介護の基礎知識
2016年05月13日
介護士に求められる技術に違いはある?施設介護と訪問介護の違い
施設介護と訪問介護、何がどう違う?
介護士の働く場は、大きく分けると2つ。1つは施設やデイサービスなどに、利用者・入居者側に来てもらうパターン。もう1つは、自宅へ介護士が訪問するパターン。前者を施設介護、後者を訪問介護と区別しています。さて、同じ介護の仕事であっても、施設介護と訪問介護では何がどう違うのでしょうか?両者の違いや、メリット・デメリットを上げていきましょう。
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施設介護
メリット
- 1人ではないので、技術の習得が可能
- 施設側のスケジュールに、利用者が合わせるので気が楽
- 自分1人ではない安心感がある
- 困った時には、ベテラン介護士や看護師に相談や応援を頼める
- 急な休みに対応しやすい
デメリット
- 施設職員内での人間関係がストレスになる
- 身体介護が多く、介護士の身体的負担が大きい
- 正規職員になるには、夜勤がセットになっていることが多い
- 自分1人ではないにせよ、たくさんの人を一斉に介護するので、時間に追われる
訪問介護
メリット
- 1人で行動できるので、気楽
- 移動や隙間時間が自由になる
- 施設内の他の職員との人間関係に悩むことがない
- 自宅から直行や現場からの直帰、週2日勤務など、自由度の高いことが多い
- 訪問中はその人だけに集中すればいい
- 身体介護が比較的少ないので、身体の負担がない
デメリット
- 介護士と家政婦の境界が曖昧で、小間使いのように扱われることがある
- その家のルールやマナーを読み取り、介護士側が合わせなくてはならない
- 女性介護士の場合、男性宅に一人で行くのは危険なこともある
- 介護技術が我流になってしまい、スキルアップが図りにくい
- 利用者と合わない場合、1対1になることは精神的負担が強い
- 自分で車の運転をして、時間に合わせて訪問しなくてはならない
- 予定が入っていると、急な休みに対応しにくい
- トラブルや判断に悩む場面でも、自分で対処しなくてはならない
いかがでしたか?施設介護・訪問介護の違いと、そのイメージがつかめたでしょうか?
若いうちは、施設介護でスキルを磨け!
施設介護・訪問介護のどちらがいいとか悪いとか、そういうものはありません。自分に合った方、小さい子供を抱えているという人は家事・育児とのバランスをとりやすい方を選べばいいと思います。
参考:託児所付きの介護施設に転職したい!育児中におすすめな求人の探し方
ただ、「どちらがいいか決められない・・・」「介護士としての経験が少ない」「社会人としての経験が少ない」という人は、まずは施設介護をお勧めします。まず施設介護をする上で、介護士として必要なスキルを学びましょう。移動介助や入浴介助・食事介助など、介護士=プロとして行うのですから、それなりの知識や技術が必要です。
また、最近の20~30代の人は、コミュニケーションを苦手とする人が多いようです。まずは施設介護をすることでたくさんの人に接して、年代や性別・性格に応じてどのような声掛けや会話をすると円滑なコミュニケーションを築けるか、学びましょう。
訪問介護はどうしても家族・家政婦から派生してヘルパー→介護士と、介入する職種が変遷してきたという背景があります。そのため利用者や家族はどうしても、家政婦的な家事一般の雑用と介護を混合しがち。ある程度フレキシブルな対応をすることは必要ですし、そうすることで利用者との信頼関係が築けるということもあります。
しかし、私達は介護士として自宅を訪問します。時間的な制約だってあります。いずれ訪問介護を・・・と視野に入れている人は、まずは施設介護をしてスキルを磨くと同時に、トラブルを起こしたときの対処の仕方や、訪問介護だけでなく介護・福祉全般に関わる法律や制度のことも勉強しておきましょう。そして、ある程度の知識やスキルが身についたところで、本当に訪問介護がしたいのか、そのまま施設介護に従事するのかを決めればよいと思います。
介護を問わず、在宅ワークやフリーランスというのは、自由がきいていて憧れる側面もあります。しかし、その分個人に責任がかかることや、自己管理能力が必要となることを理解しておく必要があります。訪問介護と施設介護、その違いをおわかりいただけたでしょうか?あなたは、どちらに魅力を感じたでしょうか?