介護のハウツー
2016年09月12日
悪徳商法や詐欺に合わない為に介護士が出来ることは?利用者を守るために
大変残念なことですが、現在体力や認知機能の低下した高齢者を狙った詐欺や悪徳商法などが横行しており、高齢者が多額の金銭を騙し取られたといった許しがたいニュースを頻繁に耳にするようになりました。
これほど注目が集まり、それぞれが騙されないように対策を取っているにもかかわらず、こうした事件がなくならない背景には高齢者だけで暮らす世帯が増え、なかなか家族の目が行き届かなくなっていること、そして高齢者自身が孤独を抱えていることなどがあります。そして高齢者の日常にかかわる仕事をする介護士だからこそこうした事件の予防対策の一部を担うことが出来ます。
高齢者を狙った詐欺の被害とその手口
テレビのニュース番組や新聞記事などで高齢者が多額の金銭を騙し取られたといったニュースをよく耳にします。かつて身内の名前をかたって本人に成りすまし、高齢者を信じ込ませて詐欺を働くやり方がオレオレ詐欺などと呼ばれていましたが、これだけ多くの人が騙されながらもその被害がなくならないのは、詐欺をする側も内容をより巧妙にしてきていることと、何よりも高齢者だけで暮らす世帯が増加していることが最大の原因だと考えられます。
老後の生活を支えるために懸命にためた大切なお金を詐欺によって失うようなな事件を撲滅するために、警察、銀行の窓口など、様々な場所で対策が講じられていますが、いまだにこうした事件は後を絶ちません。
悪徳商法などに食い物にされる高齢者
息子や孫などの家族になり済ましてお金を騙し取るという方法だけでなく、認知機能の衰えた高齢者に対して、粗悪品を高額な料金で売りつけたり、必要のない修繕工事などを行ったりする悪徳商法も横行しています。
この場合オレオレ詐欺のようにお金を騙し取られるケースとは異なりますが、明らかに金額に見合わないものを契約してしまうことで、結果的には高齢者の貴重な生活資金を詐取するような結果になるものです。
遠方に住む家族が事実を知ったときにはもうすでにクーリングオフが可能な期間を過ぎていて、泣き寝入りするしかないというケースも少なくありません。そしてこうした悪徳商法などがまかり通る原因のひとつに高齢者が抱える孤独に付け込まれることが上げられます。
最初は断っていたけれど、優しそうでよい人だったから、自分の話を熱心に聴いてくれたからといったことから心を許した瞬間に悪徳商法に付けこまれてしまうというケースが少なくありません。
高齢者を狙った詐欺などの被害を予防するために介護士にできること
普段は高齢者だけで生活している家庭でも、介護サービスを受けて日常的に介護士が生活の一部にかかわっているような場合、ちょっと迷ったりしたときに介護士に相談しやすい雰囲気を作ることは、詐欺などに対してとても大きな抑止力になります。手口が年々巧妙になっており、騙す側もすぐには見破ることの出来ないような手段を取るケースが増えているようです。
何かあったときにはすぐに相談できるような関係を利用者との間に築いておくことで、取り返しの付かないことになる前に詐欺被害を予防することにも繋がります。最近では高齢者を信用させるために実際の公共機関の名をかたったものも増えており、高齢者自身の判断力だけでは防げないものも少なくありません。
たとえば犯人から決断をせかすようなことを言われたときにも、必ず普段かかわっている介護士に相談すると言うことにしておくだけでも、防げる被害は格段に増えるはずです。実際に顔見知りの介護士の機転によって重大な被害が未然に防げたケースもあります。
身体介護や身の回りの世話だけでなく、こんな風に高齢者の大切な財産を狙った卑劣な詐欺にあわない為に介護士が果たす役割は大きく、とても頼りになる存在なのです。