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認知症の検査

2017年08月07日

自動車の運転免許の更新には認知症検査が必要?高齢ドライバーの認知症診断について

自動車の模型

高齢者ドライバーの交通事故に関するニュースが後を絶ちません。もちろん交通事故を起こすのは高齢者に限ったことではなく若い年代が無理な運転をしたことが原因のこともあるし、注意を怠ったために事故につながる事はどの年代にでもありえることです。

しかし昨今高齢者ドライバーの運転に対する社会の関心が高くなっていることは確かで、一定以上の年齢に達した高齢者の運転免許の更新に際しては法律改正によって認知機能の診断が義務付けられる事となりました。

高齢運転者対策としての道路交通法改正の内容とは?

道路交通法の改正によって満75歳以上の高齢者は免許更新の際に認知機能検査を受ける事が義務付けられるようになりました。そして認知機能検査の成績が49点未満の場合は記憶力・判断力が低くなっている者(第1分類)、49点以上76点未満の場合は記憶力・判断力が少し低くなっている者(第2分類)、76点以上は記憶力・判断力に心配のない者(第3分類)のいずれかと判定されます。

第2分類と判定された場合は高度化講習の受講が義務付けられ、個別指導と合わせて合計3時間の講習の受講が必要になります。

そして認知機能検査の結果49点未満の第1分類と判定された場合には、記憶力も判断力も低くなっていると判定され、高度化講習を受講した後でさらに臨時適性検査を受けるか主治医の診断書の提出が必要になります。そして臨時適性検査や主治医による診断書から認知症と診断されると運転免許は取消しまたは停止の扱いになります。

また、75歳以上の運転免許所持者が認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為(18基準行為)をした場合にも臨時認知機能検査を受ける必要があり、その結果が49点未満の第1分類の場合には臨時適性検査または主治医の診断書の提出が求められることになり、認知症と診断されれば運転免許は取消または停止の扱いになります。

ただし、(18基準行為)による臨時認知機能検査の成績が第2分類と判断されれば臨時高齢者講習の受講のみが必要で、第3分類と評価されれば臨時高齢者講習の受講は不要で運転免許はこれまでどおりに継続されることになります。

認知機能検査の内容とその為の対策

認知機能検査では時間の見当識の検査、16種類の絵を記憶して答える記憶の再生力に関する検査、指示された時間を紙に時計で描く検査などによって、樽俎人の今現在の記憶力や判断利力を評価されます。

認知症の発症による記憶力や判断力の低下が重大な事故につながる可能性が高いことからこうした検査の導入が行われるようになったものですが、認知機能に異常が見られない場合でも検査となれば誰でも緊張してしまって普段の能力を発揮しきれない事も考えられます。法改正によって義務付けられたとはいえ、事前にインターネットなどで検査内容を確認して自分なりに予行練習を行うなどの対策も必要です。

運転免許の自主返納を検討することも必要

誰もが年齢を重ねてゆけば体や脳の機能の低下が起こりやすくなります。でも、一定の年齢になっても運転を継続するためには自分自身の状態を正確に把握することが求められます。

認知機能だけでなく運動機能の低下も認められるようになれば、家族ともよく話し合ったうえで運転免許の返納を検討することも必要でしょう。でも、核家族化が進んで地方に住む高齢者にとっては車の運転ができなくなることは日常生活に大きな影響を受ける事に繋がります。

現在は運転免許の自主返納をした人に対する特典や、地域で利用できる生活の足を確保するなどの試みを実施する自治体も少なくありません。高齢者の運転に不安を感じるような状態であれば、地域包括センターや行政の窓口に相談してみる事もおすすめです。