認知症の対応
2017年06月19日
認知症の幻聴・幻覚への対応方法!幻視や錯覚などの症状の原因や介護の対応
認知症では幻聴、幻覚や錯覚といった症状が表れることもあります。何が原因で幻覚などが表れるのでしょうか。また、どのように対応すればよいのでしょうか。
目次
- 1 幻視や錯覚の意味
- 2 幻視や錯覚などの症状の原因
- 3
対応方法
- 3.1 否定しない
- 3.2 安心させる
- 3.3 興奮しているときには落ち着かせることを優先する
- 3.4 落ち着いたら話を聞いて体調チェック
- 4
幻覚・錯覚を起こさない工夫を
- 4.1 見間違わない工夫をする
- 4.2 部屋を明るく・見通しを良くする
- 4.3 気分転換をしてもらう
幻視や錯覚の意味
認知症で幻覚を訴える人が非常に多いのですが、幻覚とは「実際にないものを感じること」です。五感全てに見られるもので、幻聴や幻視、幻触などに分けられます。実際にそこにないものが見えることを幻覚と言い、実際にあるものを別のものと見間違う(錯視)、聞き間違える(錯聴)ことを錯覚と言います。
これらは認知症でなくても起こりますが、認知症になると頻回になり、錯覚だとは思えない程ハッキリと見えたり聞こえたりするようになるため確信となってしまいます。
幻視や錯覚などの症状の原因
目が悪かったり耳が聞こえにくいと、認知症でなくても見間違いや聞き間違いは起こりやすくなります。認知症では、見間違いや聞き間違いに妄想が重なることも多く、思い込んだものが間違いであると訂正できなくなり、確信となってしまうのです。また、レビー小体型認知症では、脳神経が集まっている部分にタンパク質が異常に溜まることが原因で幻覚を見ることもあります。
対応方法
否定しない
誰でも信じているものを頭ごなしに否定されると怒りたくなりますよね。それが幻覚や幻聴であっても、本人はそこに見えている(聞こえている)と信じているため、否定すると「信じてくれない」と孤独感を強めてしまいます。不安を感じさせたり混乱を招くと、幻覚がひどくなったり認知症が悪化してしまうことがりますので、否定せずに肯定するような演技をしてあげましょう。
安心させる
例えば「虫がいる」と言われたら「私が追い払ってあげるから大丈夫」と言ってみたり実際に追い払うような行動をしても良いですね。「知らない人がいる」と言われたら「さっき集金の人が来てたよ」という風に対応してみてください。混乱を招かないために、もう大丈夫だと安心してもらうことが大切です。
興奮しているときには落ち着かせることを優先する
幻覚や錯覚が起こり興奮してしまうことがあります。あまりに興奮すると、暴れたて転倒したり周囲の人を傷つけたりする恐れがありますので、まずは気持ちを落ち着かせることを優先してください。このときは、口だけで大丈夫だと説明するよりも追い払うふりをしたり、消臭スプレーなど無害なものを殺虫剤代わりに使用するなど、大丈夫だと思ってもらえるような行動を見せましょう。
落ち着いたら話を聞いて体調チェック
何か不安を感じていて、そのせいで幻覚が起こる場合があります。落ち着いたら話を聞いてあげてください。体調が悪くないかも合わせてチェックしておきましょう。
幻覚・錯覚を起こさない工夫を
見間違わない工夫をする
錯覚を起こしやすい原因でもある壁やカーテン、寝具などのシミなどは隠せるようにします。柄が虫に見えることもありますので、柄にも気をつけましょう。ヒラヒラ揺れるカーテンが錯覚の原因になることもあります。ご本人がいない間に空気の入れ替えをするなどカーテンが揺れないような工夫をしてみるのも、幻覚や錯覚を起こさない方法の一つです。
部屋を明るく・見通しを良くする
幻視や錯覚は暗い所で起こりやすくなります。薄暗い部屋、家具の陰などの薄暗い場所をできるだけ作らないようにしましょう。照明を明るめにし、家具の配置を変えて部屋の見通しを良くすることは幻視の対策としては有効です。幻覚のせいで興奮したときに怪我を防ぐこともできますよ。
気分転換をしてもらう
幻覚や錯覚で興奮しているときは、散歩に連れ出したり別の部屋でお茶をすすめたりして気分転換を図りましょう。気分が落ち着けば、幻覚などの症状も落ち着くことがあります。