1. HOME
  2. 認知症認知症の予防認知症の原因を予防する食事や食べ物のポイントはコレ!

認知症の予防

2017年07月01日

認知症の原因を予防する食事や食べ物のポイントはコレ!

様々な野菜

年を取って介護が必要になれば、誰もが誰かの手を借りなければ生活することが難しくなってくるものです。でも、年齢を重ねるほどに発症リスクが高まるアルツハイマー病などに代表される認知症は、発症することでその程度によっては家族など周囲の人間の生活を巻き込んで大きな負担を与えてしまいかねないものです。

老いは誰にとっても避けられないものだとしても、できる事なら認知症を患うことなく健康的に年齢を重ねてゆきたいと言うのはある程度の年齢になれば誰もが願う事の一つでしょう。

アルツハイマー病は予防できる病気?

認知症や若年性アルツハイマー病などは、今や誰もがかかる可能性のある病気の一つであり、徐々にその病の原因などが解明されつつあるとはいえ、現在はまだ完治する方法の発見には至っておらず、治療法も早期に発見して進行を遅らせると言うやり方が中心です。

でも、日々の食事や運動習慣などを見直すことで認知症を発症したり症状が進行したりする速度を遅らせる事が出来ると言われています。とりわけ食生活は毎日のことであり、認知症ばかりでなく健康な体を維持するためにはとても大切な役割を担います。

何の対策もせずただ認知症を発症することを恐れて生活するのではなく、積極的に認知症や若年性アルツハイマー病などに負けないような脳を作るために働きかける事で病気のリスクを減らせる可能性は高まると言われています。

認知症に負けない脳のために大切な食生活

人の体は食べたものから摂取する栄養で作られることを考えれば、食事が体に大きな影響を与える事は誰にでも理解できます。そして、認知症に負けない健康な脳を作るためにも食生活を見直すことはとても重要です。

アルツハイマー病や若年性認知症に関する研究は現在も世界中で行われており、これらの病気のメカニズムの解明が少しずつ進み、その原因の究明も進んでいるのは確かなのですが、かかってしまった認知症などの脳の病気を完全に治す方法は現在のところ確立されておらず、食生活が大切だとは言え何かを食べれば認知症などの症状がたちどころに改善されるというものではありません。

それでも食生活を見直すことで脳の機能を維持し認知症などの進行を遅らせる事の出来る可能性はあると考えられており、脳の機能を高めるために効果が期待できる食材なども確認されています。

高齢者が避けるべき悪い食習慣

高齢になってくると若い年代のように暴飲暴食はできにくくなり、食事の内容が偏ってしまったり、大量の食品を一度に食べる事は少なくなってくるでしょう。

でも、不飽和脂肪酸などの体に悪影響を与える可能性の高い脂肪をたくさん摂ったり、活性酸素を取り除いてくれる抗酸化物質が不足している、ビタミンB群が足りない、亜鉛などのミネラル分の摂取量が不足気味などの食生活は認知症などを発症するリスクを高めると考えられています。

今や健康に関する情報を提供するテレビ番組はゴールデンタイムに各テレビ局で放送されるようになり、人々の健康に対する意識が高まっているのがよくわかります。食事から摂取する栄養の効果に関するものも、かつてはダイエットなどが中心でしたが、現在は成人病の予防につながるものや認知症の発症リスクを減らす食事などに関するものが増えています。

抗酸化作用のある食材を摂る事を心がける

体に悪影響を及ぼす危険性があるとされる活性酸素は、体の不調を招き様々な病気にかかる事と密接な関係があると言われています。そしてそれは認知症や若年性アルツハイマー病にも深い関係があります。

活性酸素とは呼吸などで取り入れた酸素が体内で変化したもので、体の老化を促進させ様々な病気の原因になると考えられ、認知症などの原因の一つでもあると言われています。

そして抗酸化物質とは体内で活性酸素を抑制する働きのあるもののことで、例えば抗酸化作用のある食材を食べる事で活性酸素の発生を抑制し、認知症や若年性アルツハイマー病の予防にもつながると考えられています。

この抗酸化物質は主にビタミンC、ビタミンE、βカロテン、リコピン、ポリフェノールなどに多く含まれており、これらの栄養素を摂る事で活性酸素の働きを抑制し、動脈硬化などの病の予防に役立つと考えられています。

認知症予防に注目される成分ポリフェノール

認知症などの予防効果の期待される抗酸化物質の中でも、近年特に注目を集めているのがポリフェノールで、アルツハイマー病やレビー小体認知症、パーキンソン病などの原因物質の出現を抑える作用がある事が判明しています。

抗酸化作用の高いポリフェノールが含まれる食材としては大豆に含まれるイソフラボン、赤ワインやブルーベリーなどに含まれる赤紫色の色素アントシアニン、赤ワインに含まれるミリセチン、日本茶に含まれるカテキン、ココアやコーヒーなどに含まれるクロバミド、ケルセチン、家庭料理の定番カレーのスパイスにも使用される黄色の色素ターメリック(ウコン)に含まれるクルクミン、若々しい体作りに欠かせないゴマに含まれるセサミンなどがあります。

これらのポリフェノールが多く含まれる食品を毎日の食事の中で意識して摂る事が認知症予防には大切なのですが、ポリフェノールは一度に大量にとっても体内に蓄積することは難しいため、継続して摂取することがよいとされています。

大豆は毎日でも食べたい優秀食材

大豆にたっぷりと含まれているレシチンは脳の栄養素とも呼ばれる成分です。人が物事を記憶する際に重要な役割を担う神経伝達物質のアセチルコリンの材料となるのがレシチンで、レシチンを積極的にとる事で記憶力や集中力が高まり、認知症や若年性認知症などの予防や症状を抑える事に役立つと考えられています。

日本食は季節を感じさせる見た目の美しさや繊細な味わいだけでなく健康効果が高い食としても世界で認められるようになりましたが、もともと日本人の食生活の中には自然な形で大豆食品がたっぷりととれるものがたくさんありました。

味噌や醤油、納豆や豆腐など、日本人の日常的な食生活を支えてきた大豆製品が栄養価の面でも見直され、さらには増え続けるアルツハイマー病などの予防などにも効果が期待されています。認知症を予防するためにも大豆を上手に取り入れる食生活をもう一度見直してみる事はとても意味のある事だと言えます。

油は悪者ではなく脳のために良い油を積極的に摂る

油を摂る事は体に悪いと言うイメージを持ってしまいがちです。でも、実は油にもさまざまなものがあり、動物性の油であれば魚類に多く含まれるEPAやDHAなどのN-3系の不不飽和脂肪酸は特に脳血管性の認知症を予防する効果が期待できると言われています。

脳の働きを活性化させ集中力が高まる事から受験生にEPAやDHAの豊富に含まれた青魚の部位を食べさせると効果的だと考えられ大きな話題になったことは記憶に新しいところです。そしてこれらの油は中性脂肪を減らし脂質異常症などの改善にも効果があると言われ、脳の健康だけでなく全身の健康にとっても欠かせないものです。

しかし同じ油でもトランス脂肪酸などの不飽和脂肪酸をたくさん摂ると認知症などの発症リスクが高まると言う意見があります。そのため、トランス脂肪酸を含まないバージンオリーブオイルやくるみ、ココナツオイルなどを食生活の中にうまく摂りいれる事も脳の健康を保ち、認知症などの予防には効果的だとされています。

ビタミンやミネラルそして食物繊維も忘れずに

高齢になってくると食事の支度も面倒になり、中にはインスタント食品が中心の食生活になってしまう人もいるかもしれません。でも、インスタント食品が必ずしも害になると言うわけではありませんが、インスタント食品のようなものばかりを食べていると、どうしてもミネラル分が不足しがちになります。

ビタミン類もできればビタミン剤からばかりとるのではなく新鮮な食材からとるようにしたいものです。特に亜鉛やカルシウム、鉄などのミネラル分は様々な食材に微量に含まれる栄養素なため、食べる食材が偏らないようにいろいろなものをまんべんなく食べるようにすることが大切です。野菜や果物などが不足すると食物繊維が不足しがちになります。

アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを出さないようにするためには高血糖の状態を予防することが大切で、食物繊維は腸内での糖分の吸収を穏やかにしてくれる役割があり、高血糖の状態を予防する効果があります。またビタミンの中でも特にビタミンB群は脳にとってとりわけ大切な働きをする栄養素なので積極的にとるようにしたいものです。

食べすぎと運動不足には要注意

体に良い影響を与える食材、脳の働きを促進する効果のある食材など、注目される栄養素をしっかりととるためには食事の内容に気を付ける事が大切なことは確かです。

でも、毎日のこととなればなかなか気を配りながら食事を摂るのは簡単ではありませんが、年齢を重ねて食が細くなれば栄養バランスが偏りがちになります。また逆にあらゆる栄養をしっかりと摂る事だけを考えてたくさん食べすぎて毎食高カロリーの食事をとり続けた結果肥満に繋がってしまったとなれば、認知症の予防どころか体の健康そのものを害すことになってしまうでしょう。

栄養を摂る事はとても大切なのですが、食べすぎは肥満に繋がるばかりでなく、高血圧を招き、糖尿病や動脈硬化などに繋がりやすく、結果的に脳血管性の認知症の原因を作る事になります。

また、肥満や運動不足が原因で発症する2型糖尿病に罹患する人は、脳が平均で2.9%も委縮し、さらに記憶をつかさどる海馬に至っては4%も縮小していると言う研究報告がされているようです。栄養バランスの良い適量の食事、そして適度な運動を心がける事は結果的に認知症などの予防につながると言えます。

認知症予防におすすめの料理

認知症の予防に食生活が大きくかかわっていることが判明し、例えば毎日一定量のワインを飲み続ける事がアルツハイマー病予防につながると言う研究結果が発表されたり、ビタミンEの摂取が認知症の発症を遅らせる効果があると言った報告もあります。

高齢者が高カロリー食をとり続けたり、逆に低カロリー食に偏ったりすることはアルツハイマー型認知症などのリスクを高めるだけでなく、健康な体を維持するうえでも大きなリスクにつながります。

認知症予防のためには青魚、野菜、大豆を積極的にとれる料理がおすすめで、その点を考えると日本人が古くから食べてきた和食はとても優秀な料理です。例えば大豆とひじきの煮物や青菜の胡麻和え、青魚の焼き物や煮つけなどを活用した一汁三菜はそうした食材のバランスを取るための知恵の詰まった食事の基本だとも言えます。

そして食べ物をよく噛むと言う事は、脳にもとても良い刺激を与えると言われています。ほとんど噛まずに呑み込めてしまうようなものばかりではなく、しっかりと噛んで食べられる食事が大切になります。

低カロリーで良質のタンパク質やビタミンを意識して摂取する、飲み物はコーヒーや緑茶などのポリフェノールの豊富なものやレモングラスなどのハーブティーを選び、ポリフェノールの豊富なワインを適量たしなむ、さらにビタミンEとCが同時にとれるキウイフルーツや食物繊維の豊富なサツマイモ、カルシウムの豊富なヨーグルトやチーズなどの乳製品も、積極的に活用したい食材です。

バランスの良い食事内容で食べすぎず腹八分目を心がける

どれほどすぐれた栄養素であっても、何か一つだけの食材を食べていればよいと言う事は通常は考えられません。大切なのは様々な食材を取り入れたバランスの良い食事内容にすることで、これは認知症などの予防だけでなく健康な体作りの基本でもあります。

偏った食事内容にならないように様々な食材をバランスよく食べるようにして、さらに食べ過ぎずに腹八分目にとどめる事がポイントです。認知症などの予防に効果的な食材として紹介されるものは数多くありますが、それらの栄養素を摂る事だけを考えてカロリーオーバーになってしまわないようにすることも大切です。

もちろん本来食事は楽しみながらおいしく食べるものです。義務的に栄養を摂るためだけの食事にならないように、楽しく食卓を囲みながら食事をすることが理想です。