介護のハウツー
2016年07月15日
看取りケアの前に知っておきたい!介護職員が心がけたいポイントとは
目次
高齢化社会に伴って終末期医療が取り上げられる日本
日本において、ほとんどの高齢者は介護が必要になった際自宅ではなく施設にお世話になることが多いです。それに伴って80%近くの人は病院や施設で最後の時を迎えると言われています。今までは、「出来るだけ長く生きている時間を延ばすことが重要」と考えられてきましたが、いかに苦痛や不安を取り除いてあげられるかが重要視されるようになってきました。
「死」の価値観のすり合わせが大切
入居している高齢者は、自分が「死ぬ」事に対してそれぞれの価値観を持っています。どんな価値観であるにせよ、その考え方を出来る限り尊重してあげることが大切なのでは奈でしょうか。特に、入社して間もない若手職員には「死」を怖いものではなく誰でもいつかは訪れるものだという認識をしてもらうことが大事です。
看取りケアは特別なものではないという認識
「死」の価値観でも触れたように、看取りケアも特別なものではないという認識が大切です。死期が近いからといって、非日常的な時間や空間にしてしまうと、介護される側はかえって不安になってしまいます。だからこそ、いつも通りのケアを行い、その人の今まで積み重ねてきた生き方や考え方を精一杯尊重してあげることが、何よりも重要ではないでしょうか。看取りケアが介護の終着駅といわれますが、一つの区切りとしてとらえると気負いせずに日々の介護に取り組んでいけるのだと思います。
職員同士の連携も重要なポイント
施設にいる以上看取りケアは決して一人だけではできません。同じ職場の人間同士が協力し合って初めて出来るものです。人間関係がギスギスしたままですと、入居者にもその雰囲気は伝わってしまします。常日頃からお互いにコミュニケーションをとり、良好な人間関係を構築する事も、看取りケアを行う上での重要なポイントです。
看取りケアで大切なことは入居者の気持ちを尊重する事
入居されている方で、看取りケアが必要な方はほとんどが寝たきりで食事もままならない方が多いと思います。ケアが事務的だったり、入居者が希望を持てない状態ですと、ネガティブな雰囲気になり職員にとってもマイナスなのではないでしょうか。入居者が穏やかな気持ちになってもらうためには、その方が今まで一番楽しかった事を聞き、できる限りその内容を実現させてあげる事が大事だと思います。
ある施設では、80代の女性が今までで一番楽しかったことは猫と一緒に暮らした事だとアンケートに書いてありました。ペットショップ業者と協力して、その人の病室に猫をいれてあげるとみみる表情が穏やかになり、笑顔が増えたとのこと。最後は安らかな気持ちで亡くなったようです。これは職員にとっても理想的な看取りケアであったようで、いい意味での達成感を味わえたようです。
看取りケアの後は家族や職員同士でのコミュニケーションも大切
入居者の方が亡くなるというのは、看取りケアを行う職員側にとっては大きな区切りになることは確かです。施設で亡くなるケースが増えてきているからこそ、「もっといい介護ができたのではないか」と自分を責めたり後悔する事があるかもしれません。そういった時に一つの指針となるのが、看取りケアを行った入居者の家族とのコミュニケーションです。安らかな気分で最後を看取る事ができたなら、きっと感謝される事でしょう。家族の希望でお別れ会を行うところもあるようです。
職員同士でも話し合って気持ちを出し合うことで楽な気分になることもあると思います。そういったコミュニケーションを取ることで、新たなケアに進んでいくことが大切なのではないでしょうか。