介護のハウツー
2016年08月10日
移乗介護のコツを押さえて腰痛対策!介護士が知っておきたいポイントとは
介護士の仕事は、体に大きな負担がかかる作業が多いものです。利用者の体を持ち上げて場所移動させる「移乗介護」の際には、特に体に負担がかかります。腰や背中をいためてしまい、病院に通っている人や、時には仕事をやめざるを得なくなってしまう人もいるようです。腰痛があると、介護の仕事はもちろん、プライベートでも辛いですよね。最近では、介護をする側の年齢も高くなってきており、より移乗による体への負担が懸念されてきています。移乗の際には、ポイントを抑えることで体への負担を軽減することができます。
目次
- 1
腰をいたわる移乗介護を身に着けよう
- 1.1 乗せやすいように工夫をする
- 1.2 支点・力点・作用点を利用する
- 1.3 持ち上げる負担を軽減する
- 1.4 重力を利用する
- 1.5 体を密着させる
- 1.6 腰を使わず足を使う
- 1.7 対象者の残存機能をフル活用
- 1.8 諦めることも重要
- 2 移乗のコツを知って腰痛知らずになろう
腰をいたわる移乗介護を身に着けよう
腰をいためやすい業務である移乗の際には、腰にできるだけ負担がかからないように行うことが重要になります。
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乗せやすいように工夫をする
腰に余計な負荷をかけないように、乗せやすい工夫をすることはとても重要です。車椅子をベッドにできる限り寄せたり、手すりやフットレストを外したりと、自分で調整してみましょう。
支点・力点・作用点を利用する
自分の力をうまく伝えるためにも、支点・力点・作用点をうまく利用することはとても重要です。これら3つをうまく使うことで、必要以上の力を入れることがなくなるため、腰を傷める心配も少なくなります。
持ち上げる負担を軽減する
利用者の体を持ち上げるときなどは、ベッドをあらかじめ高くしておくなどして、できるだけ負担が少なくなるような工夫しましょう。
少しの工夫で、腰痛を避けることができます。
重力を利用する
利用者の体を動かすときには、重力をうまく利用するとスムーズです。無理やり引っ張るのではなく、体の重みを利用して移動させることで、自身の体の負担が少なくなるだけでなく、利用者も楽に移動することができます。
体を密着させる
力を無駄なく伝えるためには、体を密着させることが重要です。持ち上げるときには、体をぴったりと密着させてから持ち上げましょう。
腰を使わず足を使う
腰の力を使わず、膝を使って動くことは、腰を痛めないためにとても大切です。持ち上げるときには、膝を曲げて姿勢を低くして、膝の力で体を浮かせるようにしましょう。
対象者の残存機能をフル活用
体を一部分でも動かせたり力を入れたりできる対象者の場合、その力を使って移乗するのも効果的です。自分だけで移乗させようとするよりも、対象者の機能を活用した方がより楽に移乗ができます。
諦めることも重要
どうしてもできないときには、無理をして進めようとせず誰かの手を借りることも大切です。無理をして体を痛めてしまったりケガをしてしまったりしたら、余計にトラブルになってしまいます。ときには諦めて助けを求めるようにしましょう。
移乗のコツを知って腰痛知らずになろう
これらのコツを心がけるだけで、腰への負担がグンと減って、腰を傷める心配も少なくなります。ポイントは、自然の力や力の法則をうまく利用することと、一部の筋力だけでなく体全体の筋力を使うことです。この2点だけでも念頭に入れておくと、腰痛とは無縁な介護士ライフを送ることができます。
また、日ごろから体を動かしたり筋力をつける運動をしたりすることで、丈夫な体を維持することができます。そうすることで、多少無理をしても大丈夫な体を手に入れることもできます。介護士の負担を危惧して、介護ロボットの導入を検討している施設もありますが、今はまだ人の手による介護がメインとなっており、介護士が無理なくうまく移乗を行うコツを 知ることが必須です。
介護士自身が自分の体をいたわりながら作業することこそが、より良い介護へと繋がっていきます。腰に負担のかからない移乗のポイントを守りながら、より快適な介護を行いましょう。