介護の悩み
2016年07月19日
介護士が気を付けたい感染症って?予防・対策のためにできること
介護士は他の職種に比べ、感染症にかかるリスクが高いのが現状です。一度感染すると、完治までに時間がかかる事もあります。事前に予防・対策を考える事は、介護士にとって必須と言えるでしょう。
目次
- 1
インフルエンザ・ノロウィルス
- 1.1 予防策
- 2
疥癬(かいせん)
- 2.1 予防策
- 3
腸管出血性大腸菌感染症
- 3.1 予防策
- 4
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
- 4.1 予防策
- 5
結核
- 5.1 予防策
- 6 基本は手洗い、予防も仕事の一つ
インフルエンザ・ノロウィルス
施設外から来る家族や業者が原因でウィルスが持ち込まれ、利用者が感染するケースが多いです。そのケアをする介護士も当然、病原菌をもらう事が多くなり二次感染してしまいます。相手の席を直接吸い込んだり、排泄のケアをした際に飛散した糞便の後処理などが主な感染経路となります。
予防策
インフルエンザノロウィルスの場合は、手袋やマスクを常時着用するのが鉄則ですが、一回のケア事にその都度新しくした方が安心です。手洗いも同様にその都度必要です。使用したおむつは蓋つきのゴミ箱で専用のものを用意し、他のゴミと一緒にしない方が賢明です。
疥癬(かいせん)
疥癬は皮膚病の一種でヒゼンダニというダニが原因で皮膚に発疹などが出ます。疥癬トンネルという皮膚上が白く粉のような形になり、激しいかゆみがあるのが特徴です。通常、過度に接触しなければ、感染する率は低いものの、高齢者と接する機会の多い介護士は集団感染するケースが多いと言われています。
予防策
密着度の高いディスポーサブル式の手袋を使用して介護業務に当たるようにしましょう。また熱に弱いので、施設利用者が着用した衣類やシーツを100℃くらいの温度で熱処理を行うことで予防できます。疥癬患者がいる部屋には、癬屑(りんせつ)が床に落ちている事があるので、殺虫剤などを撒いて死滅させておくことも重要です。
腸管出血性大腸菌感染症
通称O157(オーイチゴーナナ)で大腸菌が食べ物などに飛散して、人から人へ発症します。発症すると、下痢や激しい腹痛などが起こり、他の病気と合併する事もあるようです。介護の現場においてはケアの後の手洗いなどの消毒が不十分のまま、食事を行い感染するケースがあります。
予防策
基本的に利用者が使用した食器やカラトリ―は70℃以上で殺菌消毒する事が大事です。また、下痢便には多くの大腸菌が潜んでいる事があるので、直接は絶対に触らず手袋を着用し、処理の後は十分に手を洗いましょう。共有トイレの場合も、肌が直接触れる部分は殺菌した後に除菌をすることも忘れないようにしましょう。
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
メチシリンとは抗生物質を指し、これが効かない黄色ブドウ球菌を指します。抵抗力の少ない高齢者が掛かることが多く、健康的な人であれば感染することが少ないです。発症すると、主に発熱などの症状がでて場合によっては手術が必要になります。
予防策
感染の主な経路は接触によるものです。そのため、手洗いが必須なのはもちろん使用した介護器具も消毒しないと間接的に感染してしまう恐れがあるので注意しましょう。手荒れがひどい時にも感染しやすいので、ハンドクリームなどでケアを行うことが大切です。
結核
一昔前ではがんと同じように掛かった場合は、死亡するケースが多かったのですが、現在では薬物治療で半年くらいを境に完治すると言われています。発症すると咳と発熱が続く為、風邪と見誤り放置すると悪化するので注意が必要です。
予防策
感染経路は主に空気感染の為、飛散した咳やくしゃみを吸い込む事で菌が入り込み、抵抗力が弱いと発症します。十分な睡眠や栄養をとり、基礎体力をつけて健康的な生活を送ることが大切です。
基本は手洗い、予防も仕事の一つ
感染症を予防する上で、どの病気にも共通しているのが手洗いです。殺菌はもちろん、除菌も視野に入れなければなりません。タオルなどを使い回しすると菌を繁殖させる原因になるので、その都度交換する事が大切です。あとは、ストレスがたまると、病気に掛かりやすくなるので、気分転換を行い、健康的な生活を送るようにしましょう。