認知症の原因
2016年11月12日
認知症の原因疾患にはどんなものがある?アルツハイマーなど病気の種類や割合、順位
認知症とは、病気そのものの名前ではありません。認知する機能に問題が起こることで、一般的な生活が難しくなる病気の総称です。中でも一番有名なものが「アルツハイマー型認知症」です。この他にも、「レビー小体型認知症」や「ピック病」などがあります。
認知症の原因疾患について
認知症の原因疾患は大変多くあるのですが、その中でも一番多いとされているのが「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症は、認知症全体のおよそ6割を占めていると言われています。厚生労働省のデータによると、この病気は男性よりも女性に多く見られるとのこと。脳の神経細胞が減り、脳が委縮することで発症します。初期には、古い記憶はあっても新しいことがなかなか覚えられないなどの症状が見られます。また、幻覚や妄想が起こる方もいますし、抑うつが起こる場合もあります。性格が変わるような方も少なくありません。
最初の頃は、判断力が衰えたり、忘れっぽくなったように見えます。また、忘れ物が多くなったりお金の管理や支払いが苦手になることもあります。その後更に進行すると、今までできていた日常的なことが難しくなったり、暴力行為や妄想が現れるようになります。そして更に悪化すると、歩くことや食べることが難しくなったり、言語障害も見られるようになりコミュニケーションができなくなってきます。意識が無くなったり眠る時間が増える一方、体重は減る傾向にあります。また、皮ふ感染症が見られることもあります。
年齢を重ねると誰でも忘れやすくなってくるのですが、アルツハイマー型認知症になると、忘れているといった自覚も乏しくなってきます。また、多くは高齢者の方に見られるのですが、中にはまだ若い40代の方の中にも見られます。病気が進むスピードにも個人差があり、中には発症してからわずか数年で介護が必要となるような方もいます。
レビー小体型認知症やピック病
アルツハイマー型認知症の次に多く見られるのが、「レビー小体型認知症」や「ピック病」です。レビー小体型認知症には、アルツハイマー病やパーキンソン病の症状が見られ、女性よりも男性に多いとされています。幻聴や幻視が見られ、手が震えるといった症状が現れることも少なくありません。進行すると、妄想が悪化。運動機能も悪化するので、一人では日常生活が難しくなってきます。また、日によって体調の良し悪しがはっきりしています。今のところ、治療薬や治療方法はありません。レビー小体型認知症は、認知症全体のおよそ2割と言われています。
ピック病は、前頭側頭型認知症の一つです。その多くが、65歳未満で発症する若年性認知症であることも特徴。この病気になると、キツい性格人なったり反社会的行動を起こしてしまうこともあります。情緒が不安定となり、人の話しを聞くことができなくなったり、自分ばかり喋るようになったりすることもよくあります。しかしながら、他の認知症と異なり記憶についてはあまり失くすことがありません。
血管性認知症とは
血管性認知症は、脳梗塞やくも膜下出血など脳の病気の後遺症として現れるものです。糖尿病をはじめ、生活習慣病を患っている人に多く見られ、男女を比べると男性の方に多いとされています。血管性認知症の治療法はまだ登場していませんが、生活習慣病をきちんと治療することができれば進行を抑えることができますし、動脈硬化を予防することも認知症予防につながります。また血管性認知症は、場合によっては薬を用いることで進行を穏やかにすることも可能です。
その他の認知症について
「甲状腺機能低下症」の場合は、甲状腺ホルモンを補うことで改善が可能です。また、脳室に脳脊髄液が溜まることで発症する「正常圧水頭症」は手術にて治療が可能。頭蓋骨と脳の間に血の塊ができることで発症する、「慢性硬膜下血腫」も同様で、手術をすることで治療ができます。