介護のハウツー
2016年06月22日
チームをまとめる!介護職員のリーダーに求められるスキルや役割
介護職員におけるプレイヤーとリーダーの違い
今までは、自分のことが自分でできていればよかった、一人のプレイヤーとして働き方をしてきたあなた。その実力が見込まれたり経験年数を重ねてくると、今度はリーダーとしての任務を任されるようになります。そこでプレイヤーとして仕事のデキる人が、リーダーになって壁に突き当たるということが出てきます。プレイヤーとしてデキるということは、利用者さんや入居者さんの身になって考えることができ、安全管理・危機管理ができ、時間管理もできる人ということです。しかし、プレイヤーとリーダーは違います。なぜ、リーダーとなるとうまくいかなくなってしまうのでしょうか?
リーダーには、スタッフとスタッフの間に入る調整役として、マネジメントすることが求められるからです。同時に、下を育てるという教育的側面も出てきますね。自分だけができていればいいのではなく、チームとして全員が同じラインに立てるように持っていくことが、リーダーの仕事になるからです。
リーダーに求められるスキルは?
では、あなたがリーダーとなりチームをまとめ、同時に後輩のスキルアップもさせようとなると、具体的にはどのようなスキルが求められるのでしょうか?まず、あなたはどのスタッフに対しても公平な立場であること。そして、俯瞰的に全体を見渡すことが必要になります。
- 一人にだけ業務負担が多くなっていないか?
- 休みが均一になっているか?
- 個人のキャパシティを配慮した業務量になっているか?
- スタッフ間の人間関係はどうか?
これらに問題アリと判断した場合、あなたが間に入って調整することが必要になります。いわば、緩衝材ですね。うまくいっていない人同士を無理矢理仲良くさせようとするのではなく、お互いに理解を深めることが難しいのであれば、あえて離れた場所でのびのびとさせる・・・といった、スタッフの動かし方にも関わってきます。
子供の体調不良や学校行事を理由に、1人だけ有給消化の多いスタッフがいたら、他のスタッフにも有給がとれるように勤務調整することも、お互いが気持ちよく働くことのできる環境づくりに必要です。そして大事なのは、「考えさせる力」を伸ばすこと。よく指導者やリーダーにはコーチングが大事と言われることがありますね。でもコーチングって、何?どうしたらいいの?という方も多いでしょう。勘違いしがちなのですが、コーチングというのは教えることではありません。自分で間違いやスキルアップ・現状の問題点に気づくことができ、それに対する解決策を自分で導きだすことができるようにサポートすることです。そう、「自分で」というのがポイントです。
どの職種でもある問題だとは思いますが、最近の会社(施設)は、自分で考えられる人と指示待ち人間とに、二極化しています。リーダーとなったあなたはもちろん自分で考えられる人ですが、指示待ち人間や自分で考えられない人を、どう育ててどう使うかは大きな課題です。わかっていて指示待ちの人間もいれば、本当に自分で考えて行動することが身についていない人もいるのです。
適材適所、そしてどう育てるのか
スタッフをどう育て、どう配置し、どう使うか?これが、リーダーとして求められる最も難しいことだと思いますね。指示待ち人間に対して逐一指図するのでは自分の仕事も減りませんし、あなたがいなければ業務がまわらなくなってしまいます。かといって、自分で考えられるデキる人にばかり任せていると、その人達の不満が爆発します。
デキる人に飴を与えつつ、許容できる範囲で指示待ち側の人にムチを与える。この兼ね合いが、非常に難しいのです。何かを伝えるにも、その人の受け入れられる言い方というものがありますし、求めるものが給料なのか休みなのか称賛なのか、その人の価値観がどこにあるかを読み取ることも必になります。結局のところ、リーダーに求められる力というのは人と人の間に入って調整すること。これに尽きるでしょう。
こんな仕事より、現場がいい!自分のことだけやってる方が、よっぽど気が楽だった。役職手当外していいから、もとのメンバーの立場に戻して欲しい・・・。こんな風に思っているかもしれませんね。でも、リーダーは誰でもできるものではありません。あなただからこそ、リーダーを任されているのです。気負いすぎず、メンバーの立場から少しだけ視野を広くしてみることを心がける、そこから始めてはいかがでしょうか?