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介護のハウツー

2016年10月06日

リフト浴の入浴介助のポイントは?介護士のための手順やコツ、注意点とは

風呂

介護施設等での介護業務には、入浴介助は欠かせません。今回は、その中でも「リフト浴」にスポットを当てていきたいと思います。入浴前から入浴後に至るまでの手順や、安全に入浴介助を行うためのコツなど、介護士なら是非知っておきたいポイントをまとめました。

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リフト浴とは

入浴用の椅子から、リフト機能を使ってそのまま浴槽に入ることができるお風呂を指し、立位は難しいが、座位が保てる方の身体機能を活かした入浴法となっています。

かつては吊り下げタイプのリフト浴が主流でしたが、揺れなどが生じるため不安定であることが欠点でした。しかし近年では、椅子式で安定性が高いタイプが普及しており、介護士の負担も軽減されると好評です。

その他の入浴法としては、立位・歩行が可能な方向けの一般浴、寝たきりの方向けの機械浴(ストレッチャー浴)が一般的となっています。

次に、リフト浴の入浴手順についてご紹介します。今回は、近年主流となっている椅子タイプのリフト浴にて説明したいと思います。

入浴前に行いたいこと

バイタルチェックは欠かさない

どのタイプの入浴介助にもいえますが、入浴前には、利用者のバイタルチェックを必ず行っておきましょう。

リフト浴を利用する方というのは、歩行が困難という方がほとんどで、日常的な活動も活発なものではありません。そのような方は健常者に比べ、入浴時となると身体的負担が大きくかかってしまいます。「普段と変わらないか」「顔色は良いか」などのチェックはとても重要なことなのです。

声かけをすることの利点

入浴前から入浴中、そして入浴後まで欠かさないでいただきたいことの一つに、利用者への声かけがあります。会話をすることで、普段のようすと変わらないかチェックすることができますし、リフト浴に慣れない方には、その恐怖心を取り除いてリラックスした状態になっていただくためにも、必要なことといえます。

脱衣所・浴室の準備

特に冬場となりますが、脱衣所~浴室の温度差には、細心の注意を払いましょう。ここでの温度差が大きいと、急激な血圧の上昇~下降(ヒートショック)を招き、心筋梗塞などの疾患を招く原因となる可能性があります。脱衣所では暖房をかけ、浴室はシャワーをかけて温めておくなどして、温度変化が少なくなるよう心がけましょう。

同時に浴槽にも湯を張っていきますが、身体に負担をかけないようにするため、熱すぎないようにすることも大切です。少しぬるめ(38℃~40℃)が適温となっています。また、腰かける椅子もシャワーで温めておくと、なお安心です。

脱衣後のチェック

バイタルの再確認をすると同時に、皮膚のようすなどにも注意しましょう。湿疹やあざなどのチェックに、感染性の皮膚炎を発症していないか、などの観察が大切です。

また入浴では、利用者が不安や、恥ずかしさを訴えることも珍しくありません。もちろん声かけをして気持ちをリラックスさせることは大切ですが、それでも解消しない場合は、同性の介護士が対応する、などの対策をとってみましょう。

入浴介助の手順

脱衣が済んだら、いよいよ入浴です。まずは椅子への移乗を行い、安全ベルトを締めましょう。

洗髪・洗体

声かけをしながら、まずは足先からシャワーをかけていきます。かける前には介護士自らがお湯に触れて、温度の確認を行っておきましょう。そして、かけている間にも「熱くないですか」などの声かけを忘れないようにしてください。

足先から徐々に上半身にもシャワーをかけていき、身体全体が温まったら洗髪をはじめます。耳の中にお湯が入らないよう、注意して行いましょう。

その後は、全身の洗体を丁寧に行います。皮膚の重なる部分などは、特に念入りに洗うことが大切です。しっかりと洗うことで、皮膚疾患の予防を期待することができます。

リフトを使って浴槽へ

身体を清潔にした後には、再度体調に変化がないか確認します。変わりなく元気なようすでしたら、椅子にしっかりと腰かけているかを確認した上で、いよいよ入浴です。

リフトが動くことを声かけした後、入浴ボタンを押します。リフトの作動中は、安全を確認しながら見守ると同時に、利用者の身体の一部(肩などに)手を添えてあげると、安心感を与えることができるため是非ともおすすめです。

入浴中も、「湯加減いかがですか」などの声かけを忘れずに行い、入浴後は、再度声かけを行った後、リフトを使って湯から上げていきます。上がり湯を足~上半身にかけた後、椅子に腰かけたまま、タオルで全身を拭いていきましょう。

リフト浴介助で心がけたいこと

リフト浴は、歩行困難な利用者も安心して入浴することができる方法であり、また介護士にとっても、比較的負担の少ない入浴介助のスタイルとなっています。

しかし、安全管理を怠ると重大な事故にもつながりかねませんので、日々のメンテナンスや、入浴中の安全確認は徹底して行うようにしましょう。また、これはどの入浴方法にも共通しますが、入浴時はもちろん、入浴前や入浴後にも必ず、利用者の状態を観察することを忘れてはなりません。

利用者への声かけを徹底し、少しの変化も見逃さないようにすることが、安心・安全な入浴介助を行う上で最も重要なことといえるでしょう。

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