介護の悩み
2016年04月22日
利用者からの暴力・暴言が悩みの介護士も多い!対策・対応方法まとめ
介護士は、常に暴力の危険にさらされている
昨今、介護施設における介護スタッフの入居者への暴力がニュースや新聞といったメディアに取り沙汰されることが多くなりました。もちろん、高齢者という弱い立場の人間が介護を仕事とするいわばプロの人間によって殺される・虐待されるということは、あっていいはずがありません。しかし、このような事件が大々的にニュースになる一方で、誠実に日々介護をしているスタッフ側が入居者から暴力を受けている実状は、表に出ることはありません。
介護施設といっても、現代では様々な年代の入居者が介護の対象になっています。例えば、50代で脳梗塞・脳出血による脳血管疾患を起こした人や、アルツハイマー型認知症を発症した人の場合、体格・腕力ともに一般的な女性介護士よりは勝るのです。判断能力を欠く入居者から、暴言・暴力やセクハラを受けることなんて、実はしょっちゅうです。
ただし、お金を払って入所していることもありますし、本人が悪意を持って暴力をしているのではなく、「病気のせいで正常な判断ができない」ため、実際は介護士側が泣き寝入りをしていることがほとんどです。上司に相談したとしても、結局はうやむやにされてしまう・・・という人も多いのです。
騒いで大事にしたところで、入居費用を払っている限り、その入居者が罰せられたり強制退去されることはほぼありません。自宅で介護できているのならば、金銭的負担をしてまで施設には入れるはずがありません。つまりその人(入居者)は、すぐ次の施設が見つかるという幸運がない限り、施設を出されたら行く場がなくなるということになるのです。そうなると、家族としても黙ってはいません。そもそも、家族と言えるような責任をとってくれる人がいない場合も多々あります。施設としても、行き先もない人を放り出すことはできません。そんなわけで、騒いでも無駄・・・となってしまうのです。
入居者の暴力から、身を守ろう!
では、入居者による暴力に介護士は、どのように対応したらよいのでしょうか?まずは、以下の5つの方法をとってみましょう。
- その人の性格、怒り出すクセを把握する
- 数人のスタッフで訪室するか、男性スタッフと行動する
- 暴力を振るわれた場合は、時間や状況をしっかり記録しておく
- 身体的な危害が加わった場合、労災として医療機関を受診する
- 精神科医師の介入等、攻撃性を抑えるような治療を検討する
まず、暴力を防ぐ意味でも、その人の性格となりを把握し、怒り出しそうなケアをする時や苛立っている時は、1人で近寄らないこと。中には、男性スタッフが白衣(ケーシー)を着ているのを見るだけで、医師と勘違いして静かになる高齢者もいます。こういう「誤解」も上手に利用しましょう。
そして、もし暴力を実際に受けてしまった場合には、あとで報告できるようにメモし、介護記録や報告書として書面で残しましょう。これらは、医療機関を受診する際に勤務先に労災として認めさせるためにも必要です。これらの書類は、暴力が度重なって家族に退去や賠償責任を求める際にも必要となります。できることなら、写真に撮って証拠を残しておきましょう。
といっても、できるだけ介護士だってことを荒げたくはありませんよね?そうなると、やはり攻撃性を抑えるような治療薬を用いるということが、一番現実的かもしれません。しかし、認知症薬や認知症患者の攻撃性を抑える薬は、寝たきりになってしまったなど、様々な副作用があり、最近では使用が厳しくなりつつあります。その際に、これだけの危害を加えらて困っているのだと証明するためにも、暴力を受けた時の記録が重要になります。
まとめ
まだまだ入居者の権利が守られ、介護士が危険にさらされていることは多いです。あまりにも介護スタッフの対応が困難な入居者が多い、もしくはそれを上司に報告しても何の対処もしない・・・そのような場合は、転職も検討しましょう。確かに、病気のせいで暴力を振るってしまうのです。しかし、あなた自身を守ることは、入居者の権利を守ることと同様に大切なことなのです。