介護の転職
2016年09月15日
特別養護老人ホームで働く介護士の役割って?仕事内容や職場としての特徴とは
「特養」と呼ばれる施設は、正式には「特別養護老人ホーム」と言います。名前は良く聞くけれど、施設に勤める介護士はどのような仕事をしているのでしょうか。
特養の特徴や、介護士の仕事内容についてまとめました。
特別養護老人ホームってどんなところ?
特別養護老人ホームは原則として常に介護を必要としている65歳以上の高齢者が入居をします。利用者のほとんどが身体や精神に障害があり自宅での生活や介護が困難なため、特別養護老人ホームは利用者の日常生活の場・終の棲家として過ごしています。
一般的には「特別養護老人ホーム」「特養」と呼ばれていますが、介護保険の制度上は「介護老人福祉施設」と呼ばれます。
施設内では福祉関係者による日常生活の介助や、医療関係者による健康管理などが行われます。利用者の必要に応じて機能訓練を行ったり、通院のサポートをすることもあります。
2002年度以前は利用者は4人1部屋で生活をしていましたが、2002年度以降に作られた「新型特養」では全てが個室で生活をし、活動を行う際に10名程度のグループにてリビングスペースなどを共有しケアをすることになっています。
老人保健施設とは違い、入居に期限がないのが特徴です。そのため、介護の内容も「自立のため」というよりも「日々の生活が不便なくできるように」ということに重点が置かれています。
特別養護老人ホームで働く介護士の仕事内容は?
特養で勤務する介護職員については、施設によって「ケアワーカー」「ケアスタッフ」「介護ヘルパー」など呼び方がさまざまです。仕事の内容としては、入所している方の食事・入浴・排泄・着替えの介助、おむつ交換などが主なものです。その合間に入居者の話し相手になったり、他の職員とレクリエーション活動を行ったりします。
勤務については、24時間体制となっている施設がほとんどです。そのため、シフト体制を組んで対応をしています。多く見られるパターンとしては、早番・日勤・遅番の3交代制+夜勤というのがあります。夜勤は施設により異なりますが、平均して月4~6回程度のようです。これらのシフトは4週8休を考慮して組まれることが多くあります。
夜勤では1時間おきに各部屋を回る「巡視」や、排泄の介助・体位変換が必要な利用者にはそれぞれのサポートを行います。
特別養護老人ホームで働くために必要な資格は?
介護保険の制度上は、特別養護老人ホームで介護職に就くには資格を持っている必要はありません。そのため、無資格でも仕事をすることが可能です。ですが、ほとんどの施設では求人条件に「ホームヘルパー2級以上」や「介護福祉士」などの資格を求めているのが現状です。
中には無資格で勤務を始めて、勤務しながら資格を取ることを推奨している施設もありますので、興味がある方は無資格でも挑戦してみるのがいいでしょう。
特別養護老人ホームで働くのに向いている人は?
特別養護老人ホームに入所している方には「退所」や「自立」といった、大きな目標があるわけではありません。ですから、焦ることなくゆっくりと一人一人に向き合って、生活をサポートできるような方が向いていると言えるでしょう。
心を広く持って、高齢者に寄り添いながら関われる人が好まれます。また、高齢者と話をする機会も多くありますから、フレンドリーな雰囲気で話好きな方にもおすすめできる職場です。
施設の中には介護関係者だけでなく、医療関係者・栄養士や調理員など多くの職種の方々が一緒に勤めることになります。利用者とだけでなく、同じ施設で勤務する他の職種の方々や上司・同僚との連携をきちんと取れることも、重要な素質の一つとも言えるのではないでしょうか。