介護の悩み
2016年04月20日
介護職の人がうつ病になりやすい理由って?つらいときは休職や転職もアリ
介護士の職業病、実はうつ病ってホント!?
介護士の仕事というと、身体が大変そう・・・そのようなイメージを抱く人が多いですね。事実、腰痛に悩む介護士はたくさんいます。しかし、実は腰痛以上の職業病が介護士には存在することを、ご存知でしょうか?それは、うつ病です。
家族では介護しきれない高齢者のケアをするのが、介護士です。ということは、それだけ身体を酷使することが多いのは、想像できると思います。しかし、家族が耐えきれないのは身体介護だけではありません。認知症の高齢者とずっと過ごすことも、精神的に大きな負担なのです。こちらが誠意を示しても理解してもらえません。時には悪者にされて暴言を浴びせられたり、ひっかかれたり、唾を吐きかけられたり・・・。夜中大きな声や寄生をあげている人の近くにいると、1晩でこちらが参ってしまいます。
しかし、介護士が患者さんや入居者さんを怒るわけにはいきません。認知症の高齢者に対する介護施設での虐待が、最近ニュースになることも増加しています。こういった事件を起こすのは、精神的ダメージを受けていない人ではないでしょうか。むしろ、職業倫理の身に付いている人ほど、イライラするけれども「仕事だから」と我慢し、それでもイライラする自分に対してまたイライラする・・・という悪循環になるのです。
介護士がうつ病になりやすい状況って?
介護士という仕事は、看護師と違って無資格でもできます。常に人手不足の業界ですから、それまで専業主婦だった人でも、中卒の若い子でも、すぐに介護士として就職できます。そのため、しっかり介護を学んでいない人も現場にはたくさんいます。高齢者という弱者を相手にしているので、口のきき方や態度の悪い介護士もたくさんいます。それでも、施設を運営していく中では必要な人材なので、退職になることはありません。患者に対して悪態をつく人は、スタッフ間でも礼儀正しいはずがありません。そうやって長く居続ける人が「主」となり、日頃のうっぷんを新入り介護士をいびることで晴らすようになります。
おまけに、介護士は看護師の指示を受けて動くことが多いため、ともすると看護師の下働きのような扱いを受けることがあります。資格を持っているというだけで、自分よりも人生経験の豊富な介護士に対して威張り散らす看護師も大勢います。また、看護師は資格がないと務まりません。必要最低限の人数がいなければ、いくら介護士がたくさんいたとしても施設基準を満たさなければ認可されません。
そんなわけで、介護士は辞めても代わりがいるとばかりに、看護師の待遇は厚くして介護士は冷遇されることが多いのです。夜勤明けの残業が恒常的になっていたり、介護士には時間外手当を払わない、といった具合に。このような状況下で高齢者の介護をするために、介護士のうつ病が社会問題となっているのです・・・。
うつ病の蔓延している介護施設
ある施設では、傷病手当金の請求理由が腰痛や身体的な病気ではなく、うつ病がダントツトップ。その施設で労務関係の書類を担当する社会保険労務士は、しょっちゅう就職や退職の手続きに追われているそうです。保険証が手元に届く前に退職してしまう人も多いとか。そして、介護士の入れ替わりが激しい施設というのは、常に雇っては退職の悪循環。しかし、実際の業務内容や人間関係は、中に入ってみないことにはわからないことも多いのが事実。でも、明らかに給与が高すぎるとか、常に求人を出している施設には注意が必要です。
医療・福祉の業界は、診療報酬や介護報酬の引き下げから、利益を出すことが難しい業種になっています。そんな中で、ある施設の求人だけ給料が高いとしたら・・・?そこにはどんな理由があるのか考える必要がありますね。今あなたの勤めている職場は、どうでしょうか?あなたのストレスは?
もう毎日が辛くて辛くて、日常生活や家庭にまで影響が出ているようなら、一度現場を離れてみるのも一つの手です。自分にある程度の心のゆとりがなければ、高齢者(特に認知症患者)の介護はできません。少し距離をとってみて、その上でどうしても頑張れないと思うのなら、早めに退職してしまうが勝ち。引き止められる前に辞めてしまえばいいのです。あなたが悪いのでも、介護という仕事が向いていないのでもありません。うつ病の蔓延する職場に原因があるのなら、転職によってまた介護士として働くことが可能ですよ。