介護の悩み
2017年02月07日
食事拒否の原因と介護士ができる対応方法まとめ!利用者が食事を食べない悩みの対策
高齢になって体の自由が利かなくなると、どこへ移動するにも誰かの手を借りなければかなわず、施設の中での生活は安全で快適なものはあっても、利用者にとって喜びや楽しみを見出すのはなかなか難しいことです。介護施設などで生活をしている利用者にとって本来は食事は大きな楽しみの一つで、食事ぐらいしか楽しみがないと思うのも無理はないかもしれません。
けれども、食事を食べたり水分をちゃんととれていたりする人はまだ体力が急激に落ちる心配もないのですが、食事と言う大切な行為を拒否する利用者の場合、そのまま放置することも出来ず、介護者にとっても心配の種です。でも、それぞれに異なる理由があることが考えられるので、介護士はその理由を確認し、必要であればきちんと食事がとれるように工夫することが求められます。
利用者が食事を食べたがらない理由を考えてみる
食事だけは楽しみにしていたという利用者が突然食事を拒否するようになったとき、まずはその原因や理由を考えてみることが必要です。施設では介護士をはじめ食事にかかわる栄養士や調理師などが知恵を絞り、栄養価が高く安全に食べられておいしい食事の提供のために頑張っています。
食事が大きな楽しみである利用者が少しでもおいしく楽しい時間をすごせるようにメニューにも気を配っていても、食事をとらなくなった場合例えば食事の前に何かを食べていて空腹ではなかったり、料理が自分の好みのものではなかったりといった理由ならそれほど心配することはありません。少なくても一時的に食事をしたくないという状況ならばそれほど深刻に考えることはないのですが、問題は何日も食事を取りたがらないようなケースです。一時的ではないと思われる場合、食事を食べないことに深刻な理由が隠れていることも考えられます。
体調や病気などが原因の場合
例えば利用者が入れ歯が合わない状態で上手く食べられなかったり、口内炎が出来ていて食べることが苦痛など、口内に異変がないかどうかを確認してみます。また、運動する機会の極端に少ない高齢者は便秘がちになることもあり、便秘が続いていることから食事をしたがらないなど、体調などが原因で食事を取らない場合、便秘の場合にはマッサージや服薬などで解消するケースもありますが、まずは適切な医療機関での診察を受けることが必要です。
体調や病気などが原因で食べられなくても、利用者は自分の体の状態などを介護士に上手く伝えられずに、食事をするのがつらいために食べることを拒否してしまう状態をただのわがままだと勘違いしてしまい、そのまま放置してしまうと体力が急激に落ちてしまうことも考えられるので注意が必要です。
認知症が原因で食事を食べない場合
高齢者が食事を摂りたがらなくなる原因の1つに、本人が認知症を発症していることも考えられます。認知症と一言で言っても、脳の一部が収縮して起こるこの病気の影響はその部位によって病変が異なります。認知症の代表的な症状に、自分のしていることがわからなくなることが上げられますが、人によっては食事をしたことがわからなくなっていくら食事をしても食べていないという人もいれば、食べるという行為そのものがわからなくなって、食卓に付きたがらなくなる事もあります。認知症の症状の1つで苦しさや痛みの感覚もわからなくなり、お腹がすくという感覚も不確かになってしまうと、介護士が食事をさせようと思っても口をあけないときもあります。
食事を食べられなくなることで心配される影響
一時的なものではなく本当に食べることを拒否する日が続くと、次第に食べられなくなりやがて経管栄養で寝たきりになるというケースも心配されます。介護士はその人がどんな理由で食べたがらないのかを把握し、このやり方を試してみては?とその人に合った食べ方を模索するしかありません。とても大変なことですが焦らずに少しずつ、本人の様子を確認しながら進めることが大切です。