介護のハウツー
2016年11月08日
利用者が来所拒否する原因は?デイサービスの介護職員がしたい対処方法
家族が介護の必要な状態になったとき、日中の時間帯施設で預かってくれるというサービスがデイサービスで、日中一人で家で過ごすことの不安な高齢者や普段介護に当たっている家族にとっては欠かせないサービスです。
でもデイサービスを利用してはいるけれど、さまざまな理由で欠席することはあるとしても、利用者本人が来所拒否してサービスを利用しないときもあります。
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どうして行きたくない?まずは理由を知ってみよう
高齢者がデイサービスという外の世界に出て行くときに本人が行きたがらない理由は人それぞれに違います。デイサービスを利用すること自体を利用者本人ではなく家族が希望するケース多く、いわゆる家族の都合によってデイサービスに参加させられているため、本人が行きたがらないというケースは少なくありません。
そして自分がまだこんなところに参加するほど弱っていないという強い思い込みやプライドによって行きたがらないというケースもあります。そのほかにも地域のデイサービスを利用している場合、人間関係の問題で苦手な人がいるので参加したくないという場合もあります。
いずれにしてもまずは利用者本人が何故参加したくないのかいきなり問い詰めたりするのではなく、ゆっくりと本人が口を開きやすいように配慮しながら理由を知ることから始めるようにします。
無理強いをしない
デイサービスに行ってくれないと家を空けることも出来ないと家族の都合によっていわばデイサービスに追いやられるという雰囲気の場合、心をかたくなに閉ざしてしまって行きたがらないということもあります。
そうした状況はともすれば家族にとってはただのわがままにしか見えず、人によってはデイサービスに行きたがらない利用者を強い口調で叱ったりすることもあります。
介護に当たる家族の立場からすればある程度仕方のないことなのかもしれませんが、たとえ認知機能の衰えた高齢者であっても自尊心やプライドを著しく傷つけられることは受け入れがたいことなのです。
そのため本人の意向を無視して無理に送り出そうとすると、かえって逆効果になることも考えられます。これは高齢者の場合に限ったことではないのですが、力でねじ伏せるよりも本人を納得させて対処するほうがはるかに効率的でスムーズに進むことは少なくありません。
時間短縮などで対応する
はっきりとした理由がわからないけれど、デイサービスに出かけるのが面倒だったり、施設の中で行われるレクリエーションなどが幼稚っぽくて自分には向かないと感じる利用者は多いようです。
また、デイサービスで入浴サービスを受けられることは家族にとってもとても助かることなのですが、施設のお風呂にはいることに拒否感を感じるという人もいます。
利用者本人が行きたがらないときに、体調不良などの症状がこうした理由の陰に隠れていることもあるので、無理に本人の意向を無視して行かせないほうがよい場合もあります。
そして一日施設で過ごすのは気疲れするし億劫だと感じる場合、短い時間の利用からはじめてみるというのもひとつの方法です。ただし、そうした対応はどこの施設でも取れるとは限らないので、まずはどんな形から入れば本人が納得して参加できるのかを家族とも相談してみるようにします。
本人のプライドを尊重することを心がける
利用者とデイサービスとの相性がよくない場合、利用者があまり参加したがらないという結果になりがちです。家族の都合を最優先して利用者をデイサービスに送り込むのではなく、どうすれば本人が楽しく充実した時間を過ごせるのかを考えてみることが大切です。
あまりわがままに参加する側の要望ばかりを押し付けられても困りますが、家に閉じこもりがちになるよりも、外に出ていろいろな人と接することのほうがずっと楽しいと思える方法を、本人のプライドも尊重しながら考えてゆくことが大切です。
そして時にはケアマネージャーに相談するといったことも利用者が来所拒否しているときへの対策のひとつです。