1. HOME
  2. 認知症認知症の基礎知識認知症初期集中支援チームとは?認知症の初期症状が気になる親や家族をサポート

認知症の基礎知識

2017年06月20日

認知症初期集中支援チームとは?認知症の初期症状が気になる親や家族をサポート

握手する手

誰もが年を重ねてゆけば認知症を発症するリスクに直面する可能性が高くなります。でも、実際に認知症になったとき、どんな生活を送りたいと考えるでしょうか?認知症になれば何もできなくなるし何もわからなくなってしまうと言うかなりネガティブで漠然とした不安を抱く人は多く、実際高齢化が進むにつれて認知症を発症する人が今後さらに増加することは確実でしょう。

でも早い時期から適切な対策をとる事で、それまでと大きく変わらない環境で生活が送れる可能性はあります。そしてその為の大切な役割を担うのが認知症初期集中支援チームの存在です。

認知症初期集中支援チームの役割

認知症初期集中支援チームと言うのは医療と介護、福祉に携わる専門職から構成されるチームで、認知症が疑われる、または認知症が原因だと想像されることで日常生活で様々な困りごとに直面している人に対して訪問支援しながら必要なサービスへとつなぐ役割をするものです。

初期集中支援の中の初期と言う名称は認知症の初期を意味するイメージが強く、確かに認知症を初期の段階で発見して適切なケアにつなげる事は重要です。けれどもこのチームのサポート対象者は認知症の初期症状の人ばかりでなく、当事者とチームとが出会いの初期段階で集中的にかかわる事で効果的な支援体制を築くことがその最も重要な役割です。

どんな支援が受けられる?

核家族化が進んでいる現代社会では、独居の高齢者が認知症になるケースも少なくありません。周りに助けてくれる親類縁者も特におらず、そのまま病気が進行したらどこに相談すればいいかと不安に感じる人も増えています。

認知症初期集中支援チームは全国の市町村への設置が計画されており、認知症に対する不安を抱えながら生活する人を支える活動を行います。具体的には家族や周囲の人からの相談を受けてその家庭を訪問して早い段階で専門の医療機関を受診するなど、適切な医療や介護サービスなどのケアを受けられるように支援します。

例えば、親に認知症が疑われるのに病院を受診するのを拒否している時などにも、自宅を訪問してもらう事で本人の状態を評価したり家族の相談に乗るなどが可能で、必要な医療や介護のサービスなどへとつなげる役割をしてくれます。

支援の対象となる人の条件

認知症初期集中支援チームの訪問支援を受けられるのは原則として在宅で生活している40歳以上の人です。認知症を発症していることが疑われる人、あるいはすでに認知症を発症している人で医療サービスや介護サービスを受けていない人が対象となります。

また以前サービスを受けていたけれど現在は中断している人の中で認知症疾患の臨床診断を受けていない人、継続的に医療サービスを受けていない人、必要とされる適切な介護サービスを受けられていない人、現在介護サービスが中断している人のどれかに当てはまる人も対象となります。

そして今現在医療サービスや介護サービスを受けてはいるけれど、認知症によると思われる特徴的な行動や心理症状が特に重篤に表れていて、現在のサービス内での対応が難しい人も対象者に含まれます。

認知症初期集中支援チームは認知症の当事者や周囲の家族などの生活する家を訪問して、援助を行う前の評価などを実施し本当に必要とされるサービスへとつなげる支援を行いますが、支援を受けられる期間は最長で6か月間で、それから先は地域包括支援センターやケアマネージャー、主治医などが継続して家族のサポートを行う事となります。

現在全国の市町村に認知症初期集中支援チームの設置が進んでいますが、家族が認知症になっているかもしれない…検査をしてほしいけれど本人が病院に行くのを拒否しているなどの不安を抱えて悩む人は、まずは地域包括支援センターに相談してみるのがおすすめです。