介護のハウツー
2016年08月11日
入浴介助の仕方って?介護士が知っておきたい手順やポイント・注意点
介護の中でも負担が大きく難易度が高いと言われる入浴介助。入浴は介助者にとって、体を清潔にするだけでなく、体を暖めたりリフレッシュしたりすることができるとても大切な活動です。また、介護士にとっては、その介助者のことをよく知ったり、コミュニケーションをはかったりする機会となります。そのため、入浴介助の手順やポイントをしっかりつかんでおくことは、とても大切であると言えます。
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目次
- 1
入浴介助の手順を知っておこう
- 1.1 (1)健康状態の把握
- 1.2 (2)脱衣所や浴室の準備
- 1.3 (3)体を洗う
- 1.4 (4)湯船につかる
- 1.5 (5)入浴後のケア
- 2 まとめ
入浴介助の手順を知っておこう
入浴介助の手順は、以下の通りです。入浴は介助者によって異なりますが、生活リズムを整えるためにだいたい毎回同じ時間帯に行われます。嘔吐や血圧の上昇などを引き起こす恐れがあるため、食後の入浴はできません。
(1)健康状態の把握
入浴前には、介助者の健康状態のチェックを必ずしましょう。体に不調があるにもかかわらず、入浴させてしまった場合、体調が悪化したり場合によっては命に関わるトラブルが起こったりすることがあるためです。「調子はいかがですか?」「お変わりありませんか?」など会話をしながら、介助者の様子をチェックします。元気がないなどいつもと違う様子がある場合には、入浴の時間を後にずらして経過観察をし、その後の様子で入浴するかどうかを判断しましょう。
ろれつがまわらなかったり、顔色が悪かったりと明らかに異常な場合には、看護師に報告してその後の指示を仰ぎます。また、皮膚に異常がある場合にも、悪化する恐れがあるので、注意が必要です。介助者の様子をチェックしながら、バイタルチェックも行います。心音・血圧・体温を測定します。ここで異常がある場合には、入浴は見送りましょう。血圧については、平均値よりも極端に外れていたり、その介助者のいつもの安定値から外れていたりする場合には、入浴できません。入浴前の排泄の有無についても把握しておきましょう。
(2)脱衣所や浴室の準備
脱衣所と浴室の温度差があると体調不良を引き起こす可能性があるため、浴室を十分に暖めておくことが重要です。床や壁・シャワーチェアなどにお湯をかけて、全体を暖めましょう。こうすることで、お湯で暖めるとともに、浴室内の湿度があがるため、気管が弱い介助者の呼吸楽にすることもできます。シャワーチェアには、タオルを敷いて介助者の体が直接触れないようにすることで、感染予防や介助者がビックリすることを防ぐことができます。
(3)体を洗う
体を洗う際には、介助者の皮膚の状態を確認しながら進めていきます。肌や頭皮に湿疹やかさぶた・できものができていたら、看護師に必ず報告します。シャワーを使うときには、まずは自分の肌で温度を確認し、その後介助者に当てていきます。「熱くないですか?」など、声をかけながら進めていくと、介助者も安心できます。
温度差による負担がないように、足元から順番にゆっくりと洗っていきます。先発の際には、頭皮をこすらず指の腹でマッサージするように優しく洗っていきます。洗い流すときには、流し残しがないように、十分に洗い流していきましょう。
(4)湯船につかる
シャワーチェアから立ち上がる際には、めまいやふらつきがないか必ず確認しましょう。足腰の弱い介助者は浴槽に移動することにとても不安を抱いているため、「しっかり支えていますからね」「ゆっくりで大丈夫ですよ」など、声をかけながら進めていきましょう。
湯船からあがる際には、めまいを起こしやすいので、介助者の様子をチェックしながら介助をします。その後シャワーチェアに座ってもらい、掛け湯をします。掛け湯が終わったら、体を拭きます。体が濡れたまま脱衣所へと移動すると、滑って転倒したり温度差で体調が悪くなったりしてしまうため、必ず浴室内で体を拭きましょう。ある程度の水分が取れてから脱衣所へと移動します。
(5)入浴後のケア
入浴後は、湯冷めを避けるために体に水分が残らないようにしっかりと拭き取りましょう。タオルで押さえるように水分を拭うと、肌への負担も少なくなります。入浴後は体調が悪くなることが多いため、何か変わったことはないか、介助者の様子を確認しましょう。入浴後は汗をかくので、かならず水分補給を行いましょう。
まとめ
入浴介助は、介護士にとってとても大きな仕事のひとつです。入浴介助をスムーズに安全に行うことで、介助者とより良い関係を築くことができます。