高齢者介護レクリエーションで体を動かす、手を動かす、脳の活性化をはかる

介護の仕事に就くことを考えるにあたって、是非知っておきたい用語のひとつが高齢者介護レクリエーションというものです。高齢者介護レクリエーションの目的はただ楽しい時間を過ごすだけではなく、心身機能の維持や向上や気分転換、認知症予防、認知症の症状が悪化するのを防ぐ、ベッドに寝ている時間を減らすといった目的もあります。デイサービス利用者の中にはこの高齢者介護レクリエーションが楽しみで早めに会場に出向く方もいるのだそうです。

参考：認知症とは

介護福祉施設によって、また個人によって身体の状態は異なりますから、利用者の状態に合わせたレクリエーションを取り入れるのがポイントです。では、ここでこの高齢者介護レクリエーションにはどんなものがあるのか、具体的に紹介しましょう。

体を動かす高齢者介護レクリエーション

座ったままでできる体操や指を動かす運動など、脳トレ感覚でできる軽い運動やゲーム感覚のものまでさまざまです。

紙玉入れ

新聞紙などを丸めて球を作り、箱にいれるゲーム。新聞紙で大きめのボールを作ってバスケットのように少し高い位置に置いた箱に投げ入れてもいいですね。

輪投げ

日本に昔からある遊び。年配の方には馴染みが深く、座ったままでもできるのでオススメ。

もも上げ体操

椅子にすわったまま足を水平に伸ばしたり足踏みする体操。下肢の筋肉を鍛え転倒予防にもいいですね。

指体操

じゃんけんのグー・チョキ・パーの動きや数を数える動きをゆっくり、声を出しながら行うレクリエーション。単純そうですが結構楽しめますよ。

手を動かして脳の活性化を図る高齢者介護レクリエーション

手先を動かすのは脳の老化を防ぐ効果があります。作ったものを部屋に飾ることもできるのでオススメ。

塗り絵

季節の絵柄や動物などの定番のタイプから浮世絵、童謡の歌詞に絵がついたものなどさまざま。集中力も必要ですから脳の活性になるでしょう。

布をつかった手芸

小さな巾着つくりやお手玉、ティッシュケースなどを手縫いで作っていく。女性に喜ばれるレクリエーションです。

折り紙

鶴や箱、風船など簡単な手順で折れるもの。キレイな折り紙を使ってもいいですね。

擬似音のカルタ遊び

普通のカルタを使いますが、読み手は疑似音でどのカードかを伝えます。犬の絵のカードなら「ワンワン」といったように。疑似音なら文字の読みが苦手でも楽しめますね。

声を出したり、音楽を利用する高齢者介護レクリエーション

懐かしい童謡や民謡など、高齢者のみなさんが大好きなレクリエーションです。テープやＣＤを使ってゲーム感覚で行うレクも盛り上がるでしょう。

カラオケ

順番を決めて、利用者に歌ってもらうだけですが、懐かしい歌に盛り上がることでしょう。

紙芝居

こちらも昔懐かしい遊びです。みんなに聞こえるように声を出すことも機能アップにおいて大事なことです。

童謡

テープやＣＤを用意して、みんなで一緒に歌う。歌にまつわる思い出などを話あってもいいですね。

イントロクイズ

歌の始まりを５秒程度流して、曲名を当てるもの。利用者に好まれる音楽を選ぶのがポイントです。

このように皆で一緒にできるもの、無理や負担のない遊びを中心に考えていくようにしましょう。ネットのサイトでも塗り絵の絵柄や手芸の型紙などを無料でダウンロードできるサイトがたくさんあります。

ちょっと難易度アップ！脳トレレクリエーション

記憶力など脳を使う脳トレレクリエーションは認知症予防にもなるのでおすすめです。楽しみながら脳を活性化して認知機能をアップさせることができますよ。

パズル

パズルと言っても簡単なものからかなり難易度が高いものまでありますが、その人の状態に合わせたパズルを選ぶといいですよ。パズルは最後に絵が完成する楽しみもありますね。

神経衰弱

トランプゲームの神経衰弱もおすすめです。ただし全部のトランプを使うと数が多すぎるので、半分～1／3ほどの枚数で楽しんではいかがでしょうか。

記憶テストゲーム

時計や鉛筆、キーホルダーなど日常生活で使ういろいろな物を20個ほど持ち寄って行うゲームです。最初にしっかりと覚えたら、布などで隠してなにがあったか当てるのです。こういったゲームで記憶能力の低下を予防することができますよ。

辛い仕事も多い介護の現場で高齢者介護レクリエーションの企画はイベントや外出などと同様、楽しんで行うことができる業務です。これから介護の仕事に就くことを考えている方も、是非、力を入れて取り組んでほしいと思います。