認知症の基礎知識
2017年09月29日
認知症カフェとはどんなところ?目的や認知症の人と家族が行くメリットを知ろう
全国に普及している認知症カフェは、近年話題になることも増えているのではないでしょうか。各都道府県によって運営数は違いますが、多いエリアでは200を超えるところもあり、全国で2,000を超える数のカフェがあります。最近の調査では、1年で3倍以上になっていることも。どんな活動目的やメリットがあるのか詳しく見てみましょう。
認知症カフェについて
認知症カフェは、「新オレンジプラン」と呼ばれる、認知症の人がより住みやすい環境を作り、理解しサポートするためなどに役立つ総合戦略の中に盛り込まれているプランです。認知症の人への主なサービスと受け取れることもありますが、戦略の中では認知症を介護する人の支援の項目に取り上げられていることも。負担の大きい介護者を心身共に支援する環境として作られている面があります。
カフェには、認知症の人だけでなく、介護をする家族、近隣住民、医療従事者や介護従事者などの専門職の人など、いろいろな立場の人が訪れます。誰でも通うことができ、安心して過ごせる場所というのも特徴です。また、ボランティアの活動場所としても知られ、ボランティアの人と認知症の人の出会いの場でもありますので合わせて参考にしてみましょう。
実施場所は、病院に併設されている場合や、普段親しまれている街中のカフェのスペースを借りて認知症カフェを出張という形で開催する例もあり、いろいろな形があります。認知症カフェの情報は、市や区のホームページなどに個々の情報が乗せられていることがありますのでお住まいのエリアをチェックしてみるのも良いでしょう。
認知症カフェでは何をするの?
それぞれのカフェによって行われていることには違いがありますが、専門職の人の講義、体操やヨガ、音楽鑑賞、歌を歌う、トランプ、折り紙、工作など、幅広いプランが企画されています。食事ができることもあり、集まった人たちと料理を取り分けて食べたり、お菓子、お茶などを楽しみながら談話をしたり、ということもできるでしょう。認知症の人が介護される側という位置付けがなく、みんなで協力して楽しい空間を作り出す、というような雰囲気が伺えます。
認知症カフェの利用について
カフェの利用料金は個々に違い、無料~500円などの幅がありますが、100円で参加できるなど比較的リーズナブルな設定がよく見られるでしょう。利用については、事前予約が必要なところもありますのであらかじめチェックしておくと良いですね。
認知症カフェは通常のカフェなどのようにいつでも営業というわけではなく、毎月第~曜日などの月1回、2ヶ月に1回などのペースで行われます。カフェによっては、月2回のところもあれば、毎週開催しているところもあるでしょう。営業時間としては1時間~2時間などの短い時間で行われていることがよく見られます。
認知症カフェのさまざまな目的とメリット
それぞれの人によって得られるメリットはさまざまですが、例えば、認知症の人や介護をする家族が孤立したり、引きこもりになったりするのを防ぐのに役立つでしょう。認知症カフェは、介護生活の悩みを打ち明けたり、情報交換をしたりするところでもありますので、認知症の人と気兼ねなく出かけられて息抜きができる場所の一つです。
また、地域との交流の場にもなり、認知症の人どうしや介護者としての家族どうしで友達ができることもあるでしょう。自分と同じ立場の人と気持ちや情報を共有できる場所としても期待できます。設けられているプログラムなどによって趣味につながることを見つけられる場合もあるでしょう。
それから、専門職の人に個別相談ができることもメリットの一つです。家族が気付けなかった変化に気付ける場合もあり、専門的なアドバイスがもらえる場合もありますので、これらのメリットも参考にしてみましょう。