介護の基礎知識
2016年10月14日
訪問介護のサービスの範囲は?ヘルパーに出来ること出来ないことまとめ
年をとって体が思うように動かなくなってくれば身の回りの世話をしてくれる人が必要になります。そんなときに要介護認定を受けて認められれば介護保険の訪問介護サービスを受けることが出来ます。
これは訪問介護事業所のヘルパーが自宅まで出向いてくれて身体介護や生活援助といった身の回りの日常生活を手助けしてくれるというサービスです。ただし、あくまでも介護保険に定められた範囲でのサービス提供になります。
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訪問介護サービスを受けることのメリット
身体機能が衰えて、一人で身の回りの事をするのが難しくなると、自宅で生活を続けるのは、たとえ同居の親族がいたとしても簡単に出来ることではなくなります。
そんなときに全くなじみのない施設に入所するよりも、訪問介護サービスなら長年住み慣れた家でこれまでと同じように生活しながらヘルパーさんが定期的に訪れて利用者の身の回りの世話をしてくれるため、住み慣れた環境での生活を続けることができます。
ただし、人によっては家に知らない人が入ってくることを受け入れられないケースもあり、必ずしも誰にとっても訪問介護サービスを受けることがベストの選択にはならない場合もあります。
それでも在宅介護の負担を減らし、利用者がより快適に自宅で過ごすことが出来るようにするため、まずは自分の地域の担当のケアマネージャーに介護で困っている事を相談し、訪問介護サービスの利用を検討してもらうことからはじめます。
訪問介護で受けられるサービス
訪問介護で受けられるサービスには大きく分けて身体介護サービスと生活援助サービスの2種類に分類されます。身体介護サービスはヘルパーが利用者の体に直接触れて行うサービスで、入浴や排泄の補助、食事介助、外出時の介助などのほか重度の人のオムツ替えや体位交換などもこれに含まれます。
そして生活援助サービスのほうは利用者の日常生活の補助を行うサービスで、掃除や洗濯、食事の準備、配膳や下膳、寝具の交換や管理、買い物、薬の受け取りなどもこのサービスに含まれます。
以前は医療行為として医療職にしか許されなかった爪切りや体温測定、血圧測定、耳垢の除去、軟膏を塗ったりシップを貼ること、目薬をつけることや座薬を挿入することなど、そして人工肛門装着者の排泄物の廃棄なども現在は身体介護として受けることの出来るサービスに含まれるようになりました。
これらのサービスに加え、実際に受けられる内容はサービス提供事業者によって異なるので、どんなサービスを受けることが出来るのかは事前に事業者に問い合わせて、きちんと把握しておくようにします。
訪問したヘルパーに頼めることとサービスの対象外になること
訪問介護サービスはあくまでも要介護認定を受けている利用者本人だけを対象としたサービスだというのが原則です。
よく勘違いされるのが家政婦さんのような感覚で利用者以外の家族の分の食事作りや掃除や洗濯などもしてほしいというものですが、あくまでも利用者本人だけを対象としているので、同居家族の分の家事手伝いなどのサービスは受けることが出来ません。
そのほかにもよくあるのが飼っているペットの世話や庭の草取り、大掃除、窓拭きや床のワックスがけ、洗車、電気器具の修理なども内容としては利用者の日常生活の援助には該当しないため訪問介護サービスの対象外になります。
利用者やその家族の中にはお金を払っているのだからこちらの要望は何でも聞いてくれるものだと勘違いしている人もいるので、あくまでも介護保険で定められた範囲でのサービス提供であることを理解してもらう必要があります。
どうしてもそうしたサービスを希望するときには料金はかかりますが保険対象外サービスとして対応してもらえる場合もあるので、サービス提供事業者に相談してみるようにします。