介護の悩み
2016年06月21日
介護職員が腰痛予防のためにできる方法まとめ!腰をなるべく痛めない
一度傷めたら大変!痛める前から予防しよう
介護士の一番の職業病はなんでしょうか?そう、腰痛です。介護士の多くの人が、程度に差こそあれ、腰痛症を患っています。コルセットをするだけで済む人、定期的に針や整体に行ってケアしてもらう人、日常生活に支障が出るくらいにひどい人・・・。様々な人がいますが、腰は一度痛めてしまうと、働きながら治すことはなかなか難しいですね。腰痛のために介護士という仕事自体から離れていく人も、大勢います。ですから、腰は痛める前に予防するのが鉄則です。
とはいっても、介護士の業務内容は、看護師と違って身体介護がほとんど。お風呂当番の日は、1日中汗だくでお風呂に入れている・・・ということもあるでしょう。夜勤のときは2人だけで1フロアーの患者さんの体位交換をします、という職場もあるでしょう。どこの医療機関・福祉施設も、介護士は常に求人を出しています。足りているというところは、皆無でしょう。このような過酷な職場環境において、どのようにしたら腰痛からあなたの腰を守ることができるでしょうか?
介護士の腰痛に関連する記事
- ストレッチで腰痛予防!介護士におすすめな簡単にできる腰痛対策ストレッチ方法
- 介護士の職業病って?心配なのは腰痛だけじゃない!肩・手首・皮膚湿疹…
- 移乗介護のコツを押さえて腰痛対策!介護士が知っておきたいポイントとは
腰痛予防のために、できること
腰痛を予防するためには、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?職務内容自体が腰に負担がかかることは事実なので、「負担を軽くする」方法をあげてみました。
腰痛予防の7箇条
- (1)無理やり腕力で身体介護をしない
- (2)適切なベッドの高さへ調節する
- (3)大柄な人・重い人は、助けを呼ぶ
- (4)腹筋・背筋、体幹力をつける
- (5)毎日お風呂とストレッチをする
- (6)痛くなる前からコルセットをつける
- (7)痛くなったら、我慢せずに受診する
いかがでしょうか?こんなことできないよ!!というものも、ありますか?
まず(1)、体位交換や移動の際には、ボディメカニクスといって物理学を応用した動きで、身体を上手に使って行いましょう。リハビリ科のスタッフが詳しいこともありますし、研修を受けたり本を読むなどして、まずは知識として入れなくてはなりません。それを、毎日の動作に組み込んでいきましょう。腰痛予防に対しての一番効果があるのは、このボディメカニクスです。全く介護に対する知識がなく介護の世界に飛び込んだ人には、とくに学んで欲しいですね。
次の(2)は(1)に関与することですが、低すぎたり高すぎるベッドやストレッチャーは、腰の負担を多くします。いちいち直すのが面倒でも、腰を守るには体位交換の都度、適切な高さに調節しましょう。
そして(3)、これは職場の雰囲気や環境にもよるかもしれませんが。若くして寝た切りになった人や、経管栄養をしている人は、意外にも体重があります。(1)・(2)だけではなく、これはもう「重いのだから仕方ない」と割り切って、応援をよびましょう。事故防止にもつながりますから、皆で協力し合う・助けを呼び合う職場の雰囲気を作れるといいですね。
(4)(5)(6)は、自分自身で行うケアです。腹筋や背筋のない人は、腰痛症を起こしやすいです。腕力に自信のある人もまた、力任せで行おうとして腰を痛めることがあります。ですから、腹筋・背筋だけでなく、側腹も含めた体幹全体の筋力を付けておくことをお勧めします。最近は体幹トレーニングの本がたくさん出ていますし、自宅で手軽に行うことができます。そして、毎日の仕事のあとには張った筋肉をほぐし、頑張った身体をいたわってあげましょう。また、痛みが出てからではなくて、腰を保護する意味で、痛む前からコルセットなどをしておくといいですね。
最後に(7)は、我慢せずに早めに受診をすること。自己判断で市販の鎮痛薬を飲んだりしてごまかさず、痛みが出てきたら素直に整形外科を受診しましょう。コルセットも既製品ではなく、あなたに合ったものが必要になるかもしれません。そして、最悪の場合の“引き際”を判断してもらうことができます。自分ではなんとか頑張れる・・・と思っても、もう医師の目から見て「辞め時」というものもあります。腰椎MRIや痛み具合から、医師がもう身体介護は辞めなさいと言って診断書を書いてくれれば、仮に職場の方で退職を引き止められても逃げることができます。病棟から身体介護の少ないデイサービス等へ、配置転換してもらうことも可能です。
この7箇条は、介護に携わる限り、終わりはありません。ちょっとした油断から腰痛症を発症してしまわないように、日々心がけてくださいね。そしてくれぐれも、無理しないようにしましょう。