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認知症の初期

2017年06月20日

初期に気づけば認知症は治る?初期の治療で治る症状・効果や使われる薬について

カルテとハート

どんな病気にも言える事なのですが、症状が出始めた初期のころに適切な治療を開始することはその後の病の進行度合いや治癒の可能性に大きな影響を与えます。命を落とす危険と隣り合わせの病であっても、初期に発見することで改善が見込める可能性が高まる事も珍しくありません。認知症に関しても初期に発見して専門の病院を受診することで適切な治療を開始できれば、その後の人生は大きく変わってくることが十分に考えられます。

初期に病院を受診することのメリット

認知症を発症して症状が進行してゆけば、本人はもとより周囲の人間の生活まで巻き込むような状況に陥ってしまう事はけして珍しい事ではありません。認知症は初期に発見し、きちんと専門の病院を受診して治療を開始することができれば、症状を軽くしたり進行を遅らせたりといった改善が見込める場合もあります。

ただし、初期の症状ほど診断は難しくなりますが、認知症が疑われる場合には専門の医療機関に相談することが不可欠です。認知症と言っても、もしもその原因が脳腫瘍などの病気によるものの場合、外科的処置を受ける事で劇的に症状が改善する場合があります。外科のみではなく甲状腺ホルモン異常などの場合には内科的治療により症状の改善が見込まれるケースもあります。

認知症の初期症状の治療法

認知症の中でもアルツハイマー病は特に症状が早期の頃ほど投薬による治療でその進行を遅らせる事が可能だと言われています。早い段階で薬による治療を開始することで健康な状態で過ごせる期間を長くすることが可能になります。

そのほかに脳の血管の病気による原因で認知症の症状を発症している場合には、初期に治療を開始することで原因となる脳の病気が再発しない事にもつながり、結果的に認知症が進行してしまうのを抑制する効果が期待できるようになります。そのためにも認知症が疑われるような症状が現れた場合には初期の段階で専門の病院を受診することがとても重要になります。

初期の認知症の進行を抑えるために処方される薬にはアリセプトと呼ばれる治療薬があります。ただしこの薬は認知症を根本的に治療するものではなく、あくまでも対症療法としての治療に使われるものであり、症状が悪化したり進行したりするのを抑制すると言うものです。

初期の認知症治療に処方されるアリセプトの治療効果

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では脳内の神経伝達物質の一つのアセチルコリンが減少していることが判明しています。認知症治療薬として処方されるアリセプトは、脳内でアセチルコリンを分解する酵素の作用を阻害することによって脳内のアセチルコリンが減少するのを抑える働きをして神経伝達物質の濃度が低下しないようにする効果があるとされています。その為記憶や学習機能の低下を抑える事に繋がると言うのがアリセプトの治療によって得られる効果とされています。

薬の服用による副作用の可能性

アリセプトを服用することによる代表的な副作用には食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などの消化器官に影響を与える症状があります。ただし、この副作用は薬による神経伝達物質の状態の変化が直接影響しているものとは考えにくく、多くの場合服用する薬を増量したタイミングなどで現れると言われています。

また、脳内のアセチルコリンが急激に増える事で神経細胞が刺激され、必要以上に興奮したりイライラしたりする症状が出る事もあります。これらの症状がそれほど重篤ではない場合には徐々に体も慣れてきて自然に快方に向かう事が多いようですが、症状が重症の場合には主治医の判断によって服薬の中止や服用量を減らすなどの処置が必要になる場合もあります。