認知症の予防
2017年04月04日
認知症予防に運動をしよう!気になる効果や体操やウォーキングなどおすすめな運動方法
認知症の予防には体を動かすことが大切だと言われています。体を動かす事と漠然と言われても、どの程度がいいのか迷ってしまう人もいる事でしょう。そして運動が大切だとは言え急に激しいエクササイズをしたり長距離のジョギングをしたりすれば体を壊してしまう心配もあります。自分にはどんなやり方が向いているのか、どの程度で効果が期待できるのかを理解してから、無理のない範囲で生活の中に様々な運動を取り入れてみるのがおすすめです。
目次
有酸素運動とはどんなもの?
認知症の予防に効果的な運動として有酸素運動の効果が注目されています。高齢者にとっても適度な負荷を受けて手軽にできる有酸素運動が効果的だとされていますが、これはすなわち呼吸によって酸素を利用して行う運動の事を差します。運動の強度そのものはけして強くはないのですが、継続的に筋肉を動かすことで酸素を消費してエネルギーを生み出します。
体に酸素を取り入れながら、持続的に強度の弱い運動をすることが有酸素運動の基本です。有酸素運動と言うとイメージするのは体脂肪燃焼効果を期待して行われるダイエットのためのものだと言う人は少なくないですが、有酸素運動をして血流が改善することで脳の機能をアップさせたり、心疾患などを予防したり、うつ病の予防にも効果がある事が判明しています。軽めのジョギング、ウォーキング、水泳、水中ウォーキング、ヨガ、エアロバイクなど具体的には様々な運動がこれにあたります。
脳内の血流を増やす有酸素運動の効果
有酸素運動をすることで脳の機能が低下するのを予防し、脳を若々しい状態に保つ働きがあるとされています。持続的に有酸素運動を行う事で体内に酸素を取り入れれば、酸素は血液によって体の隅々まで運ばれることになるため血流量が増加し、結果的に脳の血管にも新鮮な酸素をたっぷりと含んだ血液が送り込まれることになります。
脳に酸素がふんだんに送られることで脳の働きが活性化すれば記憶力などを高める事にもつながると言うものです。記憶は脳の海馬がつかさどるのですが、その海馬による脳内のネットワークがきちんと機能しなくなることで認知症が起こります。有酸素運動によって脳内の血流を増やすことが傷ついた脳内の毛細血管の代わりに新しい毛細い血管を作る事にもなり、結果的に認知症を予防することに繋がると言われています。
認知症予防のためのおすすめの有酸素運動
認知症予防を目的に有酸素運動を行うときには、最初は一日10分程度の時間からスタートしてみるのがおすすめです。ウォーキングも代表的な有酸素運動の一つですが、可能ならば一人ではなく友人や家族などと話しながら歩くと、さらに認知症予防には効果が期待できます。
一人暮らしの高齢者が増加し、あえて自分で外出する機会を作らなければ一日中誰とも話すことなく過ごしてしまうと言う人もいるようですが、家に閉じこもりがちになる事は認知症を発症するリスクを高める事に繋がりやすいと言われています。まずは外に出て軽く散歩する程度のウォーキングを始めてみるようにしましょう。
ウォーキングの際にスキーのストックのような形をしたポールを使って歩くのも効果的です。ウォーキングの時にポールを使う事で下半身ばかりでなく上半身の筋肉を効率よく使う全身運動の効果が高まります。その結果バランスを保つ力もついて転倒防止にもつながるので、高齢者のウォーキングにはぜひ活用してみたいものです。周りの景色が様々に変化し、季節の流れを肌で感じるだけでも脳に刺激を与える事に繋がります。
でも、いくら体に良いとはいえ、やらなければ…と必要以上に自分を追いつめて義務化してしまうのはちょっと考え物です。どうせやるなら気持ちよく楽しくできるように、例えば好きな音楽を聴きながら歩いてみる、途中でお気に入りのカフェでお茶を飲むと言ったご褒美を作っておくと、楽しみながら続けやすいかもしれません。毎日ではなくても例えば週に2回か3回程度で30分ほどの有酸素運動を取り入れる事でも十分に効果が期待できると言われています。
足腰に負担の少ない水中ウォーキング
また水中ウォーキングは足腰に負担をかける事が少ないので、関節に痛みを抱えるなど普通のエクササイズをするのはちょっとハードルが高いと言う人でも取り組みやすいのが魅力です。水の抵抗力を利用しながら歩くことで運動量が増えるし、天気に関係なくできるところも魅力です。
スポーツジムによっては水中エクササイズなどのメニューもあるので、ただ歩くだけでなく時にはちょっとバリエーションを変えてみるのも長く続けるためのコツだと言えます。水中ウォーキングや水中エクササイズをするためにはスポーツジムなどに出かけてゆかなければならないので、定期的なお出かけの機会を作る事で閉じこもり予防にもつながるものです。
深い呼吸と共に行うヨガにも認知症予防効果が
ヨガは現在世界中に愛好者がとても多く、老若男女を問わず高い人気があります。スポーツジムのスタジオメニューには必ずヨガのメニューがある事からもその人気ぶりがわかります。ヨガの人気が高い理由の一つに、激しい運動ではないにもかかわらず体の隅々までめぐりがよくなるのを感じると言う事があげられます。
ヨガにも優しいものからハードなものまでさまざまな種類がありますが、体に無理なく深い呼吸と共に体にたっぷりと酸素を取り込みながら様々なポーズをとる事で、体や脳の血流が改善して認知症予防につながるだけでなく、続けてゆくうちに徐々に体の柔軟性が増して関節の可動域も広がるので、けがの防止などにも効果が期待できるようになります。
指先の刺激が認知症予防には効果的
認知症の予防のためには体の一部の機能を使って脳に効果的に刺激を与える事が有効だと言われています。例えば体が不自由になって運動が大切なことはわかっていたとしてもなかなか思う様に体を動かせないという人でも、簡単にできて認知症予防に高い効果が期待できるのが指体操です。手や指は人間にとっては第二の脳とも呼ばれ、手指を動かすことが脳への適度な刺激になり、脳の活性化につながるとされています。
その為編み物やピアノを弾くことなども手や指を使う事で脳への刺激になるのですが、遊びの要素や簡単なゲーム的な要素を取り入れた指体操もおすすめです。基本的なやり方としては、右手の親指から小指までを順番にまげてから左手の親指から小指までを曲げる運動を繰り返すものがあります。右手から順番に指を折ってゆき、今度は左手の小指から順番に開いてゆくなど、ちょっと違った動きを取り入れると、より効果的に脳に刺激を与える事に繋がります。
また両掌の指先だけを合わせるように胸の前に置き、人差し指から中指、薬指と順番に左右の指をくるくると回して動かしてゆくという方法もよく知られています。特に薬指を動かす時にはとても違和感を感じる人が多く、動かすことでより脳に刺激を与える事に繋がっているようです。指体操の良いところは、他のエクササイズや体操のように体を大きく動かすことができない人でも簡単にやりやすいという点です。
高齢になって体の機能がどんどん落ちていくのは本人にとっても辛いものです。体の機能のうち自分でも使える部分を鍛える事で、まだ自分にもできる事があるという自信や達成感を味わえるのも、高齢者の認知症予防としての効果だけでなくとても大切なポイントと言えます。