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介護のハウツー

2016年09月13日

介護の分野でも注目!生活行為向上マネジメントを活用する方法やメリットとは

生活行為向上マネジメントのイメージ

みなさんは、「生活行為向上マネジメント」というものをご存知でしょうか。一般的にはあまり聞きなれない名前かと思いますが、新たな視点での取り組みとして、近年、医療や介護、リハビリの分野で注目されつつあるものとなっています。今回は、この生活行為向上マネジメントについて、その内容や介護とのつながりなどについてご紹介していきたいと思います。

生活行為向上マネジメントとは

作業療法のプロセスを表している

生活行為向上マネジメントとは、専門的で認識の難しい「作業療法」を多くの人に発信していくための手段として、2010年より日本作業療法士協会が推進している取り組みのことをいいます。

生活行為に着目

  • セルフケア…自分の身の回りの作業
  • 家事…生活を維持するための作業
  • 仕事…生産的作業
  • 余暇…趣味などの作業
  • 地域活動…地域における作業

これらの生活行為は、健康な人なら普通にこなすことのできる主な作業の種類です。しかし、何かのきっかけでこれらを行うことが難しくなった場合、リハビリ等の取り組みがないと、やがて要介護の状態となる可能性が高まってしまいます。

そこで、個人のQOL向上と自立支援をすすめるため、「この生活行為ならできる」「この生活行為は、今後もしていきたい」など、具体的な生活行為に着目し、個人の生活に沿ったマネジメントを行うこと…それが「生活行為向上マネジメント」となるのです。

専用シートにて作業療法士が作成

生活行為向上マネジメントを行う際は、専用のシートを基に、主に作業療法士が実施していきます。作成する手順は以下のとおりとなります。

①生活行為聞き取りシート

②興味・関心チェックシート
本人や家族から、取り組める、そして取り組みたい生活行為、また興味や関心を持つ生活行為などを細かく聞き出し、それを書き出していきます。

③生活行為アセスメント演習シート
①②での聞き取りを基に、その生活行為を妨げている要因、目標達成に可能な理由・根拠などを記入していきます。

④生活行為向上プラン演習シート
最後に、「基本プログラム」「応用プログラム」「社会適応プログラム」と分類された具体的な支援計画について、本人や家族、また支援者などがそれぞれどのように取り組んでいくのか、役割を書き出していきます。

これらのシートの書き出し、つまり生活行為向上マネジメントを行うことは、作業療法士が実施している「作業療法」について、そのプロセスを一般の方や他の職種にも明確に表すためのツールとして、役割を担っています。

作業療法を目に見える形とすることで、一人ひとりの自立支援へとつなげていこう、という目的となっているのです。

生活行為向上マネジメントを介護にも活かそう

生活行為向上マネジメントは、個人の可能な生活行為の範囲や、その目標を表すものとなっており、もちろん関わる介護士にも密接に関係するものとなっています。

実際、通所リハビリテーションでは「生活行為向上マネジメント加算」を算定することができるため、介護士に無関係ということは決してなく、実施に当たっては、介護士からの情報はとても重要なものとして位置づけられています。

また、生活行為向上プラン演習シートを活用し、介護業務に取り組むことは非常に効果的です。作業療法(リハビリ)の内容が明らかになっていることによって、「ここでは介助しよう」「ここはご自身で頑張ってもらおう」といった、介護予防や自立支援にも通ずる介護ができるようになるのです。

最近では、この生活行為向上マネジメントに関係する研修会が多数開催されており、介護予防やケアプラン等にもそれを活用していこう、という取り組みがみられています。研修会に参加することで、この作業療法の分野についてさらに理解が深まるものとなるでしょう。

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