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介護のハウツー

2016年09月24日

介護士が胃ろうを行っても大丈夫?胃ろうの利用者を介護するポイントや注意点

介護食

年齢を重ねて体の様々な機能が衰えてくると、立ったり歩いたりといった身体機能だけでなく、ものを噛んで飲み込むといった体の機能も衰えてくることが考えられます。でもものを食べて栄養を体に補給することで人は生きていけるので、食べられなくなることはそのままいずれ死んでしまうことへと繋がります。そんな状態を救えるのが胃ろうです。

食べるというとても大切な行為

ものを食べるという行為は、人間だけでなくあらゆる生き物にとって大切な行為です。

おいしいものを食べるという行為は多くの場合人に喜びを感じさせるものなのですが、高齢になって体の機能が衰えると、それまで普通に出来てい食べ物を口の中で噛み砕いて飲み込むという動作が簡単に出来なくなったり、上手く飲み込めず気管から肺に食べ物が入って誤嚥性肺炎を起こして命を落とすことに繋がる可能性も高まります。

胃ろうを作ることのメリット

胃ろうは患者の腹部に穴を開けて、胃まで管を差し込む器具を取り付けるもので、その管を通して直接胃に栄養を送ることが出来るというものです。

嚥下障害などの機能的な問題があったり、のどの周りに病気などがある場合でも栄養を胃から摂取することができるので、一般の食事によってむせたり肺炎を起こしたりするリスクを回避して安全に栄養をとれるのがメリットです。

また、介護食よりも食事介助にかかる手間が緩和されることで介助の負担が軽減されることもメリットの1つといえます。

介護士を悩ませてきた胃ろう患者のケア

胃ろうは医療行為であり、基本的には医師や看護師以外が実施することは出来なかったのですが、高齢者の胃ろう患者が増加したことで、医師や看護師の常駐する施設だけで対処するのは難しくなりました。

多くの高齢者の受け皿として医師や看護師のいない高齢者施設でも胃ろう患者を受け入れられるように胃ろうの医療行為の解除を求める声が広がったことを受け、現在は条件付で介護士が胃ろうを行うことが出来るようになりました。

以前は違法と知りながらも介護士が胃ろうのケアをせざるを得ない状況の中で、多くの介護士が悩みを抱えながらケアを行ってきたことが、これによって正式に介護士がケアを出来るようになったものです。

ただし、介護士が胃ろうを行うためには決められた時間の研修を受講する必要があり、出来る範囲も経管栄養のみに限られます。

胃ろうの利用者を介助するときの注意

胃ろうで直接栄養をチューブから胃まで送る行為を実施するに当たっては、チューブをはじめとして複数の物品を使用します。これらの物品の衛生管理を徹底することは感染症などを防ぐ上で最重要ポイントです。

胃ろうの逆流を防ぐため、栄養を注入する際には半座位の安定した姿勢をとるようにします。そしてものを口から食べなくなることで唾液の分泌が減って口腔環境は悪化しやすくなるため、たとえ口から食事を取ることがなくても、通常通りに口腔内を清潔に保つため清拭は定期的に行う必要があります。

そして認知機能の低下した利用者は、胃ろうチューブを自分で引き抜こうとすることがあります。そうしたことを予防し、リスクを避けるためにその人の状態によっては身体拘束が必要になるケースもあります。

胃ろうは使用する人の数が増加するに伴って、長い間介護士を悩ませて来た行為ですが、医療行為の解除によって医療スタッフの常駐しない介護施設でも行うことが出来るようになりました。

介護食の食事介助と比較すると時間も手間もかからないようなイメージがありますが、胃ろうは場合によっては命の危険に繋がることも考えられる行為のため、注入する際には利用者の様子をよく観察しておくことが大切です。

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