介護の悩み
2016年04月18日
介護職は残業代が支給されないサービス残業が多い?理由と対処方法とは
介護の仕事は残業だらけ?
介護の仕事というと、あなたはどんな仕事を思い浮かべるでしょうか?
- 食事介助、食事の配下膳
- 入浴介助
- 体位交換
- おむつ交換
確かに、これらが施設や病院では主な仕事です。しかし、直接高齢者へ接する介護だけが仕事ではありません。
- 浴室やトイレの掃除
- 病室や廊下掃除
- ナースステーションの掃除
- ゴミ捨て
- 吸引瓶の回収、洗浄
- 物品補充、注文
- リネン類の管理
- レクリエーションの準備
- 掲示物の作成
こういったことも、介護士の仕事に含まれます。直接の介助は時間が決められていることもあり、日勤の勤務時間内で行うことがほとんど。しかし、それ以外の細々とした仕事、一般的には「雑用」とされる仕事も、実はかなりの時間を要するのです。看護師がこれらの雑用を手伝ってくれる職場ならよいのですが、雑用は全て介護士という職場の方が圧倒的なのが事実。そうなると、日勤として仕事を終えたあとで掃除をしたりすることになります。
よくあるのが、デイサービスでの残業。利用者さんを送迎バスで送って、帰ってきてから片づけをしたり、翌日のレクリエーションの準備をすることになります。そうなると、勤務時間内で利用者さんは帰宅していても、実際の業務は19時過ぎまで続くこともあるのです。
残業が多い理由って?
では、なぜこんなふうに残業が当たり前になっているのでしょうか?それは明らかです。人手不足、に尽きるのです。ではなぜ、人手不足なのでしょうか?それは、病院における診療報酬や、施設における介護報酬の引き下げにより、医療・福祉機関の収益は頭打ちになったからです。利益を上げられるのは、よほど高額の有料老人ホームくらいでしょうか。
たくさんの人を雇えば、それだけ人件費がかかります。だからあくまでも経営者側は、今いる人数、最低限の人数で勤務内の業務がまわればいい、となるわけです。しかし、上でもお伝えしたように、介護士の仕事は身体介護だけではありません。雑用を含めあらゆる仕事を引き受けるため、なかなか定時で帰ることができないのです。そして、当然のように残業をさせているのに、勤務時間中にこなす努力が足りない・能力不足ということで、残業代をカットする。または最初からつけさせないように圧力をかける、という施設が後を絶たないのです。
看護師には残業を認めても、介護士には残業を認めないという施設もたくさんあります。看護師は資格が必要ですが、介護士なら資格がなくても働けますから、「変わりはいくらでもいる」と思われているのでしょう。そうしてどんどん人は入れ替わり、それ故に職場は一向に改善されない・・・こんな悪循環が続くのです。
サービス残業対策には、派遣が使える!?
このように、介護の現場で当たり前となっている残業を、なんとかすることはできるのでしょうか?仮に仕方なくやったとして、その分を正当に時間外手当として請求させることはできるのでしょうか?できないことはありません。実は、ここで派遣を上手に使うのです。派遣というのは、派遣会社に勤めているのであって、その病院・施設に勤めているのではありません。給与を支払うのは派遣会社ですから、病院から残業代を請求したのにカットされることはありません。(もちろん、その分派遣会社は病院に支払わせるのですが。)
また、病院側から残業代をつけないように圧力がかけられたのなら、派遣会社にその事実を伝え、派遣先を変えてもらえばいいのです。こういうことが続けば、派遣会社もその医療機関には派遣させなくなります。ですから、結果として「代わりはいくらでもいる」状態ではなくなります。介護士を必要としている場所は、いくらでもあります。ですから、派遣会社に登録しておけば、「仕事がない」ということはありません。
また、派遣に対しては時給で請求されてしまうので、残業代を支払わないわけにいきません。そうなると、派遣は定時で帰すのが通常。仕事が残っているのなら、正規にサービス残業させるわけです。そういう意味でも、定時でスパッと帰ることができるというのは、派遣のメリットですね。
もう一つ、派遣のメリットとして、職歴にキズがつかないということもあります。どの仕事であっても、転々と職場を変える人は「どうせ長続きしないだろう」「どこに行ってもうまくいかないヤツ」という目で見られがち。しかし、派遣会社に登録している限り、業務命令で派遣先が決められていることになるので、職歴自体は○○派遣会社勤務、と変わらないのです。派遣は正規と違った社会保障面での薄さが気にはなるところですが、正規にこだわって働いた分の賃金をもらえないとか、恒常的に残業ばかりということがなくなるので、無駄働きはなくなります。あなたにあった働き方、考えてみてくださいね。