介護のハウツー
2016年10月06日
注目の介護予防ケアマネジメントとは?ケアマネージャーが押さえたい業務内容
加速化する高齢社会において、要介護者の増加は、介護士不足などと同様に懸念される問題として数えられています。そこで、高齢者の要介護状態を防いでいこうと始まったのが、「介護予防ケアマネジメント」事業です。
今回は、この「介護予防ケアマネジメント」の紹介と、それにおけるケアマネジャーの役割などについてご説明したいと思います。
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目次
- 1 介護予防ケアマネジメント事業の目的と事業内容
- 2
事業の対象者と介護予防についての内容
- 2.1
要支援1・2 ~予防給付~
- 2.1.1 主な介護保険予防サービス
- 2.2 特定高齢者 ~介護予防~
- 2.3
一般高齢者 ~介護予防~
- 2.3.1 主な介護予防事業
- 2.1
要支援1・2 ~予防給付~
- 3
ケアマネジャー必見!介護予防ケアマネジメントの進め方
- 3.1 ①利用手続き
- 3.2 ②アセスメント
- 3.3 ③ケアプランの原案作成
- 3.4 ④サービス代表者会議
- 3.5 ⑤ケアプランの同意・交付
- 3.6 ⑥サービス開始
- 3.7 ⑦モニタリング
- 4 さらにすすめたい介護予防
介護予防ケアマネジメント事業の目的と事業内容
介護予防ケアマネジメントの主な目的は、
- 要介護状態を防ぐ
- 要支援や要介護と認定されても、その状態をこれ以上悪化させないようにする
この2点です。
地域包括支援センターに所属する、
- 保健師
- 社会福祉士
- 主任ケアマネジャー
が連携を行い、介護予防ケアマネジメントの方針に沿った「介護予防プラン」を作成していきます。
事業の対象者と介護予防についての内容
介護予防ケアマネジメント事業における対象者は、以下のとおりです。併せて、対象者ごとの介護予防についての内容もご紹介します。
要支援1・2 ~予防給付~
要介護となることを防ぐことができるよう、機能維持、又は改善を目指していきます。要介護者と同様に介護保険サービスの給付対象となりますので、ケアプランに、適切な「介護保険予防サービス」を組み込むことで、介護予防を促していきます。
主な介護保険予防サービス
- 介護予防通所介護
- 介護予防通所リハビリテーション
- 介護予防訪問介護
- 介護予防訪問看護
- 介護予防福祉用具貸与
- 介護予防短期入所生活介護
- 介護予防短期入所療養介護 など
特定高齢者 ~介護予防~
特定高齢者とは、要支援又は要介護の状態となるおそれのある高齢者を指します。日常生活を送る上での機能低下の早期発見や予防・改善、また地域の介護予防事業への利用を支援していきます。
一般高齢者 ~介護予防~
現在も活動が活発である高齢者を含め、全ての高齢者を対象に介護予防を実践していきます。介護予防についての情報開示や、関連機関への橋渡しなどの支援が主な内容です。
主な介護予防事業
- 運動機能の維持・改善(転倒予防教室など)
- 栄養状態の改善(管理栄養士による栄養教室など)
- 口腔機能の改善(歯科衛生士による指導など)
- 外出機会を増やすためのレクリエーション
- 生活支援(安否確認・家事・配食・住宅改修支援など)
など、市区町村にて取り組みはさまざまなものとなっています。
ケアマネジャー必見!介護予防ケアマネジメントの進め方
要支援者対象の予防給付、または特定高齢者・一般高齢者対象の介護予防など、プラン内容により簡略化することも可能ですが、介護予防ケアマネジメントは以下の手順となっています。
①利用手続き
運営規定などの説明を行い、同意を得た後、ケアマネジメント開始となります。
②アセスメント
利用者宅を訪問し、生活状態などのチェックを行います。また、利用者や家族から、受けたいサービスや、改善したい生活動作なども聞き出していきます。
③ケアプランの原案作成
後に行うサービス代表者会議に向け、②の内容をふまえたケアプランの原案を作成します。
④サービス代表者会議
関係するサービス機関の担当者を招き、ケアプラン決定に向けた話し合いを行います。
(省略の場合あり)
⑤ケアプランの同意・交付
利用者とその家族から同意を得ることができたら、利用者そして関係するサービス機関にケアプランの交付を行います。
⑥サービス開始
サービス機関による介護予防サービスの提供が開始されます。
⑦モニタリング
サービス利用開始より一定期間経過後、状況把握のため関係各所への聞き出しを行い、サービス内容に変化が必要か、などを判断していきます。これはその後も定期的に実施していきます。(利用者によるセルフマネジメントの場合は、省略)
さらにすすめたい介護予防
介護予防に向けた取り組みは、地域包括支援センターの運営や、この介護予防ケアマネジメント事業にあるように、地域ごとにより活発な活動が進められています。
そこでのケアマネジャーの役割というのは、各介護予防サービスの紹介や橋渡しなど、介護予防への歩みを支援していくことが第一となります。
介護のスペシャリストといっても過言ではないケアマネジャーは、その知識と実績を存分に活かして利用者と寄り添い、利用者を第一に考えたケアマネジメントを担っていってほしいと考えます。