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介護のハウツー

2017年03月01日

足浴で準備するものや注意点は?介護士が気を付けたいポイントやさまざまな効果

足浴

温泉地などに出かけると、最近よく自由に誰でも利用できる足湯スポットというものが目に付きます。温泉が豊富で、日常生活でも無類の風呂好きな日本人にとって温かなお湯につかるという行為は何よりも心地よく体を癒してくれる存在なのですが、旅先でちょっと疲れたときに日帰り入浴施設にわざわざはいるのは時間的に難しいというときでも、足浴なら簡単に短時間で温泉気分を楽しめるのが人気の理由です。

ちょっと通りすがりに足浴をするだけでも、体がじんわりとあたたまって、疲れがほぐれるのを感じられるものです。介護現場でも体の自由が利かず行動が制限される高齢者にとって全身入浴はかなり大きな負担になるというケースは少なくありません。けれどそんなときでも足浴なら心臓に負担をかけることなく比較的簡単に出来ることから介護現場でも取り入れるところが多いケアの1つです。

足浴がもたらしてくれる様々な効果

頭寒足熱と言う言葉からもわかるように足元を温かくすることで全身の血行が促進され体に様々なよい影響をもたらしてくれます。毎日入浴することの難しい高齢者にとって全身を暖めるためにも足浴はとても効果があります。足を清潔に保って気持ちよく、普通の入浴をした後のように全身の血行が良くなってぽかぽかと暖かくなるのに、全身浴をしたときのような疲労感が少ないのが特徴です。

心臓から最も遠く血行が悪くなりがちな足をお湯につけることは、汗をかきやすい足を清潔にして気持ちよくリラックスできることに繋がり、体が温まることで安眠効果も期待できます。利用者の日常的なフットケアのためにも足浴をして足を清潔にすることで水虫などの予防にも繋がる上、足浴することで足の爪が柔らかくなれば足の爪も切りやすくなります。

足浴をするときに準備したいもの

まず足浴をするに当たってはあまり熱すぎず、冷たすぎない程度のお湯をバケツに張ります。お湯が周りにこぼれても大丈夫なように下に敷く防水シート、石鹸、ガーゼ、タオル、新聞紙などを事前に準備します。そして足浴をしている間にお湯が冷めてしまったときのために差し湯をするためのお湯、かけ湯をする為のお湯も同時に準備しておきます。

ベッドなどに腰掛けて足を下に下ろした姿勢で行う場合には、必ず利用者の足元にビニールシートや防水シートなどを敷いた上に新聞紙を敷いてから、その上にお湯の入った足浴用のバケツや洗面器などを置くようにします。利用者が座った姿勢が保てるときにはベッドの高さを調整し、足底の部分が床にきちんとつく高さまでベッドを下げるようにします。仰臥位で行う利用者には洗面器を利用し、ひざを曲げた状態でひざの下に枕などを入れることで体位を安定させるようにします。

足浴をする際に注意しなければならないこと

足浴が全身浴よりも体にかかる負担が小さいとはいえ、実施する際には注意しておきたい事があります。まず、足だけをお湯につけることとなるので露出部分をなるべく減らして体が冷えないようにひざ掛けなどで保温することを心がけ、足浴の時間もなるべく15分ほどで終わらせるように手早く行います。また全身浴をするときと同様に食後すぐの時間帯に行うのは避け、体への負担を考えて昼間の暖かな時間帯に行うようにします。

足浴は両足を一度につけるのではなく、片方ずつお湯につけるようにしてお湯の温度を本人に確かめます。指の間や付け根部分なども念入りに洗い、最後にかけ湯をして十分に流し、片方ずつ水分をしっかりとふき取っておくようにします。そして足浴が終わった後の利用者の状態にとくに変わったことがないかを注意して観察し、水虫などの症状がある場合は専門医の診察を受けるようにします。

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