介護のハウツー
2016年08月12日
口腔ケアのコツが知りたい!介護士が押さえておきたい方法やポイント
介護士の業務の中に、口腔ケアという介助があります。口腔ケアは、介護を行う上でとても重要であると言われています。
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目次
口腔ケアはなぜ必要?
口腔ケアは、食べカスなどが残っていることで起こる虫歯を防ぐだけでなく、口腔内で細菌が繁殖することを防ぐことも目的となっています。口腔内が不衛生だと、口臭や炎症が起こりやすく、それに伴って体の不調につながってしまうこともあります。また、口腔ケアはこのような直接的なトラブルを防ぐだけにとどまりません。口は、「食べる」「話す」「噛む」というような、とても大切な機能を果たす部分です。この機能を向上させたり維持させることで、さまざまな効果を得ることが出来ます。
- 会話を楽しむ
- 食事を楽しむ
- 食事から栄養を補う
- 表情が豊かになる
- 咀嚼によって脳が刺激される
- 誤嚥を防ぐ
これらの効果は、人が健全に生きる上でとても重要なものです。口腔ケアを行うことで、利用者がより元気に健康に過ごすことをサポートできるのです。
口腔ケアの手順とポイント
自分で歯磨きができる人
自分で歯磨きができる利用者の場合、毎食後の歯磨きを促しましょう。義歯を使っている場合には、義歯も磨きます。歯だけでなく、舌の掃除もするように声をかけましょう。自分で磨くことが出来ても、認知症などで満足に歯磨きが出来ていない可能性がある利用者の場合、自身で歯磨きをした後仕上げ磨きを行います。
自分で歯磨きができる人への口腔ケアで重要なのは、自立支援の観点です。身の回りのことを自分自身でできるよう訓練していくことも、介護士のお仕事のひとつ。利用者自身が口腔ケアを意識するように導き、できる限り自分で歯磨きをしてもらいましょう。
自分で歯磨きができない人
自分で歯磨きが出来ない人には、最初から口腔ケアを介助していきます。うがいが出来ない利用者には、歯磨き粉を使わず水や液体歯磨きを使って歯磨きを行います。また、認知症の方の場合、歯磨きに使った水を飲み込んでしまう可能性もあるため、うがい薬を使わないようにしましょう。胃ろうなどで口から食事をしていない人でも、口腔内は細菌が繁殖しやすいため、口腔ケアをら必ずしましょう。誤嚥を防ぐために、ガーゼや歯ブラシの水分はよくきってからケアに入ります。
まず、義歯を外してから、マッサージをするように優しく磨いていきます。口腔内が乾いている人は、こまめにガーゼ等で濡らしながら磨いていきます。外した義歯にも汚れが付いている可能性があるため、毎回しっかりと磨きます。歯だけでなく、舌の掃除も行うようにしましょう。義歯は睡眠前に外し、つけ置き洗浄をして清潔にします。中には歯磨きが出来なくても、うがいはできるという人もいるため、自立支援のためにも声をかけてできる限り自分で行うよう促すことも大切です。
参考:認知症ってなに?
歯磨き以外の口腔ケアも大切
口腔ケアは、口腔内を清潔に保つための歯磨きだけではありません。口腔内の筋力を鍛えるための口腔体操や、唾液の分泌を促すための口腔内マッサージも重要です。
口腔体操
- (1)深呼吸
- (2)首を左右に1回ずつ回す
- (3)肩を上下させる
- (4)肩を前後に回す
- (5)その後口を大きく開けたりすぼめたりを10回繰り返す
- (6)口を横に広げて、舌を左右に動かす
- (7)舌を唇の内側にそって回す
- (8)咳払いをする
- (9)深呼吸
口腔内マッサージ
口腔内マッサージは、冷たい水で濡らしたガーゼを指にまいて、頬の内側を刺激したり、ヘッド部分が小さく毛先の柔らかい歯ブラシで優しくマッサージしたりする方法が主流です。このマッサージをすることで唾液の分泌を促し、口腔内の自浄作用を維持します。口腔ケアは、人が健康に過ごす上で欠かせないものです。利用者がより元気に健康に過ごすことをサポートするためにも、口腔ケアに力をいれましょう。