介護福祉士実務者研修 資格・通信講座

より幅広い介護サービスを提供するための資格・介護福祉士実務者研修

将来性は？どんなメリットがある？

介護福祉士実務者研修の将来性やメリットについてご紹介します。

① 介護福祉士試験における実技試験の免除

国家資格である介護福祉士の試験を受けるためには、介護の実務経験が3年以上あることのほかに、この介護福祉士実務者研修を修了していることが条件となっています。また、この研修を修了している人は難関と言われる介護福祉士国家試験の実技試験が免除されます。将来的に介護福祉士を目指している方は資格試験の負担をなくためにも、早めに受講しておきたい研修です。

② 介護事業に欠かせないサービス提供責任者として登録できる

最近増えている訪問介護事業を行う事業者は、介護サービスの「サービス提供責任者」を配置する必要があります。介護福祉士実務者研修を修了した人はサービス提供責任者として登録できます。サービス提供責任者がいないと事業所が受け取る介護報酬が減額されていしまうため、この研修を受講しておくことで就職や転職にも有利になります。

高齢化が進み、介護の仕事が増える中で、資格の取得は他の労働者との差別化につながります。今後は介護福祉士のさらなる上位資格として介護福祉士のリーダーとも言える「認定介護福祉士（仮称）」の資格が設定される予定となっています。介護業界でキャリアアップを目指すなら、介護福祉士試験の受験資格である介護福祉士実務者研修を早い時期に受講しておくべきでしょう。ちなみに現時点で介護福祉士実務研修に関しては更新期間等が設定されていませんので、長く使える資格という点はメリットですね。

介護福祉士実務者研修実施の背景とは

介護福祉士実務者研修の受講時間は450時間と他の介護講座に比べてかなり長めになっています。しかし、この研修の設置が検討されはじめたころは600時間の受講が予定されていました。この研修の先にある介護福祉士の国家資格を取得するためには介護の実務経験が欠かせません。これは介護福祉士実務者研修を受講する人の多くが働きながら受講しているということを意味しています。

働きながら600時間の研修を受講しなければならないと考えると、ハードルが高すぎて介護福祉士の資格取得を目指す人自体が減ってしまう可能性があります。これでは、介護の質を上げようとする本来の目的を達成することはできません。介護の現場ではたらく人たちの意欲を減退させないためにも、

• 通信で勉強できるようにする
• 地域の身近な場所で研修を受講できるようにする
• 数年かけて研修を終えていくことを可能にする
• 時間数を450時間に減らす

といった研修受講への負担軽減が考慮されたのが現在の介護福祉士実務者研修なのです。

受験および受講の資格と方法・合格率など

受講の資格や条件は特にありません。受講時間が450時間というのは無資格で介護福祉士実務者研修を受講しようとした場合の時間数で、テキスト授業と実践授業が必要となります。しかし、実際には持っている資格によって以下の通り必要な授業時間が変化します。

• 介護職員初任者研修の修了者・ホームヘルパー2級修了者　320時間
• ホームヘルパー1級修了者　95時間
• 介護職員基礎研修修了者　50時間

受講期間は約半年程度です。また、受講数が減った分、当然、受講費用も安くなります。各事業者ごとに割引制度を用意していることも多いので通信講座やスクールを選ぶときは自分が持っている資格によって受講料金がいくらになるか詳しくチェックするようにしましょう。また他の資格を取得した際に利用した通信講座やスクールを利用することで受講経験割引を用意しているところもあるので、心当たりがある人は確認してみてくださいね。講座開講事業者によって学習コースもさまざまですから、自分により合ったスタイルを選ぶといいと思います。

カリキュラムと時間数

介護福祉士実務者研修のカリキュラムと時間数は以下の通りです。

• 人間の尊厳と自立　5時間
• 社会の理解Ⅰ・Ⅱ　それぞれ5時間・30時間
• 介護の基本Ⅰ・Ⅱ　それぞれ10時間・20時間
• コミニュケーション技術　20時間
• 生活支援技術Ⅰ・Ⅱ　それぞれ20時間・30時間
• 介護過程Ⅰ・Ⅱ　それぞれ20時間・25時間
• 介護過Ⅲ　45時間（スクーリング）
• 発達と老化の理解Ⅰ・Ⅱ　それぞれ10時間・20時間
• 認知症の理解Ⅰ・Ⅱ　それぞれ10時間・20時間
• 障害の理解Ⅰ・Ⅱ　それぞれ10時間・20時間
• 心と体のしくみⅠ・Ⅱ　それぞれ20時間・60時間
• 医療的ケア（たん吸引など）　50時間と演習

インターネットで「介護福祉士実務者研修　講座一覧」などで調べてみると全国さまざまな事業者が出てくるので、受講する際は利用しやすいところを選んでくださいね。夜間開講や土日開講講座もあるので、希望があれば探してみてください。