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認知症の検査

2017年07月21日

MMSEと長谷川式認知症テストの違いは?認知症検査でよく使われる二つのチェック方法

チェック

認知症の診断に際しては主に記憶力がどの程度低下しているかを証明するテスト形式のものが使用されます。今現在の日にちや自分が今どこにいるかを見る見当識、ものを覚えたり思い出したりする記憶、その他にも計算や動作などに関する状態を総合的に評価する方法を採用します。ただし同じ認知症と言っても個人個人原因となる病気も症状の程度も異なる事から、それらに合わせて使用されるテストは違ってくるのが一般的です。

現在認知症テストとして最もよく採用されているのは長谷川式簡易認知症評価スケール(HDS-R)とミニ・メンタルステート試験(MMSE)の2種類です。それぞれテストの問題によって項目ごとに点数をつけて総合的に認知症の診断をするものです。

長谷川式簡易認知症評価スケール(HDS-R)の特徴と内容

長谷川式簡易認知症評価スケール(HDS-R)は日本国内の認知症診断に最もよく使用されているテスト方式です。この検査にあたっては本人が少なくても自分自身の生年月日を誤りなく言える程度の状況であればテストを実施することが可能だと言われています。

まず初めに自分の年齢を言えるかどうかのテストですが、2歳差までは正解として1点になります。続いて今日が何年何月何日何曜日かを答えるもので、全て正解なら4点です。次に自分が今どこにいるかを答えるものですが、すぐに答えられた場合2点、例えば家と施設などの選択肢の中から答えられれば1点になります。

さらに質問者が言った言葉をすぐに覚えて答える問題、100から7を順番に引いていく問題、例題として読み上げた数字を逆から言い直す問題、ある単語を記憶させ、時間がたってからその単語を尋ねる問題、ものの名前を言えるかどうか視覚を通した記憶を確認する問題、例えば果物の種類を思いつく限り言ってくださいなどの問題を出題し、それぞれの結果を点数化します。30点満点で20点以下の場合認知症の疑いがあるとされています。

ミニ・メンタルステート試験(MMSE)の特徴と内容

MMSEは日本国内だけでなく国際的に最もよく使用されるテストです。記憶力などを中心にテストする問題ですが長谷川式のテストよりもさらに複雑な問題が組み込まれた内容になっています。まずは今日現在の日付と季節を答える問題、今現在自分がいる場所を答える問題で、何地方の何県で、建物の何階にいるかなどやや詳細な問題になっています。

次に3つの言葉を言って覚えて答える問題、100から7を引く作業を5回繰り返す問題、記憶した言葉を時間を置いてから答えられるかを見る問題、ものの名前が識別できるかを見る問題、やや長文の文章の例題を聞いてから同じように言えるかどうかの問題、言葉を聞いて指示に従って動作ができるかを見る問題、紙に書かれた指示に従って実行できるかを見る問題、紙に意味の通じる文章を書けるかを見る問題、例題の通りに図形を描けるかを見る視覚認識の問題などがあります。

30点満点で、各回答を点数化して22点から26点が軽い認知症、21点以下だと認知症が疑われると言うものです。

MMSEと長谷川式認知症テストにはどんな違いがある?

どちらも認知症を診断するための簡易テスト言う点では同じなのですが、長谷川式の方は主に日本で使用されているものなのに対し、MMSE検査は国際的に広く使用されているもののため、現在ではMMSE検査が主流になりつつあるとも言われていますが、長谷川式の方も根強い信頼性があり多くの機関で採用されています。

テストの内容はどちらも項目ごとに点数化されて合計点数で評価するものですが、長谷川式の方が口頭で答える方法なのに対し、MMSE検査の方は紙を持ってください、紙を半分に折りたたんでください、文章を書いてくださいなどのように動作を必要とする項目が含まれているのが特徴です。診断の精度に関してはどちらがより優れていると言う違いはないと考えられています。