介護のハウツー
2016年05月07日
介護士と利用者のコミュニケーションのコツや話題、どんな風に会話すればいい?
介護をするにあたって、利用者との会話はとても大切なケアとなります。どんなに手厚いケアをしていても、会話もなく淡々と介護をしていては、本当の意味でのケアにはつながりません。会話をしてコミュニケーションをしながらケアをすることで、利用者の心身の健康の促進を図ることに繋がります。
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介護士と利用者がコミュニケーションをとるコツは?
利用者のペースに合わせた会話をしよう
利用者とコミュニケーションをとる際の一番のコツは、相手のペースに合わせた会話をすることです。利用者によっては、独特なペースで会話をされる人もいます。利用者が話をしているときには、会話をしようと意気込みすぎずに、落ち着いて話をさえぎらずに最後まできくようにしましょう。
シャイで口下手な利用者とのコミュニケーション
中には、どんなに話しかけてもなかなか会話をしたがらない利用者もいます。会話が弾まないと、こちらから声かけをすることをためらってしまう人もいるかもしれません。なかなか会話が弾まない利用者でも、会話をしたくないわけではなく、ひょっとしたら話をしたくても、恥ずかしくて会話ができない人なのかもしれません。その場合、「イエス」「ノー」で答えられる質問や、「AとB、どちらが好きか」などの簡単な返答で完結する質問を投げかけるようにすると良いでしょう。
このように、答えが限られている質問を、クローズドクエスチョンといいます。クローズドクエスチョンは、人見知りな利用者や、認知症などで判断力やコミュニケーション能力が衰えている利用者との会話の際に役に立ちます。人見知りな利用者の場合、このクローズドクエスチョンを繰り返していくことで、心を開いてもらうことができます。
答えにくい質問をされたときや、対応に困ったときの対処法
利用者とのコミュニケーションの中で、返答に困ることを言われてしまったり、対応に困ってしまったりすることもあると思います。そのような時には、オウム返しをして相槌をうつようにすると良いでしょう。たとえば、利用者が腹を立てており、自分に対してその怒りをぶつけてきた場合、相手の言った言葉をそのまま「○○なんですね」と返します。介護の世界では、利用者の気持ちに寄り添ったケアが大切になってきます。
介護士がわかってくれるということは、利用者にとって何よりの安心材料になります。このように、相手の言葉を繰り返すことで、相手の気持ちに寄り添っていることを伝えることができます。
利用者との会話でおすすめの話題
天候の話題
会話に困ったときは、まずは天候についての話題がおすすめです。「今日はいい天気ですね」「だいぶ暖かくなりましたね」など、今感じている天候についての話題をふることで、利用者との会話のきっかけをつくることができます。
年齢の話題
年齢や世代の話題についても、利用者との会話で盛り上がる話題のひとつです。利用者によっては、年齢を聞かれることを不快に感じる人もいるかもしれません。そんなときには、干支や星座・生まれた年号・いつからこの街に住んでいるか・結婚して何年たったかなど、率直に年齢を尋ねるのでなく遠まわしに年齢や世代の話題をふってみると良いでしょう。
「○○年ということは、今年は年女ですね」「50年前にこちらに引っ越してきたんですね」など、おおまかに年齢を知ることができるため、そこから会話の糸口を見つけることができるかもしれません。
出身地
利用者にとって、ふるさとは特別なものです。ふるさとの話題は、会話が弾む可能性が高いためおすすめです。「北海道出身なんですね。そろそろ雪が溶けてくる頃ですね」「今の時期だと、○○祭りが人気ですよね」など、ふるさとの楽しい出来事を思い出させるような会話をすると、相手からの会話を引き出すことに繋がります。
時事ネタ
ここ最近起こった事件や政治の話題など、時事ネタを振ることも良いでしょう。特に男性の利用者の場合、時事ネタを好む人が多いので、毎日新聞やニュースをチェックしておき、常に話題集めをしておくことをおすすめします。
まとめ
利用者とのコミュニケーションは、利用者の心と体の状態を知る材料にもなるため、介護には欠かせないものです。また、コミュニケーションをとることで、利用者のリフレッシュにもなります。健全な介護をすすめるためにも、会話によるコミュニケーションを大切にしましょう。