介護のハウツー
2016年08月14日
事故を防ごう!介護現場のヒヤリハット事例から対策方法をチェックしておこう
医療現場でよく使われる「ヒヤリハット」。このヒヤリハットは、介護現場に置いてもよく目の当たりにするものです。大事故につながりそうな「ドキッ」としたトラブルや「危ない!」と思わず大声をあげてしまうような出来事は、介護現場にはつきものです。このような出来事を減らすためには、ヒヤリハットとは何なのか、どのようなリスクがヒヤリハットを引き起こしているのかを把握し、的確に対応していく必要があります。
目次
- 1 ヒヤリハットとは何?
- 2
ヒヤリハット事例と対策
- 2.1 利用者本人による原因
- 2.2 職員・家族など周囲の人が原因
- 2.3 介護現場に潜む原因
- 3 ヒヤリハットが起きてしまった時の対応は?
- 4 まとめ
ヒヤリハットとは何?
ヒヤリハットとは、大きな事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりと事故ギリギリの危ない出来事のことです。ほんのささいな出来事も、大事故につながるヒヤリハットのひとつと言えます。介護業界ではあってはならない大事故。この大事故の陰には、なんと29ものヒヤリハットが隠れていると言われています。そのため、大事の一歩手前の状態のヒヤリハットを把握することで、大事故を防ぐことができます。
ヒヤリハット事例と対策
ヒヤリハットには起こってしまう原因が潜んでいます。その原因と対策について、事例を基にしてご紹介します。
利用者本人による原因
ヒヤリハットは、利用者の病気や習慣など、利用者本人によって起こってしまうことがあります。事例としては、お散歩中に少し目を離した間に利用者がしばらくの間行方不明になってしまうなどがあげられます。このヒヤリハットを防ぐ為には、利用者の病気の特徴や習慣・性格などをよく知っておくことが重要です。
職員・家族など周囲の人が原因
介護の世界では、人と人との関わりが欠かせないものです。この関わりの中でヒヤリハットが起こってしまうことも少なくありません。例えば、利用者同士での人間関係のトラブルや、家族が利用者への差し入れとして、喉に詰まりやすいお饅頭などを持ってきたりすることがその例です。利用者同士が衝突しないような環境作りを行うことが大切です。また、利用者だけだなく、その家族に対しても施設内でのルールや注意事項・禁忌を把握していただくことも、リスクを持ち込まないために欠かせません。
介護現場に潜む原因
利用者が毎日過ごす介護現場に原因が潜んでいる場合もあります。福祉用具の不具合があったり体に合わなかったりすることや、施設内の段差につまずいて転んでしまうことなどがこの原因で起こるヒヤリハットです。このヒヤリハットが起こらないようにするためには、毎日こまめにメンテナンスを行い、常に改良する姿勢が大切になります。
ヒヤリハットのリスクは、これら3種類に分類されます。こうしてみてみると、介護現場は常にヒヤリハットのリスクと背中合わせであるということがわかるのではないでしょうか?つまり、介護現場ではできるだけこれらのリスクを摘み取って、ヒヤリハットから遠ざけながら介護を行うことが求められるということです。
ヒヤリハットが起きてしまった時の対応は?
ヒヤリハットが起こってしまった時には、次に同じことが起こらないように対応することが重要です。そのために有効なのが、「ヒヤリハット報告書」です。ヒヤリハット報告書は、その場にいたスタッフが事細かに記入します。いつ・どこで・誰が・何をしたのかなどを詳しく記録しておくことで、同じことが起こらないようにすることができます。
ヒヤリハット報告書は、上長に提出するためだけのものではありません。スタッフ間でいつでも見られるようにして、周知することで、危機管理意識が強くなります。スタッフひとりひとりがヒヤリハットを意識し、責任者がそれを管理することで、ヒヤリハットの数を減らすことができます。
まとめ
ヒヤリハットは、大事故を知らせてくれる貴重な機会です。このヒヤリハットを見逃さず、対応していくことで、大事故を未然に防ぐことができるのです。