介護の悩み
2016年06月24日
こじれた人間関係の改善策は?介護職員が職場で気持ちよく働くために
人間関係ほど厄介なものはない
人が2人以上集まれば、人間関係というものが出来上がります。仕事の日には起きている時間のほとんどが、家族ではなく職場の人と顏を合わせていることになります。だからこそ、職場の人間関係は働く上で重要なポイントとなるのです。そして、介護の仕事はまだまだ女性優位の社会です。男性も少しずつ増えてはきたものの、実際の現場を仕切って若手の指導に当たっているのは、経験を積んだ女性介護士です。そうなると、ネチネチとした人間関係が発生してしまうのは、自然のことでしょう。
そして、介護の現場で「人手は十分に足りています」というところは、まずありません。求人をかけていなくても、それは採算がとれないからであって、実際の業務に人が余っている・ちょうどいいということは、ほとんどありません。
入居者・利用者は、身体介護を必要とするだけではありません。認知症があって手のかかる、自宅で看るのが大変な高齢者ほど、デイやショート・入所と利用しているわけです。ずっと同じことを聞かされたり、時には介護しているこちら側が「盗んだ」と言われたり。「待って」がきかない相手だからこそ、大変なのです。そんな忙しさから、心のゆとりはなくなっていきます。入浴介助や体位交換・オムツ交換といった身体介護は、介護士自身の体をも痛めます。
心身ともに余裕がなくなると、人間関係も必然的にギスギスしたものとなり、新しい介護士が入っても居つかず、常に人手不足・・・忙しさに拍車がかかり、余計に働く側のストレスは増強するという、悪循環に陥ります。そんな職場では、いくらやる気に満ちた新人が就職したとしても、身体より先に精神的に参ってしまうでしょう。ひょっとしたら、人間関係の悪さから職員の退職が激しく、常に人がいなくてイライラ・・・という、人間関係ありきの悪循環なのかもしれません。いずれにせよ、よりよい人間関係を築いて気持ちよく働くには、職場環境というものは切っても切れないものなのです。
介護職員が職場で気持ちよく働くためにできることは?
働くのなら、できることなら楽しく働きたいものです。楽しくとまではいかなくても、気持ちよく働きたい。それすらできないのなら、イライラしたりいじめられたりすることなく働きたい。これは、誰しもが思うことです。でも実際は、これが難しい。楽しく・・・なんて、かなり高い目標ですね。では、楽しくを目指すとかなり遠い道のりになってしまいますので、気持ちよく働くにはどうしたらいいか、考えてみましょう。
まず、人間関係に大事な要素としては、お伝えしてきた通り、労働条件・労働環境が良くなければなりません。休みが少ない、残業が恒常化している、お局様がいる・・・といった具合ですね。これらが改善されなくては、ストレスは溜まる一方です。身体的な疲労があると、他人に優しくなんてしていられませんから、職員はおろか入居者・利用者への介護の質としても下がる傾向にあります。ですから、求人が頻繁に出ていたり常に出続けているところは、選択肢から除外しておくのが無難です。
次に、直接嫌い・苦手な人との関わりは、どうしたらよいでしょうか?ある程度歩み寄ってもダメなら、無理に気に入られようと努力するのは辞めましょう。そうすると、あなたは常に嫌いな相手の顔を見続けて、ご機嫌をうかがわなければなりません。
まず自分に非があるものなら、または知識やスキルがないせいでいびられるのならば、そこを改善しましょう。性格も知識も、1日でどうにかなるものではありませんが、日々心がけて、周りにもアピールするのも必要です。特に就職した当初は、あなたの行動の全てを、職場の人間全員がチェックしています。値踏みされる感じもするでしょう。そして、ガッツや知識・スキル面でもあえて意地悪をして、“小手調べ”をされることをもあります。
ここでうまく乗り切るのと、目をつけられるのとでは、のちの働きやすさが大きく異なります。
これだけは抑えたい、7つのポイント
- 挨拶をしっかりする
- 目上を敬う
- 必ずメモをとる
- 早めの出勤をする
- 「前の職場では~」発言をしない
- 勝手にやらない、早めの相談をする
- 自分は陰口に加わらない
これらはある意味、介護職でなくても全ての社会人にとって必要なことです。ところが、この姿勢が身についていない人が大勢いる世の中なのですまずはここだけは抑えておきましょう。それでも、どうしてもこの人間関係ではもう働けない・・・そう思ったら、早めの決断もアリです。あなたの力を必要としている人は、たくさんいるのですから。