介護の悩み
2016年10月06日
大変な介護職の負担をカバー!知っておきたい負担軽減への取り組みを紹介
高齢化が加速し、介護需要がますます高まるわが国ですが、一方で介護士への肉体的、精神的負担は重く、離職率は高まっているのが現状です。
そこで行政や各企業などは、近年、介護士の負担軽減に向けた取り組みをさまざまに実施しており、その成果が徐々に表れているようです。今回は、その取り組みの一部をご紹介していきたいと思います。
目次
- 1
腰痛予防への取り組み
- 1.1 ロボット機器等の開発・導入
- 1.2 腰痛ベルトの装着
- 1.3 腰痛体操の導入
- 2
デスクワークに関する取り組み
- 2.1 厚生労働省がガイドラインを作成へ
- 2.2 介護記録専用のアプリも登場
- 3 こんな取り組みにも注目
- 4 まとめ
腰痛予防への取り組み
移乗や入浴介助などで身体を支えることによって腰に負担がかかり、結果的に腰痛を引き起こしてしまう介護士は後を絶ちません。この介護士の「職業病」ともいえる腰痛を防ぐため、あらゆる方面からの参入、そしてサポートが対策として導入されています。
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- 介護士の職業病って?心配なのは腰痛だけじゃない!肩・手首・皮膚湿疹…
ロボット機器等の開発・導入
移乗時や入浴時など、肉体的に負担がかかる介護業務に向け、ロボット技術を応用した機器の普及が進んでいます。直接的に移乗をサポートするものや、介護士が装着するスーツなど、バラエティに富んだ介護ロボットは、既にたくさんの機器が実用化されています。
政府による平成27年度の補正予算では、20万円を超える介護ロボットを導入する際は、助成金が設けられることとなりました。これにより、ますますの負担軽減が期待できますね。
関連:普及するの?話題の介護ロボットで介護士の負担は軽減されるのか?
腰痛ベルトの装着
椎間板の炎症や骨盤の歪みなど、腰痛のタイプはさまざまですが、症状に応じた腰痛ベルトを装着することで、介護の負担軽減に大きな役割を果たしています。腰痛ベルトを専門に扱う通信販売などもあり、以前より多くの介護士に親しまれているようです。
腰痛体操の導入
腰痛ベルトと並び、腰痛対策として多くの施設で取り入れられているのが、エクササイズなどによる腰痛体操です。
勤務時間内に体操の時間を設けるなど、各施設で取り組みが行われている他、厚生労働省のホームページでは「腰痛予防対策」として、腰痛体操に関するリーフレットや、動画の配信が行われています。
デスクワークに関する取り組み
介護記録の記入や公文書作成など、介護士が行うべきデスクワークには多くの種類があります。それには、介護業務そのものと同時に負担を感じてしまう介護士も多いようです。
厚生労働省がガイドラインを作成へ
政府が打ち出している「介護離職ゼロ」目標に関する対策の一つとして、厚生労働省は、公的文書や記録等を簡略化、または一元化していくための洗い出しを急いでいます。2016年度中にはそのガイドラインを完成させる方針です。
介護記録専用のアプリも登場
手書き中心の介護記録は、下書きからカルテへの清書など、2度手間または3度手間となってしまうことも珍しくありません。
そこで、タブレットに記録内容を手書き入力することにより、必要な箇所に記録が完了してしまうという便利なアプリが登場。この方法なら、パソコンが苦手なスタッフも安心して利用することができますね。
こんな取り組みにも注目
独自のキャリアアップ制度でモチベーションアップ!
事業所ごとの取り組みとして注目されるのが、独自のキャリアアップ制度の導入です。キャリアアップによる介護技術向上と待遇改善は、介護士のモチベーションの維持を期待することができます。それにより自然と離職率が減ることで、結果的に介護士の負担軽減へとつながるのです。
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外部委託にはこんなものも
通常、介護士や専属スタッフが担う業務を外部業者に委託していくことで、負担軽減を図ろう、という動きも進んでいます。
食事作りから後片付けまでを代行してくれるサービスや、紙おむつを利用者ごとに仕分けし届けるサービスなど、人件費削減を目的としたものから細やかなものまで、バラエティに富んだサービスが展開されています。
レクリエーションの負担を減らそう
介護業務はもちろん大変ですが、入居施設などでは毎日のレクリエーションの計画・実施も負担大という方も多いでしょう。ボランティアによる催し物や、動物とふれあうアニマルセラピーなどは、以前よりレクリエーションにて取り入れられる内容として知られています。
そして近年、注目を集めているのが、コミュニケーション能力を兼ね備えた「会話ロボット」の導入です。子ども型ロボットや動物型ロボットでは、可愛らしい形状により癒しの時間を演出することができる他、「Pepper」をはじめとした人型ロボットは、体操や歌、ゲーム参加など、多岐に渡ったコミュニケーションが可能となっています。これはますますの進化に注目ですね。
関連:高齢者介護レクリエーションで体を動かす、手を動かす、脳の活性化をはかる
まとめ
政府による待遇改善に向けた政策や、各企業の開発による介護業界参入など、介護職の負担軽減に向けた対策は、各方面からのものとなっています。
既に実用化されたものもある中、開発段階、又は普及に時間のかかるものもあるようです。
今回ご紹介した各取り組みが、ご自身が働く事業所、または転職先の事業所にて取り入れられているか、是非とも調べてみてはいかがでしょうか。