1. HOME
  2. 介護求人サイト比較介護の基礎知識ヘルパー・ホームヘルパーができる医療行為はどこまで規制されてるの?

介護の基礎知識

2016年04月14日

ヘルパー・ホームヘルパーができる医療行為はどこまで規制されてるの?

ヘルパー・ホームヘルパーができる医療行為はどこまで規制されてるの?

ヘルパーは、自力で生活できない人を助ける仕事です。しかし、どんなに生活には欠かせない行為であっても、ヘルパー・ホームヘルパー(訪問介護)には禁止されている介助がたくさんありました。それは、主に医療行為と呼ばれるものです。ヘルパーには任せることができない行為が多いために、家族の負担もなかなか減らないという現実もありました。しかし、近年、ヘルパーが携わることができる行為の幅がひろがりつつあります。

ヘルパーができる行為とは?

ヘルパーができる行為とは、医療行為でない行為のみとされています。医療行為とは、道具を使ってケアをする行為のことを言います。体温を測る・爪を切る・ひげをそる・ケガの手当てなど、清潔に健全に日常を送る上では当たり前に行われてきた行為や介護には欠かせない行為ですら禁止されているため、それが介護の幅を狭めていました。

ヘルパーが医療行為を行ってしまうと、医師法や歯科医師法、保健師助産師看護師法といった法律に触れてしまいます。しかしそれを理解していない利用者も多いと思いますので場合によっては「どうしてもとお願いされて行ってしまったが事業者に報告できない」といったケースもあったのではないでしょうか。このようにこれまではできない行為が多く、ヘルパーにとって思うように介護をすることができない部分がありましたが、平成17年にこの規制が緩和され、ヘルパーができる仕事が増えました。

  • 水銀体温計・電子体温計による腋下の体温測定、耳式電子体温計による外耳道での体温測定
  • 自動血圧測定器による血圧測定
  • 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について専門的な判断や技術を必要としない処置(汚物で汚れたガーゼの交換を含む)
  • 軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)
  • 湿布の貼付
  • 点眼薬の点眼
  • 一包化された内服薬内服(舌下錠の使用も含む)
  • 座薬の挿入
  • 鼻腔粘膜への薬剤噴射の介助
  • 新生児以外で入院治療の不要な者へのパルスオキシメータ装着

これまでは、これらのような医療行為かどうか法律的にもグレーゾーンだった行為ですらも、行うことを禁止されていました。平成17年からはこれらのグレーゾーンの行為もヘルパーが行っても良い行為として正式に認められ、よりヘルパーが介護しやすくなってきました。

医療行為の緩和

法律的に医療行為とされる以下の行為についても、ヘルパーが行っても良い行為として許可されました。これまでは医師や看護師の資格がないとできなかったことも許可されたことは、利用者やその家族にとっては大きなメリットかもしれませんね。

  • 爪切り、爪やすりによるやすりがけ(爪と周囲に異常がなく、かつ糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合)
  • 歯ブラシや綿棒などによる歯、口腔粘膜、舌に付着した汚れの除去
  • 耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)
  • ストーマ装着のパウチにたまった排泄物の廃棄(ストーマ及びその周辺の状態が安定している場合等、専門的な管理が必要とされない場合には、肌に装着したパウチの取り替えも可)
  • 自己導尿の補助としてのカテーテルの準備、体位の保持
  • 市販の使い捨て浣腸器を用いた浣腸

これらの行為は、医療行為であっても、家族であれば誰でも普通に行っている行為ですが、今までは医療行為であるが故にヘルパーが携わることは許されていませんでした。しかし、ケアプランの中で、衛生面や整容面で必要であるとされていれば、ヘルパーでも行うことができるようになりました。

さらに、平成24年からは、介護保険制度の改正によって指定研修を受けた介護職員や実地研修を修了した介護職員に限り、たんの吸引や経管栄養のケアもできるようになりました。病気を患っても自宅で過ごしたい人にとって、これらのケアができるようになることはとても嬉しいことといえます。

在宅医療をしている家族にとっても、これらのケアがヘルパーに任せることができるようになることは、自分の負担を軽減することができる材料にもなります。医療行為が緩和されることで、介護をされる側はもちろんその家族にとっても、より快適にケアを受けることができるようになります。

また、在宅医療の現場では介護士であるヘルパーと訪問看護師の連携が必要になってきます。ヘルパーにいくつかの医療行為が許されることによって、ヘルパー自身「やりたいけどできない」という状況が少なくなりますし、看護職員側も適切なタイミングで適切な処置をしてもらえますから、より良いケアができるはずです。

まとめ

これから高齢化がさらに進むと、在宅でこれらのケアが必要な重度の要介護者が増えてくると考えられます。また、今後新たな介護サービスが登場しこういったケアの必要性がもっと高まるかもしれません。そうなったときに、ヘルパーのできる仕事の幅が増えることで、介護の可能性がもっと広がるといえます。

➝ 複数の転職サイト登録で94%が「給料アップ」に成功!