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介護のハウツー

2016年11月10日

耳掃除を介護士がしても大丈夫?気を付けたい耳垢塞栓と耳かきの注意点

綿棒

なんだか耳の中がかゆくて気持ちが悪いとき、健康な人ならば耳かきで簡単に耳掃除することが出来ますが、自分の身の回りの事を自分の力だけでは出来にくくなってくる高齢者にとって、普通に耳かきをして耳垢を取り除くという行為も簡単なことではなくなります。

しかも耳かきなどを使用して不自由な手先で行うとすると思わぬ事故を招くことにもなりかねません。耳垢自体は本来は外耳道を清潔に保つために存在するもので、古くなったら自然に排泄されるのですが、耳垢がたまりやすく掃除も自分ではなかなか出来ない高齢者は定期的に耳掃除をすることが必要です。

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耳掃除は介護職に出来る医療行為になった?

実は耳かきや爪切りなどが介護職には出来ない医療に準じた行為とされていた時期があり、医療職と家族以外は当時は爪切りも耳かきも出来ませんでした。

しかしその後規制が緩和され、介護職にも出来る医療行為でない行為として定められた項目の中に耳垢の除去が定められるようになり、たとえ法律上は医療行為であっても介護職にも出来る行為とされました。

耳掃除の他にも爪切りや爪やすりによるやすりガケ、歯ブラシや綿棒を使った口腔内や舌に付着した汚れ除去、ストーマ装着者の排泄物の廃棄、自己導尿のカテーテルの準備、市販の浣腸器を用いた浣腸などは、衛生面や身だしなみの上でも必要な行為として介護職が行うことが認められることになったものです。

そしてその後指定の研修や実地研修を修了した介護職に限って、たんの吸引や胃ろうなどのケアも認められるようになったという経緯があります。

耳垢がたまることで起こるトラブル

耳掃除を長期にわたって行わないことで、耳垢が外耳道に詰まると耳垢栓塞の状態になり、人によっては難聴や耳鳴りなどを起こすこともあります。その他に耳に閉塞感やかゆみなどの違和感を感じるのが代表的な症状ですが、耳の中にたまった耳垢を取り除くことで通常は正常な状態に戻ります。

特に体の機能の低下した高齢者にはかなり多くの割合で耳垢栓塞が見られるといわれますが、耳掃除のやり方を間違えてしまうと外耳の壁面部分を傷つけてしまい、その部分から化膿性ブドウ球菌などが侵入して外耳炎に繋がったり、鼓膜を傷つけてしまう危険性があります。

高齢者の耳掃除で気をつけたいポイント

利用者本人から耳の違和感を訴える場合はそのつどできる範囲で耳掃除を行えばよいのですが、出来れば入浴後などのタイミングで行えば耳垢も湿気で柔らかくなっているため介護職が取り除きやすいというメリットがあります。

介護職が耳掃除をする際に気をつけなければならないのが、耳垢の状態がその人の体質によって異なるので耳掃除に使用する際に適した道具が異なる点です。かさかさと乾いた耳垢の人の場合、入り口付近の耳垢であれば耳かきなどを使用して取り除くことも可能ですが、湿った粘着質の耳垢の場合は綿棒で絡めるようにして取り除くことが向いています。

ただし、耳の中で硬く外耳にこびりついてしまった状態の耳垢は、たとえ介護職であっても無理に取ろうとすると耳を傷つけてしまう危険性があります。綿棒を使用してからめ取る方法で耳掃除する際も、かえって耳の奥に耳垢を押し込んでしまうことも考えられます。

耳掃除は自分でする際にもやりすぎると耳の中を傷つけてしまう危険な行為になりやすいため、利用者の耳掃除をする際には耳垢栓塞の状態になっている頑固な耳垢は無理に取ろうとせず、必ず看護師などの医療職に相談したり、耳鼻科を受診して取り除いてもらうようにすることが大切です。

高齢になって体の機能が衰えてくるとだんだん耳が聞こえにくくなってくることはよくあるのですが、外耳にたくさん耳垢が詰まってふさがれた状態になっていると、利用者本人が不快なだけでなく、塞がれた外耳の中に菌が繁殖してしまい炎症を起こす場合があります。

耳の病気のチェックもかねて定期的に医療機関で耳掃除をしてもらうことも必要です。

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