介護の基礎知識
2017年03月02日
要介護認定の区分や手続きの手順って?介護士なら知っておきたい要介護認定とは
今や世界一の長寿国となった日本では高齢化に伴って介護を必要とする高齢者が増加することを見据え、それまで家族などが金銭的にも労働的にも全て担ってきた介護と言う仕事を社会全体で支えてゆこうとするために介護保険制度が出来ました。介護保険制度の利用に当たっては、まず最初に要介護認定を受ける必要があります。
介護を必要とする高齢者がどの程度の介護が必要かを判断するために要介護認定基準が設けられました。これによって高齢者が介護が必要になった場合には、その人の程度に応じた介護サービスを受けることが出来、それに伴って介護サービス給付額を決めることとなります。そしてそのための全国で一律の基準となるのが要介護認定基準です。
要介護認定を受けることの目的は?
今後ますます日本の少子高齢化が進むことを考えれば、これから先もさらに介護に対する需要が増えてゆき、介護を社会全体で支えるためには政策として介護保険の内容を常に時代にあった継続可能なものとすることが必要です。そのために現在介護保険の内容を定期的に見直すことが行われています。
介護の必要な高齢者といってもその人の体の状態や環境などは人によって全く異なります。介護に対する考え方にも地域差があることも珍しくありません。そのため全国一律で客観的にかつ公平な判断を行い介護サービスの提供や給付額を決めるために設けられたのが要介護認定基準です。介護サービスの必要度を公平に判断するため2段階の判定を行い、判定結果に基づいてその人の介護度を決定するという仕組みです。
要介護度と介護保険の関係
要介護認定基準は最も軽度な要支援1から要支援2、要介護1から最も重度な要介護5まで7段階に分かれています。要介護の認定を受けると、介護サービスの費用の1割の自己負担でサービスを利用することが出来ます。要介護度の種類によって介護保険を使って受けられるサービスが変わってくるため、介護度が重度になるほど受けられる介護サービスの種類も多くなります。さらに利用できる介護サービスの支給限度額も要介護度別に定められているので、限度内であれば基本的に1割の自己負担で利用することが出来るのですが、限度額を超えた利用に関しては利用料は原則全て自己負担となります。
要介護度が高ければ高いほど支給限度額も比例して高くなります。公的な介護保険は40歳以上の人は自動的に加入が義務付けられており、必ず保険料を支払わなければなりません。判定された要介護度に伴って受けられるサービスや給付額が変わってくるのが公的な介護保険の特徴ですが、近年では保険会社が民間介護保険にも力を入れており、こちらは保険会社やプランによって内容が全く異なります。
要介護認定までの手続きと大まかな流れ
公的な介護保険のサービスを活用するためにはまずは住所地の市町村に申請書を提出することから始めます。申請書の提出を受けた市町村では市町村職員やケアマネージャーが自宅や施設などに出向いて聞き取り調査などが行われ、その調査が終了するとコンピューターを使用した一次判定にかけられます。その結果を基に学識経験者らで構成される介護審査会によって二次判定を受けるという2段階の審査を行うことになります。
そして審査が終了したら申請を受けてから30日以内に市町村から要介護の認定結果を記した通知が届くという流れになります。ただし、審査の結果申請が却下されるなど希望とは違う結果になることもあります。介護度が変更になると受けられるサービスの種類や回数、費用などが変わってくるため事前に介護サービスの担当者であるケアマネージャーなどとよく相談しておくことが大切です。