介護の悩み
2016年07月10日
介護士が知っておきたいセクハラの対処方法!こんな利用者への対応は?
高齢化社会が何かと話題になる中、介護士の求人広告なども多く見られるようになりました。特に資格を持っていなくても勤務しながら取得できる、高齢者が増え続ける中仕事がなくなることがない、など魅力のある仕事です。ですが、介護の現場では多くの介護士がセクハラに悩まされているという現実があることはあまり知られていません。
実際に現場でセクハラの被害を受けたら、どのように対処すればいいのでしょうか。
目次
介護職の男女比率とセクハラ被害の実態は?
介護の仕事には介護士・ホームヘルパー・施設の職員や生活相談員など色々な職種があります。職種によって介護職に携わる男女比は変わりますが介護士・ホームヘルパーでは約8~9割が女性であることが分かっています。そんな中、ヘルパーとして勤務する介護士の中の約4割もの方が「セクハラ被害に遭ったことがある」というアンケート結果が出ています。
今後、さらに介護職の人員増加・施設の充実などが期待される中、セクハラが多いとなると、仕事に従事する方も減ってしまう可能性があります。万が一、介護の現場でセクハラに遭った場合には、適切に対処することが更なる被害を生まないために重要になります。
介護の現場でのセクハラって?
介護士が現場でどのようなセクハラ被害を受けているのでしょうか。実際の例を見てみましょう。
体に触られる
食事介助中に太ももに手を伸ばされたり、おしりを触られたりすることがあります。
性的な言葉をかけられる
交際相手のことを聞いたり、性的なことをわざと言われたりすることがあります。
手を握らせてくれと言われる
言われるだけならまだしも、実際に手を握ってくる利用者もいます。
抱きつかれた
介助中にフラついたふりをして抱きつかれたり、手を引っ張って抱きつこうとされることがあります。
セクハラをされたらどのように対処すればいい?
1対1で対応することがある介護の現場では、なかなかセクハラの現状を訴えることが難しいこともあります。ですが、放っておくと利用者は「許される」と考えてしまい、行動がエスカレートする場合もあります。また、セクハラにもわざと行っているものと認知症によって引き起こされるものがあるので、線引きが難しいところもあります。一人で悩みを抱えずに、適切な対処をするようにしましょう。
参考:認知症ってなに?
毅然とした態度で拒否をする
相手も、初めは介護士がどのような反応をするのか見極めようとしています。その時点で「やめてください」ときっぱりと拒否するようにしましょう。
セクハラされる環境を作らないようにする
1対1の密室での介護はセクハラされやすい環境となります。そのような環境を作らないことが大切です。
- 特定の人が被害に遭うようであれば、担当を変える
- 複数の介護士で対応する
- 要介助者の家族に報告し、家族の協力を得る
- 何度も発生する場合は協議の上、契約を解除する
事業所と利用者の家族を交えて協議の場を設け、状況が改善されないのであれば契約を解除することも可能です。
セクハラをする利用者の中には「お金を払っているのだから多少のことは受け入れろ」という間違った考えを訴える方もいるようです。セクハラに遭ったら黙認するのではなく、事業所に相談するようにしましょう。事業所から利用者に話をしてもらったり、家族に説明をしてもらうことで改善されることがあります。男性の利用者には男性の介護士に担当してもらう、というのも対策の一つになります。
事業所が対応をしてくれない場合には、各都道府県に設置されている「労働局雇用均等室」に相談するようにしましょう。相談は無料ですし、匿名での相談も可能になっています。プライバシーは守られますので、黙っておらず声を上げるようにしましょう。