介護の悩み
2016年03月05日
高齢者の「インフルエンザ」流行のシーズンに介護するときはここに注意!
インフルエンザが流行の時期に入ったら、医療従事者は自分の身を守りつつ、様々な介護サービスを利用している高齢者の身も守らなければなりません。インフルエンザに罹った人だけでなく、まだ罹っていない人のことも考えなくてはなりません。
目次
インフルエンザ流行シーズン、この3つに注意しよう
高齢者は認知症や脳血管障害の後遺症によって、自分で自分の状態を伝えられない人も大勢います。では、何に注意して介護をしたらよいのでしょうか?
- 予防
- 流行拡大の防止
- 状態の早期発見
大きくは、これにあたります。高齢者は自分の身の周りのことを、自分ですることができない人も大勢います。だからこそ、周囲の人間がするのです。
大切なことは、予防につきる
まず1ですが、インフルエンザには予防が大事です。インフルエンザワクチンの主たる目的は、インフルエンザを発症したときの重症化を防ぐこと。ここが世間の皆さんが誤解しているところでもありますが、発症予防のためではないんです。とはいっても、やはりワクチンを接種していた方が罹りにくいので、施設入居者・デイサービス利用者、そしてスタッフも含め、皆でシーズン到来前にインフルエンザワクチンを接種しておきたいものです。
そして、流行のシーズンになったら
- うがい手洗い
- 換気
- 加湿
を心がけましょう。インフルエンザは寒さと空気の乾燥が重なると流行しますから、室内を暖かくしつつ、加湿器をかけるなどの対策をしましょう。うがい・手洗いは、声をかけるだけでは不十分。高齢者には、食事前に周囲の人間が直接水道まで連れて行って(もしくは見守って)あげるところまでするようにしましょう。
被害を最小限に食い止める
次に2です。インフルエンザが流行し始め、施設入居者やデイサービス利用者にもインフルエンザの高齢者が出てきたら、どうしたらよいでしょうか?
まず、感染が拡大しないような対策をとらねばなりません。
朝の健康チェック(バイタル測定)で様子がおかしい
熱があると気づいたときには、速やかにマスクをして隔離をします。デイサービスなどでは、送迎のバスに乗っている時間も長いので、既に感染している可能性も高いのです。
入居しているのなら、一時的に個室に
通所サービス・ショートステイならば、できるだけ離れた場所や別室にして、家族の迎えを呼びましょう。そして、早めに医師の診察を受けられるようにしましょう。
調子が悪いとわかっていても高齢者をデイサービスやショートステイに送り出す家族の方にも注意が必要です。調子が悪いからといってデイやショートを休ませてしまうと、その分自分達がお世話をしなければならなくなります。しかし、1人でもそういった高齢者がデイサービスにいくことによって、規模によっては何十人という集団感染を起こしてしまう原因となってしまうのです。朝お迎えのときに様子がおかしいなと思ったら、本日の利用を見合わせてもらうように交渉することも、インフルエンザに罹っていない高齢者を守るためにも、時には必要なことなのです。
早期発見できるよう気を配る
最後に、早期発見です。若い世代の人も、インフルエンザワクチンを接種していると、症状が軽度で済んでしまうことがあります。高齢者にも同じことが言えます。また、高齢者はえてして身体における症状がはっきりと現れにくいという特徴もあります。
ですから、熱っぽくても気づかない。喉が渇いたと感じにくいので、気づかぬうちに脱水症を起こしてしまう。呼吸状態が悪くても、苦しいと感じない。朝からぼーっとしていると思っていたら、昼すぎになって急に高熱を出し、呼吸状態も悪化した・・・と、デイサービスから直接医療機関へ搬送することも珍しいことではありません。また、状態が悪いときに無理に食事を食べようとすることで、誤嚥のリスクも高まります。
赤ちゃんが、産まれたときには自分で何も身のまわりのことができないのと同じように、高齢者も周りの人間が気づいて、整えてあげなければならないようになるのです。特に高齢者は、年齢やそれまでの生き方・既往歴によって、ADLの度合いも理解度もバラバラ。急変や思わぬ事故を起こしたりしないよう、インフルエンザの流行期には、普段以上に目をこらしていなければなりません。