介護の転職
2016年12月16日
転職?それとも独立?ケアマネージャーが独立して開業するメリット・デメリット
介護が必要な人のためにケアプランを作り、その人に合った介護サービスを利用できるように調整したり、介護保険を利用するための申請事務などを行うのがケアマネの主な仕事です。ケアマネの作るケアプランの内容によって要介護者の生活が大きく変わるため、その人の資質や力量が利用者の生活に与える影響が大きい、とても大切な仕事です。頻繁にある介護保険法の改正によるサービス内容の変化への対応など、ケアマネに求められる役割は実に様々で、その分ケアマネ自身が抱える悩みもさまざまです。
ケアマネが抱える悩み
良い介護サービスを受けるためには良いケアマネージャーからといわれるように、ケアマネージャーが手がけるケアプランは、利用者の介護生活に大きな影響を与えます。そのためより良いサービスを少しでも利用者の希望に沿った形で提供できるように知恵を絞って臨まなければならないのですが、ケアマネには介護保険にかかわる専門知識以外にも、利用者からの希望をしっかりと聞きだす能力や、介護に当たって様々な分野との調整を行うなどのマネジメント能力が必要とされます。利用者の代弁者としての立場も、サービス提供者側の立場もどちらからもアプローチする必要があり、それぞれの立場に立って様々な問題に向き合うことが求められます。
ケアマネの仕事は多岐にわたり、その範囲が拡大して仕事量が増え続けるあまり、本来の目的である利用者目線に立っての問題解決が難しいといったことはケアマネが仕事を続ける上での大きな悩みの1つだといわれています。勤務場所によっては様々な兼業が忙しく、本来のケアマネの業務の時間が取れない、賃金が安い、休日が取れないといった悩みを抱える人も少なくありません。
独立して開業することのメリットとデメリット
理想と現実とのギャップに悩みつつ、日々の仕事に忙殺される毎日を送る中で、ケアマネが独立して開業すると言う選択をすることもあります。独立して事業を開業すれば、自分の理想とするやり方が出来るという希望があるからこその選択ですが、独立することで自由に働ける度合いが高まるとしても当然ながらメリットもデメリットもあります。
まず独立するメリットとして考えられるのが、勤務する事業所の考えではなく、自分の思うように仕事が出来、利用者とサービス提供者の間で中立の立場として働きやすくなることが上げられます。収入面でも働いた分を天引きされることなくしっかりと受け取ることが出来るので、やりがいを持って仕事に取り組めるという点もメリットです。
ただし勤務していた頃とは異なり独立開業すればすべてを自分の責任で処理することが求められ、たとえば業務で困った問題が起こっても気軽に相談する相手が身近にはいないことになります。複数のケアマネが在籍して勤務していた頃とは異なり、もしも自分に健康面でのリスクが生じても簡単に休むことが出来ないのは言うまでもありません。
どんな仕事でも言えることですが、組織に属して働いていると窮屈で自分の理想とはかけ離れた仕事をすることも必要だったり、頑張って仕事をしても給料に反映されないといった不満を抱えがちです。でも独立すればそれらの悩みが簡単に全てを解決できるわけではなく、メリットばかりではなく同時に様々なデメリットもあることを理解する必要があります。
ケアマネは独立すれば収入も増えるのか?
独立することで確実に収入が増えるのかといえば、必ずしもそうだといえるものではありません。理想を追い求めるとはいえ、生活するためにきちんと収入が確保できなければせっかく独立しても仕事を続けることが出来なくなります。常に新規の利用者を獲得するために積極的に営業活動をする必要もあり、独立後、一定の期間は営業周りに徹して収入がほとんど見込めない可能性ももちろんあります。
そのため独立開業するなら、ある程度の期間は収入がなくても生活できるだけの資金の準備も必要です。自分の仕事に対する信念を貫きやすいのは独立することの大きな魅力ですが、ケアマネが独立することで飛躍的に収入が増えるというのは中々考えにくいと言えるかもしれません。