介護のハウツー
2017年01月17日
介護のフェイスシートってなに?アセスメントシートとの違いや書き方のポイント
病院で医療行為を受けるに当たってはカルテが作成され、様々な医療行為のたびにしつこいくらいに本人確認をされた経験を持つ人は多いことでしょう。介護サービスを受けるに当たっても介護利用者の様々な状態を記した書類が本人を知り、その人にとってどんな介護が必要なのかを知る上でもとても重要になります。そしてそれらの基本的な情報を記したものがフェイスシートやアセスメントシートと呼ばれる書類です。
フェイスシートの役割と記入方法
フェイスシートと言うのは利用者の氏名、年令、性別、家族構成、健康状態などの基本的な情報をまとめて記入する書類です。フェイスシートを見ればその利用者がどんな人かが一目でわかる情報がまとめて記載されているものです。
利用者の名前や生年月日などの個人を特定できる情報が記入されており、基本情報に加えて、その人の学暦や職歴、これまでどんな暮らしをしてきたのかといったことも記入されています。さらに様々なケアをする上で必要になる病歴や、服薬の状況、現在の主治医、既往症などを把握する上でも大切な書類になります。
通常は利用者本人の氏名や性別年令に加えて実施地域や記入日、そしてシートの作成者を記入します。次に家族構成についても同居の有無や既婚か未婚か、家族との連絡方法について、さらには居住状況について、持ち家か賃貸かといった情報も記入します。そして疾病や障害の有無、現在服用中の薬、アレルギーの有無など、受診している医療機関があればその情報も記入します。その他に生育暦や学歴、職歴ではさらに詳しく、これまでにパートや正社員などどんな状態で働いてきたのかといったことも記入するようになります。
アセスメントシートの役割と記入方法
一方アセスメントシートはその人のケアプランを作成する上で大切になる記録です。利用者がどんな家庭環境で生活してきたのか、生活を送るうえでどんな問題点があるのかを把握して記録するといったものです。フェイスシートが基本的な情報を記した書類であるのに対し、アセスメントシートはその情報や利用者本人や家族からの聞き取りによって得られた内容を基に文章を作成して記入する必要があります。
現状での問題とその原因等を分析し、一人でどこまで出来るか、利用者本人が拒否していたりすることはないかといったことに加え、介護サービスを受けることによって最終的にはどうなりたいと希望しているのか、そしてその目的を達成するためにはどんなケアが必要かということを書き記してゆくものです。利用者の持つ課題を分析し、本人や家族などの意見や要望を汲み取り、包括的なニーズを把握することの出来る書類にする事が求められます。そのためアセスメントシートの作成には手間と時間が必要になります。
フェイスシートとアセスメントシートの違いと関連性
フェイスシートはその人の名前や性別など、本人がどこの誰なのかを特定するための基本的な情報を記した書類であり、利用者がどんな人なのかを知るための情報が書かれたものです。それに対してアセスメントシートはそうした情報からどのようなケアプランが必要かを作成するために必要とされる情報収集と分析を記す書類の事で、ケアプランを作成するためには欠かすことのできない存在です。
フェイスシートは介護保険を受けるに当たっての利用者のプロフィールを記したもので、利用者本人のデータとして知っておくための書類です。アセスメントシートを作成する目的は利用者が今後どんなケアプランが最も適しているかを判断するための指標作りであり、基本的なデータだけでなくそのデータによって得られる情報を分析して文章を組み立ててゆく必要があります。
また、時には文章だけでなく簡単な図や表などにすることでよりわかりやすいアセスメントシートが出来上がります。そのためケアプランの作成に有効なアセスメントシートを作るためには利用者のニーズを的確に把握し、今後どうして行くことが本人や家族にとって最もベストなのかをきちんと判断して作成することが求められるものです。事業所によってはフェイスシートとアセスメントシートがひとつの様式にまとまったものを使用しているところもあるようです。