介護の基礎知識
2016年11月07日
ケアプランとは?介護士も知っておきたい介護サービス計画書の種類や考え方
介護士が高齢者の介護を行うにあたっては必ずケアマネージャーが作成するケアプランに添ったサービスを提供する必要があります。それは施設に入居する場合でも在宅で介護サービスを受ける場合でも、介護保険制度に基づくサービスを受けるためには全てがケアプランに添って介護サービスが組み立てられるのが基本です。
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ケアマネージャーの大切な仕事、ケアプランの作成
ケアマネージャーが利用者一人一人にあった介護の計画を立てるもの、それがケアプランです。ケアマネージャーが作るケアプランというのは、利用者それぞれで違う現状にあわせて本人や家族の希望に添った介護を受けられるようにする、いわば介護の設計書のようなものです。
一人一人の状態に合わせて効率的で有効性の高いサービスを利用できるように計画を立てるのがその目的です。そしてケアプランは要介護度に応じてサービス利用料の管理を行い、介護保険で利用できるサービスを利用者本人が1割負担で給付を受けるために必要とされる書式でもあります。
よいケアプランとはどんなもの?
ケアマネージャーがケアプランを作成し、その計画書に添って介護士が介護を行っていくことが介護保険の基本です。直接利用者と接する介護士が、独自に必要そうだからと言って計画に記載されていない介護サービスを提供することはありません。
在宅でも施設入所であってもその基本は同じで、どんな種類の介護サービスであってもケアプランの中に記載されているものを提供することになります。そのため、ケアプランの作成に当たっては利用者本人や家族がどんな介護を受けることを望んでいるかということをきちんと把握することが求められます。
よいケアプランと言うのは、利用者や家族のニーズに沿った内容であると共に、その人が今後どうなるためにどんな介護を受けたいかと言うことを希望や課題などを把握しながら最も効率よく適切な介護サービスを受けられるように組み立てられたものです。
ケアプランは基本的には利用者本人のためのもの
在宅で介護をすることというのは、体の自由の利かなくなった本人にとってはもちろんストレスのかかることだし、生活の中であらゆる手助けをしなければならない家族にとってはとても大きな負担になりがちです。
要介護度がたとえ同じであっても、その人にとって本当に必要な介護の内容と言うのは必ずしも誰もが同じではありません。認知症や体に何らかの病気を抱えているなど、利用者本人の事情は人によって全く異なります。
ケアプランはあくまでも利用者本人の希望に添って、目標を達成するために作るものです。もちろん介護の担い手である家族の意見も同時に聞き取り、この家庭とってどんな点が問題になっていて、どのような介護を望んでいるのかをケアマネージャーは的確に把握することが求められます。
たとえば誰もが出来ることなら在宅ですごすことを望んでいたとしても、必ずしも本人のそうした希望を無理にかなえることが最善だとは限りません。
本人さえ気づかないニーズを見出すことの大切さ
ケアマネージャーが利用者本人や家族との面接を行う中で、利用者本人が口にする希望がそのまま介護に対するニーズだと思い込んでしまいがちですが、利用者の中には自分の少ない知識の中でしかニーズを口に出来ないことが少なくありません。
たとえばデイサービスは自分にとっては内容が幼稚すぎて物足りないから嫌だといった先入観があっても、リハビリを中心としたデイサービスを受けることを提案すれば希望に添ったケアプランを作れる場合もあります。
本人が気づいていないニーズを様々な角度から分析して、本人がいかに受け入れやすい提案にするかということがとても大切なポイントになります。