介護のハウツー
2016年08月01日
介護のアセスメントとは?ケアプランの作成への重要性とポイントや注意点
介護支援専門員の重要な業務の一つとして、利用者一人一人のケアプラン作成があります。そのケアプランを作成するにあたり、基となり、事前に必要となってくるのが利用者のアセスメントです。今回は、アセスメントに関して大切なチェックポイントや、注意したい点などについてご紹介していきます。
目次
- 1 介護におけるアセスメントって?
- 2
アセスメントでチェックしたいポイントと注意点
- 2.1 生活のようす
- 2.2 身体状態
- 2.3 日常生活動作(ADL)
- 2.4 手段的日常生活動作(IADL)
- 2.5 利用者、家族それぞれの要望
- 3 アセスメントで最も重要なこととは?
介護におけるアセスメントって?
アセスメントを直訳すると、「事前評価」「査定」などの意味を持っています。介護においては、利用者の心身の状態や家庭環境、利用者と家族の要望などをふまえ、どのような介護サービスが適しているのか、明確にしていくことをいいます。例えば同じ介護度でも、それらの状態に応じ、ケアプランも十人十色となります。アセスメントで課題を明らかにしていくことで、ケアプラン作成もスムーズに行うことができるのです。アセスメントには、市区町村などが発行する様式の「アセスメントシート」があり、そちらに沿って記入をしていくことになっています。
アセスメントでチェックしたいポイントと注意点
生活のようす
在宅介護、入所介護に関わらず、利用者がどのような生活環境であるのか明らかにする必要があります。自宅は一戸建て又は集合住宅で、何階で過ごしているのか、またバリアフリーの状況なども必要なチェック項目です。家族構成を知ることも大切で、独居の場合もあります。同居家族が居ても、在宅介護での状況を知る必要があります。また多くの様式には「一日のようす」を記入する箇所があり、起床、食事、就寝時間の他、一日どのようにして過ごしているのかなどを、こちらに記していきましょう。
身体状態
利用者の身体のようすも、大事な項目です。麻痺がある場合はどちらの部位か、足腰の状態(歩行状況)、傷みの有無、褥瘡の有無などを記入しましょう。意思疎通ができているのかも、大切なチェックポイントです。認知症の診断についても確認しましょう。
日常生活動作(ADL)
日常に必要な動作が自立にて可能なのか、一つ一つ確認していきます。食事、排せつ、着替え、身支度、移動などがそれに当たり、自立、半介助、全介助というように、どれだけのことがどれだけできるのか、細かくチェックしていきましょう。そこで大事なことは、できることはなるべく利用者自身で行っていくよう、支援していくことです。できることなのに拒否している、という場合もありますので、利用者本人だけではなく、家族にもよく確認していきましょう。
手段的日常生活動作(IADL)
こちらも普段日常で行う動作の分類で、薬の服用、食事の支度、電話をかける、金銭管理、乗り物への乗車などの動作を指しています。利用者自身でできているのか、できないのか、家族がさせないようにしているのか、などをチェックしていきましょう。
利用者、家族それぞれの要望
ケアプラン作成では、具体的な介護サービスの内容を記入していきますので、事前に作成するアセスメントでは、利用者、家族双方の希望などを明記していく必要があります。どの動作の自立を目指すか、また在宅サービスや通所サービスを、どのペースで利用していきたいか、など、細かくリサーチしましょう。家族に関しても、主介護者のみならず、他の家族からの要望も確認するようにしていきましょう。
アセスメントで最も重要なこととは?
アセスメントやケアプラン作成について大切なのが、利用者の生活の維持、向上を目指すものにしていきたい、という点です。自立を目標と出来る場合はそれに通じるサービスを提案するなど、利用者それぞれに適した介護支援が重要となります。介護を要する方が、それぞれ必要としているサービスはまさに千差万別です。不適切なケアプランとならないようにするためにも、事前のアセスメントは、とても重要となってくるのです。