調理師
調理に関するスペシャリスト・調理師免許
調理のエキスパートとして活躍の場所が広い調理師、一般的にはレストランや料亭、ホテルの宴会場など外食産業のイメージが強い資格だと思います。しかし、実際にはありとあらゆる「食」に関わる職場では、持っているだけでメリットが大きい資格と言えます。専門学校などを利用して取得するだけでなく、働きながら資格取得に進む人が多いのも特徴の一つです。
調理師の資格のメリット
調理師の資格を持つことで、「調理技術の向上」や「食に関する広い知識の習得」なども挙げられます。しかし、調理師免状を持つことの最大のメリットは、なんといっても「賃金のアップが望める」ことではないでしょうか？
病院や外食産業の現場は求人が多く、業界としても入れ替わりが激しいことから、求人誌などを見るといつでも「調理補助募集」と言った求人広告がたくさん掲載されています。一般の主婦や、外食系のアルバイト経験があれば、誰でも簡単な調理ならばできる徒思います。しかし、「調理ができる」というだけでは、技量を証明することができず、サラリーアップには直結しません。そこで、調理師免状を持っている有資格者、となると「資格手当」などの名目で給料が上がる可能性が出てきます。調理師免状を持っていれば、一定以上の技量があることが自動的に証明されるので、就職・転職にも有利になります。外食産業などでは食品衛生責任者にもなれるメリットがあります。
病院や介護関連施設の場合では、調理師の資格に加えて「介護食士」などの、より専門性の高い資格を合わせて取得することで、より、専門的な調理を担当することや、専門性が高い職場で働くことができるようになります。近年では高齢者の嚥下障害に対応できる調理師や、摂食障害が症状として現れやすい精神病、心療内科、障害から起こる味覚過敏など、調理師の活躍できる場面はどんどん広がっています。学校給食や、食品加工などの調理現場で、最近注目されているのが「アレルギー対応」です。調理師免許を取得する過程で、アレルギーに関してもしっかり学ぶことができます。
調理師の資格を取るには？
調理師免許は国家資格ですが、取得する方法が無試験で取れる方法と、調理師免許試験を受験する方法の2つがあります。
無試験で資格取得する場合は、厚生労働大臣が指定する養成所で全課程（昼間部で1年間、夜間部では1年半）を修了することで、取得できます。指定養成所を利用しないで一般の高校以上の学校を卒業後、調理師免許国家試験を受ける方法もあります。この方法では、受験資格をクリアしていることが前提となります。
受験資格は、中学校卒業以上の学歴に加えて、
- 学校、病院、寮など継続して1日20食以上、または1日50食以上を調理する施設
- 飲食店、旅館、簡易宿泊所のいずれかの施設
- 惣菜製造業、魚介類販売業
以上のいずれかに該当する職場での、調理の実務経験2年以上が必要になります。
試験は全国の４７都道府県で実施されていて、日程は各県ごとに異なります。そのため、隣県との掛け持ち受験などで、年間に2回以上の受験をすることもできます。調理師免許には定員がありません。そのため一定以上の点数を取れれば合格でき、比較的取りやすい資格と言えます。全体で60％以上、各試験分野ごとに平均点を下回らなければ合格ラインと考えられています。試験は4者択一で記述問題はありません。ただし実施は都道府県単位で差異がある点、注意が必要です。
調理師 資格取得者の声
2件の口コミ評判が見つかりました。
お年寄りのための食事、というのは全く知らなかった世界でしたが、職場の雰囲気がとても良かったので自分に向いていたと思います。レストランなどと違って、接客に関わる部分があまりないのも助かりました。調理師として3年間勤務した後に、介護食士の資格も取り、本格的に高齢者のための食事作りに頑張っています。
（24歳：男性 高齢者介護施設勤務）
今の仕事は、学校の規模が割と小さ目なので、ホテルの厨房よりは働きやすいです。今は食育など食べることに関する教育も熱心になって、その意味でもやりがいがありますね。衛生管理などの面ではとても厳しく、大変なところもありますが、良い先輩・同僚に恵まれて長く続けることができています。
（32歳：女性 小学校給食室勤務）
