認知症の症状
2016年11月12日
認知症の症状の段階はどのようなものがある?それぞれの段階の症状の種類や特徴
認知症は、気づかれずにそのまま放置しているとどんどん進行していきます。認知症と聞くと、すぐにイメージするのが物忘れなどかもしれません。しかし、それと一緒に、或いはそれより前に性格の変化が見られることもあります。以前の性格と異なり、怒りっぽくなったと感じることも少なくありません。
初期の認知症と軽度認知症について
認知症と健常者との曖昧な状態に「軽度認知障害(MCI)」があります。これは、認知症予備軍として認識されています。軽度認知障害の場合、ごく普通の日常生活は問題なく送ることができるのですが、物忘れが見られるようになります。物を置いた場所を忘れて探し物をすることも多くなりますし、同じことを繰り返すなどの症状が出てくることもあります。また、人の名前がなかなか出てこなかったり、気軽な雑談が苦手になるなどの症状が出てくることもあります。
軽度認知障害は、高齢者だけに見られるものではありません。中には、40代から発生することもありますので注意が必要です。軽度認知障害であっても、早めに正しい治療を受けることができれば改善する可能性があります。反対に放置しておくと、5年後に認知症を患う確率は50パーセントまで上がります。気になることがあったら、早めに医師に相談することをお勧めします。
また、認知症初期でも物忘れがよく見られるようになります。他にも、怒りっぽくなるなどの性格の変化があったり、猜疑心が強くなるなどの症状が出てくることもあります。被害妄想も強くなるので、周りの人は対応に戸惑うことが多くなってくるかもしれません。それまで明るく社交的だったのに、外出を好まなくなったりする方もいます。外出すると迷子になるなど、何度も通っていたような場所であっても迷うことが増えてきます。実は、この時期一番最初に異変に気がつくのは本人であると言われています。
認知症の中期について
初期の認知症の場合、新しいことを覚えることが難しくても昔の記憶はしっかりと覚えている場合が多いのですが、中期に入ると過去の記憶についても曖昧になってきます。また、それまでできていたごく普通の日常生活もできなくなります。食事を作ることも掃除や洗濯も難しくなります。入浴や歯磨き、トイレ、着替えも上手くできなくなってくる為介助を必要とするようになってきます。
会話についてもスムーズにできなくなり、意思の疎通も楽ではなくなります。相手が話していることを理解することが、だんだんできなくなります。徘徊が見られるようになるのも、この頃です。自分がいるべきところが他にあると思い彷徨い歩いたり、自分がいる場所が分からなくなって遠くまで歩いて行ってしまうこともあります。また、失禁したり排せつ物が分からなくなり弄便などの行為が見られることもあります。
この期間は精神的な問題が現れ始めるのですが、体の方は元気な為周囲の人たちに苦労が多い期間とも言えます。
認知症後期と末期について
認知症の後期に入ると、日常生活においてほとんどのことが一人ではできなくなります。家族や親しかった友人の顔も分からなくなったり、会話もほとんどできない状態になる方が少なくありません。失禁する回数も増えます。また、食べることが困難になる為食べることを好まなくなる方もいます。痩せる方も少なくありません。転倒などに注意しなければならない時期でもあります。
重度の認知症になると、寝たきりとなります。その為、認知症の末期では介護が必要となります。この時期は、呼吸器の感染症になりやすく、他にも寝たきりの為褥瘡の心配も出てきます。また、誤嚥しやすくなる為、経管栄養が始まる場合も少なくありません。経管栄養を必要とする期間は人によって異なりますが、だいたい数か月程度から数年と言われています。