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認知症の初期

2017年09月15日

怒りっぽいのは初期症状かも?自覚しづらい認知症初期のサインや行動をチェックしよう

人形とトゲトゲした吹き出し

認知症は早期発見と早期治療が重要な病気で、放置することでダメージが広がることがありますので注意が必要です。ほかの病気や薬の服用などが原因で症状が出ている場合には適切な対処をすることで治る場合もあるほか、早期にわかることで本人も認知症について理解することができ、周りも対応の準備ができるなどのメリットがあります。初期症状の知識をチェックして、見逃してしまわないようにしましょう。

認知症の初期症状を見つけるのは難しい?!

日々接している人だと、ささいな変化に気づかずに見逃してしまうことがありますので注意も必要です。認知症はある日急激に症状が出るのではなく徐々に進行していくため、日々の変化に気付けるようになることも大切。年齢を重ねた人だけでなく若年性の認知症もありますので、年齢に関係なく気になる症状があれば認知症かどうかの判断を見当してみましょう。

認知症の種類によって表れる症状の違いもあり、例えば、頭痛は認知症の主な症状の中では目立って挙げられないこともありますが、脳血管性認知症などのようにほかの病気と関連して認知症につながっている場合には見られる症状となりますので、いつもの頭痛と侮らないこともポイントです。

また、認知症の症状が出始めると本人も自分の異変に不安が強くなり、取り繕うような行動をとり、さらに発見が遅れる場合もありますので注意深く見守っていきましょう。

認知症の症状のサインや行動の分類

認知症の症状は中核症状と周辺症状に分けて考えることができますので、分類も参考にしてみましょう。中核症状は名前の通り認知症の中心となる症状で、これに基づいて周辺症状が表れるという構図になっています。

周辺症状は、認知症の段階によって表れやすい症状の変化もありますのでポイントをおさえておくと良いでしょう。わかりづらい時には、だらしない格好をする、同じ服装を続ける、電車に乗っていて目的地がわからなくなるなどの、わかりやすい初期症状の具体例も参考にしてみてください。

認知症の中核症状について

記憶にまつわる障害

物忘れなど、認知症でよく見られる症状で、起こった出来事を記憶することが難しくなります。初期症状としては、直近のことを記憶できず、同じ話を繰り返す、外出時に持ち物を忘れることが多くなる、今やろうとしていた行動を忘れてしまう。物がしまっていた場所を思い出せない、などがあるでしょう。

いつ?どこ?がわからない見当識の障害

今の季節、何月何日か、現在の時間、今自分がどこにいるのか、ということなどがわからなくなり状況把握ができなくなってしまいます。そのため、季節に合わない服装をしたり、通い慣れた道を間違えたり、お馴染みの場所で迷ったりすることがあるでしょう。初期症状では、約束の日時を間違えることが多くなるなどもあります。

判断力にまつわる障害

見当識障害と少し似ている部分もありますが、判断力が低下してしまう障害。どんな服を着れば良いのかわからない、何が悪くて何が良いのかという善悪の判断などができないなど、しっかりとした理由を見つけて判断をする、というような考え方ができなくなります。

性格が変化する

文字通り今までと比べて性格が変わってしまう症状です。初期症状では、以前と比べて怒りっぽくなったり、頑固になったり、落ち着きがなくなったり、自己中心的になったり、ということがあるでしょう。

失語、失行、失認などの障害

失語は、言葉が出てこなかったり、物の名前を間違えたり、相手の話す言葉が理解できないなどの状態です。失行は、思った通りの行動ができなくなり、服が着られないなど、体は問題なく動いても動作を組み合わせて行動できないことがあるでしょう。失認は、見えているものや知っているものを認識できなくなります。人を区別できなくなったり、今まで使えていたものが使えなくなったりすることがあるでしょう。

計画的に何かを行うなどの実行機能の障害

計画を立てたりすることが難しくなり、手順を考えることができず、今までと比べて料理が上手にできなくなるなどのトラブルがあります。計画的に買い物をする、複数のおかずを同時に作るなど、計画的である程度複雑な行動が難しくなるでしょう。また、車の運転なども複雑な行動になるため注意が必要です。

認知症の周辺症状について

行動や心理的な症状を意味するBPSDとも言われますが、中核症状を元にして表れるのが周辺症状で、それぞれの症状が特徴的で認知症の判断に役立ちます。ですが、必ずしも全てが起こるのではなく、人によって表れる症状には違いがあるでしょう。不安、抑うつ、妄想、幻覚などの心理的なものと、徘徊、暴力、不眠、食事の異変などの行動的なものに分かれますので、分類を把握しておくとより整理しやすくなります。

不安

不安は認知症のさまざまな症状の根底に関わっていることがよく見られます。記憶障害などをはじめ、以前の自分との違いを感じたり、わからないことやできないことが増えたりすることで不安につながることもあるでしょう。初期に見られやすい症状の一つです。

抑うつ

気分がふさぎこむ、無気力になる、興味を失う、などがあるでしょう。記憶障害などによって自分自身の変化に落ち込むことからうつになる場合もあります。認知症の初期から見られやすい症状で、うつ病との違いが難しい時もありますので注意しておきましょう。

妄想

お金や物を盗られたと思い込んだり、悪口を言われていると思い込んだりすることがあります。物を盗られたなどの妄想は初期から表れることがあるでしょう。

幻覚

症状が進行する中期などに表れることが見られます。見えないものが実際に見えているように感じる、聞こえない音などが聞こえるなど、それらを現実のものだと思い込むことがあります。妄想が重なることでさらに本人の確信に近づき、幻覚を強く信じてしまう時もあるでしょう。

徘徊

認知症中期に見られるようになり、本人が目的としている場所にたどり着けず、外に出て歩き回り帰ってこない、または帰れなくなるような状態があります。

興奮、暴力、暴言

症状の進行に伴い、興奮して感情の起伏が激しくなり、暴力をふるって暴れるようになる、暴言を言うなどの進展につながることがあります。以前と比べて言動の変化があった時には注意深く見守ってみましょう。本人が感じている認知症のストレスが暴力的な行動として表れるほか、周辺症状の心理症状の一つでもある幻覚が見えていることが原因で暴力につながる場合もあります。

不眠

睡眠障害が起き、不眠になることも見られる症状の一つ。昼と夜や時間の区別が付かないことにより、睡眠のリズムが崩れることがあるでしょう。また、レビー小体型認知症では、初期から夢を見ながら体を動かしてしまうなど睡眠のトラブルが起きやすいと言われています。そのほかには、夜間せん妄などが原因で興奮状態から不眠につながることがあるでしょう。関連して、日中に強い眠気を感じるトラブルもあります。

食事にまつわる行動の異変

初期に見られる記憶障害により食べたことを忘れてしまうと、さらに食事をとってしまい食べ過ぎにつながる場合があります。症状の進行に伴い、過食につながるほど食欲が旺盛になる場合もあれば、拒食の症状のように食欲がなくなる場合も。拒食には、食べ方がわからなくなってしまった、食べ物だと認識できなくなってしまった、などの状況も関係するため少し複雑です。