護現場での虐待のニュースなどは、怒りの感情を上手くコントロールすることが出来ずにそのまま高ぶった感情の矛先を介護の必要な高齢者や幼い子供などの弱者に向けた結果起こるものです
。怒りと言う感情は起こるがままにしておくとこうした悲しい結果に繋がる可能性もありますが、上手にコントロールできればむしろよいエネルギーとなってくれる可能性を持つものです。
かといって怒りの感情を全て否定するのではなく、怒りの感情が起こることはごく当たり前の事なのだと納得した上で、怒りの感情を上手くコントロールするための技術を身につけることが大切です。
怒りの感情が湧き起こったときに心がけたい対処法
ついカッとなって…暴力的な行為をしてしまったときの言い訳の第一声として使われることの多い言葉です。様々な理由によって自分の中に抑え切れないくらい強い怒りの感情が沸き起こったとき、いくら自分の感情を否定しないとはいえ、感情に任せて行動してしまえば暴力に繋がる可能性はとても高くなります。
ついカッとなって暴力を振るってしまう前に、怒りの気持ちが自分の中に沸騰するように急激に押し寄せたら、握ったこぶしをいったんおろし、6秒ほどの間怒りの感情をやり過ごすようにしてみます。
6秒間と言うのはほんの短い時間ですが、怒りが頂点に達した瞬間にそのままこぶしを振りかざす前に6秒間あれば、怒りが頂点に達していた状態から冷静な自分を取り戻すことが出来ます。
自分を怒らせる原因となった事柄が、あるいは怒らせて感情を爆発させるために相手からわざと突きつけられたものであった場合、特にこの6秒間だけ待つという習慣が優れた効果を発揮します。たかが6秒間と思いますが、頭を冷やすためには十分な間となるものです。
本当に怒るべきときには怒ってよい
暴力は許されることではありません。体力や認知力の落ちた高齢者に対する暴力はなおの事です。でも、怒りの感情が起こったとき、怒りは悪いものだから怒らないようにしなければと自分の感情を全て否定してしまうのではなく、本当に怒るべきときには怒ってよいのだと理解することも、怒りの感情をコントロールするには大切です。
怒りが起こる原因が自分の身の危険に繋がるようなことだったり、自分自身の尊厳を著しく侵害されるようなことだったり、自分自身がいわれのない不利益をこうむるようなことを受けたとき等は、怒りがおきて当然のケース、いわば怒らなくてはならないケースです。
いつもニコニコとしている人でも、そうした怒るべき瞬間には堂々と怒って良いのです。怒りの感情が生まれる最も大きな要因は、人それぞれに価値観が異なることです。
もともと人は考え方や価値観が違うものだということを理解したうえで、自分を怒らせた相手に対してどう感じたのか、本当はどうして欲しいのかということを、相手に正しく判ってもらえるように伝えることこそ上手な怒り方です。
こちらの意向を相手にわかってもらえないために殴るなどの暴力的な手段に訴えるのは論外ですが、怒るべき瞬間にはきチンと正しく相手に伝わるように怒ること、そして怒るべきではない、つまりどうでもよいような瞬間には、たとえ怒りの感情が湧き起こったとしても、上手くやり過ごして特に反応しないように出来るのが理想です。
人は違って当たり前、価値観も怒りの感情が起こるポイントも違うものなのだと理解するだけでも、怒りに振り回されずにすむようになるものです。