介護のハウツー
2016年07月13日
介護士が利用者や家族と話すとき心がけたい!伝わりづらい専門用語
介護の勉強を始めた時、分からない言葉がたくさんあって困ったことはありませんか?介護を受けている方やその家族は、介護士さんから聞く言葉に対して同じように「分からない言葉が多いなぁ」と感じていることがあります。介護者と介護を受ける人・家族の壁を少しでも取り除くために、専門用語は分かりやすく伝えるように心がけたいものです。
現場での「当たり前」が通じないと考える
施設の職員や医療関係者と話す際は専門用語が飛び交っていても理解できても、その言葉がそのまま利用者や家族の方に伝わるとは限りません。特に介護を受け始めたばかりの方にとっては理解できる言葉の方が少ないでしょう。普段当たり前に使いがちな言葉が介護の現場にはたくさんあるので、なるべく分かりやすく伝えてあげるようにしましょう。
利用者や家族とお話しする際に「分からない言葉があれば、おっしゃってください」と言っておくと、利用者も「今のはどういうことですか?」と質問しやすい環境になります。また、説明の途中で「ここまでのことは分かりましたか?」と時々確認をするといいでしょう。
伝わりづらい専門用語とは?
色々な施設を利用したことのある利用者さんは、ある程度専門用語を理解できるかもしれません。ですが、基本的に自分が介護の勉強を始めたときに理解できなかった言葉は、利用者さんには理解できないと考えるのがいいでしょう。訪問看護師さんのことを「訪看(ほうかん)さん」と呼んだり、姿勢についても「仰臥位」や「側臥位」、「端座位」などの言葉を使ってしまっていませんか?
伝える側としては「側臥位になってください」と言うのが楽に感じますが、言われた側にとっては「?」となることもあります。きちんと「横向きに寝てください」と伝えるようにしましょう。利用者にとって、自分の周りで分からない言葉がたくさん出てくると「これから何をされるのだろう」と不安に思ってしまうことにもつながります。利用者とのコミュニケーション・交流をスムーズにするためにも専門用語はかみくだいた言葉で説明するようにするのがオススメです。
具体的にはどのように伝えればいいの?
先ほどの例のように、利用者の方に体勢・姿勢を変えていただく際にも分かりやすい言葉で伝えることと合わせて、利用者や家族から相談を受けた際にも分かりやすくアドバイスできるように心がけましょう。利用者の家族から、健康状態やお通じについての相談があった際などは「訪看さんに入ってもらうことをおすすめします。訪看さんならバイタルチェック・排便コントロール・便秘が悪化したら摘便もしてもらえます」というアドバイスをしてあげるといいのですが、このままでは理解しづらい言葉がいくつかあります。
「訪問看護師さんなら脈拍や血圧・体温の計測をしたりして健康状態を確認してくれます。排便コントロールもしてくれますが、便秘がひどくなった際には摘便という、指で便を掻きだすこともしてもらえます」と説明をした方が初めて聞いた方にも分かりやすいですね。
さらに、
★寝たきりにならないように、離床を心がけてください
↓
寝たきりにならないように、ベッドや布団から出ることを心がけましょう
★ベッドからは端座位で車椅子に移乗してください
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ベッドに腰かけた状態から車椅子に移るようにしましょう
★リハビリにはPTさんが来てくれますよ
↓
リハビリには歩行練習をしてくださる理学療法士さんが来てくれますよ
など、「専門用語」を一般的な言葉で伝えるようにするようにしましょう。
利用者や家族の方々にお話をする前に一呼吸おいて「どのように話せば分かりやすいか」を考えてから、なるべく簡単な言葉で話すようにするのがポイントです。